連載:気まぐれゲーム雑記 第855回:シンラ・テクノロジー・ジャパンがインディーデベロッパに「シンラ・システム」の利用を呼びかけ

国内のインディーデベロッパが参入する?

マルチな対応にはなっていないのが気になる?

AZです。風が強い日の洗濯物はハラハラドキドキです。

それはさておき、クラウドゲーム技術を使って新しいプラットフォームを作り出そうとしているシンラ・テクノロジーですが、日本の同人・インディーゲームクリエイター担当である一條氏が国内インディーデベロッパに呼びかけています。

はじめまして!シンラ・テクノロジー・ジャパンのディベロッパー・アソシエーションに就任しました、一條 貴彰と申します。

私の役割は、シンラが提供するゲームプラットフォームを開発者さんに紹介していく役職です。主には「日本の同人・インディーゲームクリエイター担当」をやっていきます。

~中略~

私達はシンラのシステムをクラウドゲームではなく、「新しいゲームプラットフォームです」という紹介をしています。単にゲームがサーバー側で動作するだけではなく、クラウドの持つパワーと特異性を活かして、ゲームそのものの表現に、大きなブレイクスルーをもたらすことができると考えているからです。

ネットワークゲームの開発には複雑で膨大な「同期処理」のコードが必要でした。そして、クラッキングに対するプロテクションも怠ってはなりません。シンラのシステムを使えば、この手間が一切不必要になります。

そしてもし、ゲームデータが常にメモリ上にあって、全てのプレイヤーが同一空間にアクセスできるとしたら・・・。ここから先は、シンラの膨大なリソースと同時性を使って、ゲームデザイナーのイマジネーションをフル回転していただければ、と思います。

もちろん、シンラのテクノロジーはインディー開発者のミニマルな開発スタイルにおいてもアドバンテージがあります。全てがサーバー側で動きますから、ゲーム開発者はネットワーク部分の実装をすることなく、ただローカル対戦を作りさえすれば、そのままオンラインマルチプレイ体験をプレイヤーに届けることが出来るのです。

また、PC側の性能やチップセットによる差異がなくなりますから、ユーザーがどんな環境であるかを意識することなく、単一のバージョンでゲームをリリースすることができます。同人ソフトサークルにいた時、プログラマーはPC環境のサイトの戦いを続けていました。プレイヤーがもし、貧弱でバグが潜むチップセットで遊ぼうとしまったら…という恐怖が常にのしかかっていたのです。ゲーム側は何も悪くないのに!

もう一つ話をしましょう。シンラはPCを物理的なプラットフォームとして選んでいますが、こう言うと「日本はPCでゲームをする人が少ない」と指摘されてしまいがちです。しかし、最近では大手のPCゲームダウンロード販売システムにはすでに100万人以上の日本人ユーザーがいますし、ゲームコンソールの販売台数に匹敵する勢いで着実に人口が伸びています。
たしかに「ゲーミングPC」の数は少ないと思います。ですが、一般的なラップトップならありふれているでしょう。そして、シンラのシステムはどんなPCでもブロードバンドインターネットさえあれば動きますから、リッチで高品質なゲーム体験をすべてのPCへ提供することができます。そう考えると潜在的なユーザー数は膨大です。

もちろん、クラウドサーバーを使ったシステムである以上、サーバーの応答時間やネットワークの回線による「遅延」というデメリットが発生します。しかし、これは未来に解決される問題です。天変地異が起きない限りは、100%通信環境は改善の一方であると断言できます。

[引用元:シンラ・テクノロジー・ジャパン

良い点が列挙されるのは、呼びかけである以上当然ですね。

上記の文章を読む限りでは、ネックになる点は「遅延」のみで、それも未来には解決される問題だとしています。そこは理解できますが、それが「いつ解決されるのか」はちょっと気になってしまったりもしないことはありません。まぁ、逆を言えば「遅延」が問題にならないゲームなら大丈夫ということも言えますが。

ちょっと気になる点として、開発者にとってすごく利点が多い事も理解できますが、逆にある程度制約のある「他のプラットフォームでも展開したい場合」を考えた時に、「シンラ・システム」のみに依存した形でやっていくというのはどうなのだろう? という点です。。誰だって売りやすい市場で勝負したいでしょうし、今やマルチデバイスの時代である以上、そういった試みをする人の方が多いような気がしてなりません。

また、「シンラ・システム」を利用する人にとってどれくらい良いサービスかがちょっと見えてこない点はあります。まだ具体的な話がでてきていない以上、そのプラットフォームにどれだけのプレイヤーが集まるのかは未知数です。もちろん、より良いサービスになる事は期待していますが、サービスというのは実際使ってみるまで分からないモノが多いですし……。

しかして、日本市場だけを見ると、PCやスマートデバイスをメインにプラットフォームを作りだそうという動きはちょっと面白いですし、クラウドゲームの技術でどうにかするという動きは期待してみたいモノがあります。インディーゲームもしっかりサポートしていくようですし、より良いプラットフォームができあがる事を願いたい限りですね。

連載:気まぐれゲーム雑記 第855回:シンラ・テクノロジー・ジャパンがインディーデベロッパに「シンラ・システム」の利用を呼びかけに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:クラウドゲームの技術でプラットフォームを作ろうともくろむ「シンラ・システム」の話題が出たよーってなお話です。

しゃきーんさん:とりあえず、インディーゲームも出すという姿勢なんだな。

しょぼーんさん:いいんじゃない? 出せるモノは何でも出すという姿勢、大切だと思います。まぁ、エロゲはダメだろうけどね。……クラウドゲームの成功例となるかねぇ?

しゃきーんさん:まだサービスがいつ始まるのかさえわからんのだし、のんびりと長い目で見るしかねーな……。

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