連載:気まぐれゲーム雑記 第896回:海外では子供の家庭用ゲーム機離れが進んでいるようです
「家庭用ゲーム機」の位置づけはどこになる?
子供がモバイルに流れるのは、そこまでおかしな話でもない
AZです。あと3ヶ月で今年も終わろうとしているあたりに、恐怖を覚えます。
それはさておき、海外の調査会社NPD Groupが子供の家庭用ゲーム機離れが進んでいるとの報告を公開しております。
NPDは2~17歳までの子どもを対象に「家庭用ゲーム機とモバイル端末のどちらでゲームするのを好むか?」という調査を実施。他人とコミュニケーションをとりづらい若い世代の子どもは、母親がNPDの代わりに調査を行いました。調査対象は、調査時点で何らかのゲームを継続的にプレイしている子どもが選ばれています。
調査結果では、2~17歳までの子どもの63%がモバイル端末で、45%が家庭用ゲーム機でゲームをプレイしていることが判明しました。家庭用ゲーム機でゲームをしている子どもの割合は、2013年の67%から22%も減少しています。家庭用ゲーム機で遊ぶ子どもの減少傾向は、年齢別に見てもほぼ全ての年齢で見受けられ、特に減少が大きかったのは2~5歳の子どもとのことです。
また、調査では子どもの41%が「モバイル端末でゲームをプレイする時間は、1年前と比べて長くなった」と答え、実際にモバイル端末での平均プレイ時間が2013年の調査結果から1週間あたり6時間に増えていました。反対に、ゲーム機の平均プレイ時間は2013年より増加も減少もせずといった感じですが、PlayStation 4・Wii U・Xbox Oneといった第8世代の機種における平均プレイ時間は増加しているとのことです。
NPDの産業アナリストのLiam Callahan氏は「今回の調査で最も驚くべきことは、子どもの家庭用ゲーム機離れが明確になったことです。ゲームへのエントリーマシンとして子どもに遊ばれていたのが家庭用ゲーム機でしたが、今回の調査でモバイル端末がエントリーマシンになりつつあるのがわかります。理由については不明ですが、以前はPCで行っていたタスクをモバイルで済ませる大人が増えており、こういった親たちの行動が子どもに影響を与えているのでは、とも考えられます」と分析しました。
[引用元:GIGAZINE]
まぁ、そうなるでしょうねぇ……。63%がモバイル端末で、45%が家庭用ゲーム機というのは、実にわかりやすい数字です。
以前から言われていたことでもありますが、家庭用ゲーム機は「ゲームをする」機能がメインとなっているのに対し、モバイル端末の場合「ゲームも含めた様々な事ができる端末」という違いがあります。特に、調査対象となる2~17歳の子供というのは、だいたい親が金銭面をコントロールするわけで、欲しいときに欲しいモノが変える環境ではないお子様方が大半でしょう。
そういった背景があれば、子供達がモバイルの方へシフトしていくのは必然です。ゲーム専用機よりも、iPhoneやiPad、Androidの方が生活面で役立ちそうな立ち位置にいますし、親が家庭用ゲーム機に興味がない人達だったら余計にそのハードルは高くなります。モバイル端末ばかりで遊んできた子供達は、モバイル端末で十分と思うのも道理なわけです。
当然のことですが、家庭用ゲーム機市場はそういった子供達を取り込むような動きを見せないといけません。むしろ、相手にすべきはその子供達の背後にいる親、になりましょうか。子供に興味を持ってもらいつつ、その親にゲーム機やソフトを買ってもらわないといけない。このハードルが非常に高いというのは言うまでもありませんが、それをやってのけないと長期的に見た場合、ジワジワと厳しくなっていく予感がしないこともありません。
海外では、PS4が躍進しているような現状があるわけですが、PS4やXbox Oneの次世代と呼ばれる時期になれば、またゲームを取り巻く環境も大きく変わっている事が予想されます。今後も、モバイルと家庭用ゲーム機がバランス良く賑わって欲しいと願わずにはおれませんね。
:海外だと子供の家庭用ゲーム機離れが進んでるらしいよーってなお話です。
:ふむ。親が家庭用ゲーム機で遊んでいない人達だと、そりゃそうなるよな。
:そだねぇ。モバイル端末がゲーム機入門になってきてるのは間違いないわけで、そうなると今後家庭用ゲーム機はどういった位置づけになるのかな? という話にもなってくるんじゃない? まぁ、そういった状況への答えは数年から数十年後に出てくるのだろうけどね。……さて、日本はどうなりますかねぇ?
:……どうなるんでしょ?