連載:気まぐれゲーム雑記 第810回:TIF 2015のぶっちゃけトークが非常に有意義なモノになっていた
小規模だからこそできる、ゲーム開発への情熱
大手とインディーの違いは、何を第一とするかではなかろうか
AZです。作業の合間を縫って、色々ゲームしたり何やしたり、なんだか過密スケジュールです。
それはさておき、個人的にかなり行きたかったけどスケジュールがどうしても空けられずいく事がかなわなかった東京インディーフェス2015ですが、NIGOROの楢村氏、Nyamyamの東江氏、プチデポットの川勝氏、そしてQ-gamesの伊藤氏がかなり素敵なぶっちゃけトークをしたようです。
東江 あの……なんかぶっちゃけちゃうと“ちゃぶ台返し”みたいなことをいうことになっちゃうかもしれないんですけど……。俺、ブランディングとかプロモーションとかク●みたいに嫌いなんですよ。なんか、そんなことやってられっかよ! ということを思って会社を出たんですよね。マーケティングの人とかって、予算がどうだとか、うちの戦略に合わないだとか……そんなこと知るかよって! ゲーム制作中に、自分のタイトルのブランディングを考えてどうこうしようぜっていうのは、なんか●ズなんじゃねーのかって思うんですよね。
川勝 ……(笑)。
東江 マーケティングはやらなきゃいけないことなのかもしれないですけど、「そこじゃねーだろ」って思うんですよ。けっきょく、プレイヤーがいるじゃないですか。彼らは自分の時間をほんの少しでも使って、遊んでくれるんですよ。そういう人たちに、どれだけ真剣にこっちが答えていけるかじゃねーのかって思うんですよ。
楢村 ははは。
東江 このステージにいる人たちって、みんな……恥ずかしがり屋なんですよ。あんまり俺みたいなことを言わないんですけど、みんなそういうことを思ってゲーム作って、やってるんですよ。俺だって、Twitterとかで『Tengami』を遊んでくれた人が感想をあげてたり、動画共有とかのカルチャーも受け入れていて、もっとやってよねって返すし、丁寧にありがとうって思って返事していますよ。でも、それはブランディングとかじゃなくて、ほんとうにありがとうって気持ちで思っているから、返しているだけなんですよ! ……売るための方法を知りたがるあまりに、そういう純粋な気持ちからの行動を、方法論に当てはめて解釈するのは、履き違えないほうがいいんじゃないかって個人的には思いますね。
[引用元:ファミ通.com]
いいですね、こういう考えは。
このあとも、もっとぶっちゃけトークになっていくので、インディーな方々のゲーム開発に興味がある人は一読しておくといいでしょう。何はともあれ、「完成させなきゃ意味がない」という素人がぶち当たる最大の壁を思い知らせてくれます。
フリーランスの当方としては、大変共感せざるを得ない話題だったりするわけですが、やはり大手企業と小規模開発の違いがうっすらと見えてくる話題とも言えます。小規模なインディーは作る事こそが最大の責務であり、マーケティングやプロモーション等々は二の次になりやすい。自分達が作りたいモノを作るから、というのがあるのかもしれません。
その一方で、大手はマーケティングやプロモーション等々は、必ずおこなっているでしょう。企業の場合、開発には巨額がかかり、それなりのリスクを負う事になります。つまり、ヒット率を上げないといけないのは当然のことなわけです。マーケティングやら何やらをやればよりヒットする確率が上がるというなら、やっておくに越した事はありません。とはいっても、それが新作作りの足枷になってりゃ世話がないですし、そこらへんのバランスが難しいのも見て取れるわけですが……。
PCを中心に、インディーゲームが話題になっている昨今ですが、そもそもPCゲーム市場が狭小な日本ではインディーゲームの存在自体が広く知られているような状況ではありません。ですが、今後稲船氏の「Mighty No. 9」やIGA氏の「Bloodstained: Ritual of the Night」など、ゲーム業界でも名の知れた人達のタイトルがどれだけのゲーム好きを突き動かすのかは楽しみにしたいモノがあります。それ以外にも面白いインディーゲームはたくさんありますし、より多くの人がインディーゲームに興味を持つ事を期待したいモノですね。
:TIF 2015のぶっちゃけトークが面白かったヨーってなお話です。
:まぁ、インディーにしかできない話ではあるよな。
:そだねぇ。非常に理解できる話でもある一方で、やっぱり採算を考えないといけない人達もいる以上、そこらへんのバランスが難しいのだろうなぁと思うよ。……日本でも、インディーゲームがもっと賑わうといいんだけどねぇ。
:大作ばかりではなく、DLタイトルとかそういったちょっと違うところにも、第一歩を踏み出して欲しいモノだな。