連載:気まぐれゲーム雑記 第5回:ゲームに見る商標権

気まぐれゲーム雑記
第5回「ゲームに見る商標権」

商品の名前の重要性を知っていますか?

Windows8な話題から

Windows。いわずもがな、世界でもっとも普及しているOSです。マイクロソフトさんを、帝国とまで言わしめる大元になったモノとも言えます。

今年は、Windows8が発売されます。Net Applications調べによると現在XPの普及率は、全体の42%程度となっているようです(詳しくはこちら)。Windows7が発売されて早3年経とうとしていますが、OSの世代交代は進んでいないモノというのが伺えます。

かといって、交代しないとXPのサポートは2014年までとなっているので、OSを乗り換えるチャンスはWindows8にある、と睨んでも良いでしょう。
で。
Windows8は、そのUI(ユーザーインターフェイス)を「Metro」という名称で呼んでいます。一部では、開発コードネームだった、などという話もでていますが、その「Metro」が名称を変えることになりました。

一部メディアは、この情報を将来的な商標訴訟絡みの回避ではないか? という報道をしました。
マイクロソフトさんは、公式に変更する事は認めたものの、訴訟絡みではないといったように否定しています。……と、ここまでが前置きです。

商標ってなんぞや?

まぁ、マイクロソフトさんの真意はどこにあるかわかりませんが、それはさておきゲーム絡みの商標についてお話してみようと思う次第です。

商標というのは、文字や図形、立体、記号などを組み合わせた事業者が商品などに使うモノを指します。
よーするに、ソニー、任天堂も商標。大正製薬の鷲のマークも商標です。KFC(ケンタッキーフライドチキン)のカーネルサンダース人形も商標です。

で、これらは商標法という法律によって定められているものです。まぁ、面倒くさい話なのですが、そういう取り決めなのです。

たまに商標権を売り買いして利益を得ようとするいわゆる「商標ゴロ」という人達も存在します。しかしながら、基本的にこれらは商標法上では、自分の業務に関する商品に使う商標は、商標登録を受ける事ができる、とされているため、自分の業務に関さない業務の商標を取ろうとする事はできません。逆を言えば、自分の業務に関係するものなら商標を受ける事ができる、という事になります。
……あくまでも、日本をベースに考えた場合、ではありますが……。

やっと本題

さて、いよいよゲームについてです。
日本では、同人界やニコニコ動画で人気な東方ですが、それらの手がけているサークル「上海アリス幻樂団」とこれら東方の一連プロジェクト「東方プロジェクト」が第3者にその商標を取られる事になりました。

代表者であるZUN氏も後に続く形でその商標を取ったため、両者に商標があるという状態になっています。これらについては、どこまでを線引きとするかが非常に難しいラインとなるでしょう。もちろん、ファンからみれば「ふざけんな」でしょうけど……。でも、要するに企業というのは、最初からそれを想定しているために、最初に商標を出願する、という流れになっているのです。
……同人と企業を比較するのはおかしな話ではありますが、東方が同人の枠を超えた一大ビジネスとして、虎視眈々と狙われる側になっている、という事も言える話に思います。

また海外では、SteamやPotalシリーズのValveとディアブロを手がけるBlizzardが、DOTAという商標について争った事があります。
Blizzardの人気RTSタイトルWarcraft IIIの大人気MOD「Defense of the Ancients(DOTA)」の続編にあたる「DOTA2」をValveが発表した、という流れから来ています。MODの開発者がValveに入社したためです。

当然Blizzardは怒って訴訟を起こしました。DOTAは7年以上親しまれたものであり、BlizzardがValveに認可したものとファン達に勘違いされる、といったものです。これは、第3者が作ったMODが、一大ジャンルを築くくらい大きくなってしまったが故に起きた訴訟とも言えます。
話のオチとしては、双方が和解しValveは「DOTA」の商標がビジネスとして使える事になり、Blizzardは非営利目的でWarcraft IIIやStarCraft IIユーザーコミュニティでの使用が認められるというモノです。
大体は、開発者の意図を汲んだもの、ということに思えます。

たかが商標、されど商標

どの企業も、ゲームを発表する前に商標を取るのは、上記のような問題が起きないようにする、防衛手段のために商標を取ります。
たかが商品の名前でしょ? と思うかもしれませんが、中々に他の会社の商標を侵害していない名称、というのを考えるのには苦労するところです。なおかつ、それが覚えやすくなくてはいけませんから。

どの商品名も、そのような背景があって名称が付けられています。……最近のライトノベルのタイトルを見ると、何だかなぁ!? とツッコミたくなるような気もしてしまいますが、あれはあれで確かにどの商標も侵害していないタイトル、といわれればその通りでしょう。……覚えやすいかどうかはさておくことになりますが……。

結論としては、企業に限らない話ではありますが、しっかりとした名称を守りたいなら商標は取れ、ということになります。世の中、善意だけのユーザーとは限りませんので……。願わくば、そういう事でゲーム会社や企業が揉める事がないよう、潤滑なやりとりというのをしていってもらいたいですね。

[情報元:ニコニコニュースさん,Game*Sparkさん]

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:なんとなく、商標について語ってみました。

しゃきーんさん:つまり、個人でも商標権取れば良いの?

しょぼーんさん:それが自分の事業に関する事なら。どうしても必要な名称とかなら損はないかと。色々と長いみたいだけどネー。

しゃきーんさん:うちのブログも取った方が良いの?

しょぼーんさん:……そこまで一大ビジネスになるの……? このブログ……。

連載:気まぐれゲーム雑記 第5回:ゲームに見る商標権に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

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