連載:気まぐれゲーム雑記 第813回:Kickstarterで嘘の支援によりゴールが取り消されるという事案が発生、クラウドファンディングの新たなる問題

イタズラにせよなんにせよ、開発者を馬鹿にする行為

今後「ギリギリゴール」のモノは、逐一気にしないといけなくなった

AZです。もうエアコンを使わないとまずいくらい暑くなっている事案が発生しております。

それはさておき、Kickstarterで嘘の支援によりゴールが取り消されるという問題が勃発したようです。

アーケードライクな縦スクロールシューティングゲームとして開発が進められ、Kickstarterを通しながら資金調達を試みていた『Dimension Drive』。5月14日の期限までに30,000ユーロの確保を目的としていた同キャンペーンは、最終日にとある1人のユーザーから7,000ユーロの支援を受け、見事ゴール金額を達成していました。

この多額支援を行ったのは、“Jonathan”と呼ばれるユーザー。彼には開発元Twitterから「私達にとってのヒーローだ!」「愛してる、個人的に会いに行きたいです!」と感謝のコメントが送られており、『Dimension Drive』の資金調達は無事に成功したかのように思われていました。

この数時間後、2Awesome StudioはKickstarterサービス運営元から警告を受けた旨を報告。Tweetによれば、「7,000ユーロの支援は虚偽のものだった」とのこと。これにより、『Dimension Drive』の最終的な確保金額は23,481ユーロへと修正され、Kickstarterキャンペーンでのゴール達成は取り消しとなってしまいました。

[引用元:Game*Spark

なんというか、ただただ酷い話ですね……。

クラウドファンディングは、インディーゲームが開発費を集めるための手段として用いられる事が多いやり方ですが、今回のような多額の虚偽があったというのは大きな問題とも言えます。虚偽だったことが早期に分かっただけ良かった、とも言うべきでしょうか。

インディーは今、色々な立ち位置があります。稲船氏などに見られるような著名クリエイターが独立するスタイルから、本当に無名なところから始まる人達もいるわけで、どれもひとまとめにインディーという枠組みで考えられています。ですが、資金集めに苦労するのは前者よりは後者の方になります。いやまぁ、どちらにせよ大変な事に変わりはないわけですが、クラウドファンディングの成功率が高いのは前者と言えるでしょう。

日本では、稲船氏の「Mighty No.9」、NIGOROの「LA-MULANA2」、河野一二三氏の「NightCry」、IGA氏の「Bloodstained」らで、クラウドファンディングもジワッと話題を集めていますが、クラウドファンディングという手法自体が普及しているとは言いがたい。そういう状況なだけに、虚偽の話題は出てくるはずもありませんが、日本でも今後広がっていく可能性はあるということだけは知っておいても損はないでしょう。

ここ最近のクラウドファンディングは、大きく話題を引っ張りそうなタイトルばかりがピックアップされるケースが多いです。ゴールまでの時間や、最終的に集められた金額など、実際に達成できた事でしょうから何とも言いがたいところはあるわけですが、その一方で少額さえ集めるのが難しいインディーゲームがあるのも間違いはありません。今後も多くのインディーな方々が利用するサービスでしょうし、支払う側のモラルが問われるような問題がおきない事を願いたいモノですね。

ゴールが取り消されてしまったDimension Drive

連載:気まぐれゲーム雑記 第813回:Kickstarterで嘘の支援によりゴールが取り消されるという事案が発生、クラウドファンディングの新たなる問題に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:Kickstarterで嘘の支援によりゴールが取り消されるという事案が発生したというので、なんつーかモラルは大切だよ? と思うわけです。

しゃきーんさん:まぁ、元々こういう可能性ってあったよな……。

しょぼーんさん:あったんだけど、こういう支払い虚偽ってのは何がしたいかわからんとしか言い様がないかな。誰にとっても、メリットがないし、開発者にとってこれほど残酷な事もないと思う。……気持ちを切り替えて、前向きに頑張って欲しいなぁ……。

しゃきーんさん:動画をみると、シューティングとして面白いアプローチしてるしな。今後も、無理しない程度にやっていって欲しいもんだわ……。

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