気まぐれゲーム雑記
第714回：なぜ国内メーカーがSteamに日本語版を出さないのか？　日本ファルコムの公式ツイッターが反応

権利絡みもある予感

これもこれで一つの答え

AZです。NHKのコミケ特集が想像以上に“普通の報道”をやっていて、ちょっと新鮮に思えてしまいました。

ところで、かつては日本のPCゲーム業界で存在感を出しながらも昨今はPSハードへ進出し、見事な経営手腕を見せつけた感もある日本ファルコムですが、ツイッターにて「なぜ国内メーカーがSteamに日本語版を出さないのか」という事に回答を寄せています。

残念ながら単純に売れないからです。多分同じものを日本で出しても100分の1の2千本売るのも簡単ではありません RT @tani4096: @nihonfalcom なぜ国内メーカーは日本語版を出さないのでしょうかね

— 日本ファルコム (@nihonfalcom) 2015, 1月 12

まぁ、これもまた一つの答えでしょうね。

この回答は、ファルコムの公式ツイッターがSteamで配信されている英語版の「イース・オリジン」に累計20万本を突破したというツイートをし、それに対しての質問が「なぜ国内メーカーは日本語版を出さないのか？」となったのが発端となっています。日本だと2千本も難しいというニュアンスのお答えは、期間の見積もりや発売のタイミング、セール時等々の計算は余り考慮していないのかもしれませんし、しっかりやった上での反応なのかもしれませんので何とも言い様がないですけど……。

素人目に見れば、配信時に日本語の削除をする必要性がわからないという事なども挙げられます。ですが、音声等々はライセンス料が発生する事は容易に想像できますし、恐らくはそこらへんで日本市場に求める金額と海外に求める金額が違うという事でしょう。少なくとも、今の日本のSteamでは日本ファルコムにとって望む利益を生む場ではないという事に違いはなさそうです。

逆に、アートディンクは「A列車で行こう8」や「ルナティックドーン レジェンドパック」などを日本人向けとして配信するなど、利益を生む場として見ている事が窺えます。どちらが正しいのかは会社規模や考え方の違いですし、長い目でみないと結果は出て来ない事であるのは言うまでもありません。

結局のところ、日本市場と海外市場は住み分けられているという印象でしょうか。日本では家庭用機、海外に向けてはPCを含めた市場。日本では定価4000～8000円の高価な娯楽、海外ではセール時も含めると100円程度から7000円程度とレパートリー豊かな娯楽。そんな風に見れば、日本と海外の市場に対する認識の違いが何となくわかる気にはなります。とはいっても、最近日本でも安価なDLタイトルやPS Plus等々でセールっぽい領域に手を出していますし、高価な娯楽がいつ「お手頃感」を実感できるようになるかは見どころでしょう。

ハッキリ書いておきたいのは、PCにはPC、SteamにはSteam、家庭用機には家庭用機の良いところがそれぞれある中で、ファルコムの方針がそういう事ならそれはそれで会社の在り方なので仕方無しです。しかして、現在日本のPCゲーム市場は、「おま国」や「おま値」以外にも、配信後に日本語削除するメーカーや日本語DLCをするメーカーが出てくるなど、「メーカー側は納得できてもプレイヤー側がイマイチ釈然としない」ケースが多々見受けられます。元々家庭用ゲーム機が主流の国だからという事で日本のPCゲーム市場は日の目を浴びない状況が長く続いておりますが、寡占市場（少数の売り手に支配されている市場）になるよりもあらゆる選択ができるような環境になっていく事を望みたいモノですね。