連載:一週間(2016年5月22日~5月28日)を振り返るコラム的な何か 第192回:Steam入りするゲームがそこそこに伝えられた一週間
売れるなら、色んなところで売るのが理想です。
蚊を駆逐したい、今日この頃……
AZです。部屋に蚊がいるというのが分かっただけで、退治するまで寝られない症候群です。
さて、2016年5月22日~5月28日までの間に一番閲覧数が多かった記事は、「PC版「いけにえと雪のセツナ」がSteamから7月20日に配信決定」「PC版「閃乱カグラ SHINOVI VERSUS」がSteamから6月2日に配信決定、現時点で日本語有り」「Steam版「夜廻」の配信日が10月25日に決定、Steamストアページが公開」などでした。主に、Steamに進出するタイトル群というべきところでしょう。というわけで、そんな日本市場におけるSteam環境の変化を振り返っておこうと思います。
メーカーに「売る」気があるのかどうか次第
「いけにえと雪のセツナ」や「閃乱カグラ SHINOVI VERSUS」、「夜廻」などがSteam入りする事が明らかになりました。Steamを長い事使っておりますが、一番の注目どころはやはり「日本語があること」の一点に尽きます。
国内市場のSteamにおいて、ネガティブな話題としてよく取り上げられるのが「おま値」「おま国」「買えるのに日本語がない」の3つです。「おま値」というのは、海外と日本における値段の違いなわけですが、国ごとにおける物価価値の違いというのもありまして、「おま値」を一概に統一するというのは難しいところがあるのも否定しがたいところでしょう。とはいっても、「おま値」に気づいたら負の感情しか浮かばないのも当然ではあるので、結局のところメーカーのさじ加減次第に落ち着くわけですが。
で、何より問題視されているのが「おま国」という名のリージョン規制です。要するに、日本からは買えなくなる仕様なわけで、セガ・バンナム・スクエニ・コーエーテクモ・カプコンなどなど、日本では大手メーカーがとっている対応でした。最近では、スクエニ・コーエーテクモ・カプコンなどは日本からもSteamで買えるような方向へシフトしたようですが、「おま国」になった過去作は解除されることもなく、今に至っているのが現状です。そういったこともあってか、そもそも「日本語が入っている方が珍しい」というのが今までの日本におけるSteam事情でした。
また、日本から買えたとしても「日本語が入っていない」問題もちょくちょく発生しました。以前、日本ファルコムはその件について単純に「儲からないから」という回答をした事で何とも言えない空気を作り出しましたが、企業がそう思っている以上はそういう市場なのだと判断するしかないでしょう。
その一方で、日本一ソフトウェアのように、明確にSteamでもタイトルを売っていくというスタンスを見せる企業が出てきたというのは、市場が結構変化してきたという見方もできます。「閃乱カグラ SHINOVI VERSUS」のようなゲームでさえ日本語入りのまま出てくるというのは、昔からSteamを使い続けている人たちにとってはある程度の衝撃であり、何より“信用していいのかさえわからない”という戸惑いさえあるのではないかと思っていたりもするわけです。……いやほら、どこのメーカーとは言いませんけど、「発表時は日本語が入っていたはずなのに気づいたら消されてた」とか「発表直後は日本から買えたはずなのに買えなくなった」とか「配信後に“日本語だけ”削除された」とか「日本語を抜いて日本語DLCを配信した」とか、何だか冷や水を浴びせられるような事が多々起きていたのがSteamでしたので……。
ともあれ、そういったところが徐々に見直されるというか、一つの市場としてきちんと見られてきたような傾向にあるのは良い事に違いないでしょう。今や、大手企業が作るゲームというのは日本市場だけで回収するのは難しくなっているでしょうし、使える市場があるならガシガシ進出していって欲しい限りですね。……ついでに、日本でもあらゆるデバイスでプレイ可能になるような選択肢を用意してあげた方が、賢いやり方だと思う次第であります。
:Steam入りするゲームがそこそこに伝えられた一週間だったよーってなお話です。
:まぁ、日本一ソフトウェアは、前々からSteam参戦を明確にしてたからなぁ。
:ビジネス的な意味合いで独占というのは仕方がないので良しとして、それ以外はありとあらゆるプラットフォームで遊べた方が良いと思っているので、Steamだろうとそうじゃなかろうと出せる市場があるならガシガシやっていくべきだと思うよ。選択肢は多ければ多いほどプレイヤー数が増えるからね。……まぁ、それが企業の求める利益に満たないと判断されたら、なくなっていくのだろうけれども。
:色んな市場が賑わうってのは良い事だと思うから、どの企業も頑張って欲しい限りだな……。