連載:気まぐれゲーム雑記 第812回:KONAMIはモバイルファーストで、モバイルを活用しながら遊びを広げていくそうです

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こういう話は、冷静に読みましょう

モノを売る事からサービスを提供する事へ変化していく業界

AZです。ちゃんと、ゼノブレイドクロスを心ゆくまでプレイしています。

それはさておき、コナミの新しい代表取締役社長である早川英樹氏へのインタビュー記事が何やら話題を呼んでいるようです。現時点で「モバイルを主軸に考えている大手」の考えが見えて来るモノがあるので、少々長いですがザックリと紹介します。

これからのゲームプラットフォームはモバイルが中心になり、お客様の利用動向を見ながらゲームを発展させていく「運営型」のビジネスになるだろうということを強く感じていました。アーケードゲームも、家庭用ゲームも、カードゲームも、「モノ」を売ることから「コト」を売っていくことにシフトしなくてはいけないということです。ただこの数年、弊社としてまだまだ対応しきれなかった部分もあり、私が副社長になった昨年7月から、もう一段、二段、スピードを速めています。そうした取り組みの中で、家庭用ゲームもソフトを売っておしまいというのではなく、いわゆる追加課金モデルを、『実況パワフルプロ野球』や『ウイニングイレブン』でも導入し始めています。

~中略~

これらを通じて、ゲームソフトをパッケージでお買い上げいただいたお客様も、潜在的な課金モチベーションは高いということが見えてきました。モバイルゲームでは、ユーザーの継続率や課金率など、常にKPI(重要業績評価指標)を追っており、どこを修正すれば、どの数値を上げていけるかというのはだいたい分かっています。そのノウハウを生かしたところ、お客様の反応も良く、手応えを感じたわけです。

~中略~

これまで弊社の組織は、プロダクションがさまざまなジャンルのゲーム開発をしていくなかで、ヒットしたものをより深く掘り下げていくスタイルでした。路面店をイメージしていただくと分かりやすいかもしれません。路面店はそれぞれ独立したお店が道端に並んでおり、個別に商品力の向上や品ぞろえに注力していきます。こうすることで、認知度を高め、集客をしていくわけです。

ヒットというのは偶然性ももちろんありますが、そのすべてが画期的な発明だったと私は考えています。例えば『ときめきメモリアル』では、魅力的な女の子がセリフをしゃべり、プレイヤーが高校生活を追体験する自由度の高いゲームデザインが、恋愛ゲームというカテゴリを生みだしました。また、『DanceDanceRevolution』では、アーケードゲーム施設でひときわ目立つ筺体デザインや、お客様が色々な遊び方を生み出していく自由度が、見ているだけでも楽しい音楽ゲームを生んだわけです。

~中略~

弊社の強みはまさにここにあると考えていまして、IPという発明を「創る力」、そしてそれを深く追求していく「磨く力」を活用しながら事業を進めてきました。しかし、ゲームが遊べるプラットフォームが限られていたこれまでと違い、現在はお客様に合わせて、家庭用、アーケード、カード、モバイルといった手段を使い分けていく必要があります。昨今モバイルファーストという言葉を良く耳にしますが、弊社が考えるモバイルファーストとは、モバイルだけをやる、ということではありません。お客様にもっとも身近なデバイスであるモバイルを活用していきながら、IPごとに家庭用やアーケード、カードなどを組み合わせたポートフォリオを構築し、遊びを広げ、お客様を広げていく──そういう考え方です。

~中略~

モバイルゲームについても、北米や欧州などグローバルでどういったタイトルを展開していくかは常に考えていますが、重要なのはやはり日本のマーケットです。すでに踊り場を迎えているという見方もありますが、スマートフォンの普及率が5割というのは、先進国の中で決して高い数字ではないにもかかわらず、マーケット全体の売上高では日本が米国や中国をしのいでいます。そして極めて厳しい目を持ったユーザーがいる激戦区ですから、ゲームデザインを高い品質まで磨き上げていくことができます。世界で戦っていくという意味でも、日本は試金石となるわけです。

~中略~

(2015年のゲーム市場はどうなるか? という質問に対し)全体ではモバイルがけん引して、まだ成長を続けていくと思います。1つのIPがいろいろなデバイスで提供されていくでしょうから、マーケットをカテゴリで切ること自体に意味がなくなってくるかもしれません。人とゲームを結び付ける役割をモバイルが担うことになりますから、ここでの情報発信の仕方や見せ方は大変重要になってくるのだろうと思います。

[引用元:日経トレンディネット

果てなく、モバイルプッシュですね。

結構なモバイルプッシュではありますが、モバイルのみやっていくというスタンスではない事も窺えます。いやまぁ、今のコナミにどれだけの説得力があるかは未知数ですが、少なくとも「モバイルから広げていく」というのは、どの大手も思慮している部分です。ゲーム機よりもはるかに普及しているのが今のスマートデバイスですし、それでゲームができるのは間違いないわけですから、それを足がかりに広げていこうというのは当然の考えとも言いましょうか。もっとも、それが据え置き機でゲームしたい人達にとってはどのように映るのか、定かじゃありませんが。

ポイントは、「「モノ」を売ることから「コト」を売っていくことにシフトしなくてはいけない」というところです。これは要するに、モノたる「ゲーム」だけを売れば良かったメーカーが、そうではなく自社「サービス」へと移行しなければならない、という事になります。で、そのサービスというのが囲い込みであるわけで、例えばPS Plusもそうですし、EA Accesssも、Level5 IDもそれに該当します。よりビジネスカラーが強い大手が形成するゲームビジネスは、そういったサービスや運営の方向へシフトしていく事が予想できます。

その一方で、すべてがそういう方向へ進むわけではないとも考えています。インディーもそういう場の一つでしょうし、以前から書いているとおり、市場規模が小さくなれど残るところは残るだけの話であって、需要があれば供給もあるのがビジネスの基本です。まぁ、それがどの程度の規模になるかは未知数ですが、大手でもモバイル方面に注力するところと、そうじゃないところが出始めているので、今後数年でどの程度変化するかが見どころにはなりましょうか。

大きく変化しているゲーム業界ではありますが、旧来のやり方では通用しなくなっている現状があるのは確かです。各大手メーカーが、どのような答えを出していくのか。今後の動向をしかと見届けておきたいモノですね。

連載:気まぐれゲーム雑記 第812回:KONAMIはモバイルファーストで、モバイルを活用しながら遊びを広げていくそうですに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:KONAMIの新社長のインタビューがあったよーってなお話です。

しゃきーんさん:モバイルプッシュがすげーな。

しょぼーんさん:わたくしは、モバイルよりも据え置き機やPCゲームが好きだけど、現実はそんなもんじゃない? 実際さ、今でも昔のやり方で売れてるなら問題は何もなかったわけで。でも、現状はゲームが売れにくいような環境ができあがっているのだから、問題解決のためにはどのメーカーもそれなりの選択をしていく必要はある。コナミも、選択をしたってだけの事かと。……コナミの選択を見た旧来のプレイヤーがどう反応するかは知らんけどネー。

しゃきーんさん:どのメーカーも、大きく動き出した感はあるよなぁ……。

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