連載:気まぐれゲーム雑記 第7回:音ゲーの特許なアレコレ
気まぐれゲーム雑記
第7回「音ゲーの特許なアレコレ」
早い者勝ちよりも、特許取ったモノ勝ちの世の中です。
夏です
夏と言えば、夏休み。社会人の方はお盆休みでしょうか。
健全な方なら、海へ、プールへ、山へ。
ゲーマーは、部屋でゲーム(いつもと変わりません)。
そして、漫画やアニメ好きな人達は戦場の有明へ。
そう夏と言えば、オタクな方々の年2回の祭典、コミックマーケットinサマー(以下、夏コミ)が開かれる時期でもあります。……まぁ、ゲームブログとはいえ、東方やひぐらしなど、コミケとは切っても切れないタイトルがある以上取り上げたっていいじゃない、と思うわけなのですよ。
管理人としましては、その昔友人がバイト代をくれるというので誘惑に負けて戦場の有明へおもむいた事がありますが、うん。色んな意味で、すごかった。今ではその友人も地方へ飛ばされたので、別段参加しているわけではありませんが、毎度ながらその雄志は見させて頂いております。
毎年風物詩のように、国際展示場へ向かうバスを見ると、あの人達は戦場へ行く(もしくは帰還)するのだなぁ……と切に感じてしまいます。……滅多に見る機会ないですけど。
というわけで、本日から開催される夏コミに行く方は頑張って記念としまして、特許について耳が痛いような話題をしたいと思うのです。
空前の話題を呼んだお寺
東京で一番西に位置する市の八王子市に、了法寺(りょうほうじ)というお寺があります。
日蓮宗の由緒正しいお寺……なのですが、いわゆる「萌え」を取り入れた何ともオタク文化に世俗的な、オタクに優しいお寺となっています。公式サイトはこちら(もっとも、現在見られるかはわかりませんが)。
あ、どうでもいいかもしれませんが、管理人はかなり昔に八王子市駅前の地下駐車場で迷子になりかけました。あの地下迷宮は、メガテンをやっているかのような気分になりました……。今はどうなのか、知りませんけどね。
さて話を戻して、管理人はこのお寺の事をテレビの特集で知りました。うん。時代は変わるモノですね。
そんな何とも前衛的なお寺ですが、お経を兼ねた同人ゲームをこの夏コミで発売する予定「でした」。
そう、すでに過去形です。特許的な問題から発売中止するよう勧告を受けたのです。じゃあどんなゲームだったのかというと、こんなゲームです。音が出るので、注意して(特に周りに誰かいないか)ご覧下さい。
お経さえも、オタク文化に染まればこのように前衛的になってしまう……。何とも恐ろしい文化にも思えてなりません(もちろん冗談です)。
さて、このゲームは誰がどうみてもバンナムさんのアレにしか見えないでしょう。
管理人も一番最初そう思ったのですが、公式ページに企業ブースで販売するとあったので「特許はクリアしている」と考えていました。
よって、ぶっちゃけると、今日の記事は最初の段階だと、コミケでとんでもない音ゲーが出てくるぞーって話題で書こうと思っていました。
ですが、コミケ開催直前に特許的に問題があると指摘を受けて、発売を中止することになりました。ちなみに、どこがどう問題なのか、という言及はありませんので、どこがそういった指摘をしたのかもわかりません。
ですが、特許的には問題がある、という事になった以上はどうにもならないでしょう。
特許な話
さて、やっと本題です。
実は、音ゲーというのは「非常にたくさんの特許」が張り巡らされています。はっきり言ってしまえば、音ゲーを制作する際に一番の敵は「特許」です。これは間違いないでしょう。
かつて、コナミさんは音ゲーに関する事で、ジャレコやナムコを訴えた事があります。一応今でも古い記事として残っていたのでここらへんを読んで見て下さい。
……とはいっても、読むのが面倒な人のために細かいところはざっくりぬいて要約します。
昔、音ゲーの特許を侵害したろ! とコナミがジャレコを訴えて、そこから更にナムコも訴えました。そうなったらナムコは、違うゲームでの特許侵害で対抗訴訟を起こすという泥沼の訴訟合戦になって大変な事に発展したので、最後は和解したよ、というお話です。
そんな風に、訴える手段にも出た事がある音ゲーの特許ですが、結構細かく決める事ができます。垂直に音符が落ちる、水平に動く、などです。要するに、ビートマニアも、太鼓の達人も、セガのミクさんゲームも、それぞれ独自の特許をもっています。逆から言えば、どのゲームも「特許を侵害しないように作られている」と言う事なのです。
かたや、同人ゲームはそういった特許を知らない、ないし、気にしないで作る人が多いです。
まぁ、元々コミケは同人誌のイベントです。同人誌自体は著作権的に見ると侵害している可能性が大です。なぜ、可能性が大、という言い方をするかといえば、親告罪となるので著作権保持者が行動にでない限りは罪に問えません。何とも難しいボーダーラインです。
それに、同人誌やコミケには文化があります。いわゆる、パクリパクラレ、オマージュ、パロディなどなど、今の有名漫画家さん達が辿ってきた登竜門的な場所でもあります。ですので、行動にでない出版社や作家さんが多いのでしょう。
もっとも、同人誌でも「ドラえもん最終回騒動」といったことで、著作権の侵害として取り扱われる事もあるので、注意が必要な事には変わりはありませんが。
今回のお経の達人は、著作権の侵害ではありませんが、特許を侵害してしまいました。タイトルもさることながら、内容もアウトですし、こればっかりは言い逃れができないでしょう。同人であれど、完全オリジナル作品なら問題はないでしょうけど、意識をしないで真似て作っちゃう、という人は多いと思います。
そのゲームの本質を表しているだけに、パクられないための特許というのは非常に重要です。そして、今回の一件は素人であれど売買するならその特許を侵害してはいけない、という警告にも思えます。同人ゲームに限りませんが、制作する側は露骨ではないにせよ意図しないパクリになってしまった、なんて事にならないよう努々気をつけましょう。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:コミケで話題の音ゲーを取り上げるはずが特許の話題になっちまったよ……どうしてくるんだい? ってノリの話です。
:知るか。……まぁ、ネタとしては一級品の音ゲーかもしれなかったが、特許侵害で勧告を受けちゃったら不味いだろうな。
:ま、ヤフーの映像トピックスとかその他諸々で話題になっちゃったから、特許を持つ企業の目に入っちゃった、ってところかもね。ドラえもん最終回の時もそんな感じだったように思うし。同人でゲームを作っている人は、何気なく気をつけましょう。
:その何気なくが難しいんだろうけどなぁ……。
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