連載:気まぐれゲーム雑記 第63回:デジタルコンテンツは誰のモノか? 言う話題
気まぐれゲーム雑記
第63回「デジタルコンテンツは誰のモノか? 言う話題」
デジタル的なものの所有権はどこに?
デジタル管理するということは?
先日も連載でさりげなく取り上げましたが、アマゾンでKindle(以下、キンドル)が発売となります。
キンドルのことを簡単に説明しておくと、アマゾンが提供する電子書籍やタブレット端末の名称がキンドルといいます。また、キンドルを使って出来る事と言えば、キンドルストアといってアップルのApp Storeと似たようなサービスが提供されます。もっとも、キンドルアプリを自分のタブレットにインストールすれば、問題なく使えるわけですが……。
そんなキンドルですが、すでに海外では普及が始まっていて、日本からしてみればついに電子書籍の波が来たか! といえます。あと考えられるのは、出版業界や作家方の契約や何や、値段がどうだ、といったところでしょうか。
何となく良い展開のようにも思えますが、海外ではキンドル絡みでデジタルコンテンツへのリスクが話題になっているようです。詳しくはこちら。
ざっとまとめると以下の様な感じです。
- キンドルで購入した電子書籍は、ユーザーのモノではない
- ノルウェーの方がアマゾンのアカウント削除されたけど、イギリス国内のユーザー向けにライセンスされているコンテンツを利用したのが原因みたい?(アマゾンからの回答はないため、まだ疑問系)
- そのIDで買ったものはすべてなくなったし、返金もして貰えない(規約に書かれている)
- デジタル著作権管理をされているようなモノは、基本的にユーザーのモノではない
これは、非常に深い問題です。悩ましい問題といっても過言ではありません。
というわけで、今日はここらへんからゲームの話題に羽ばたいてみようと思う次第です。
デジタル管理のメリットデメリット
デジタル著作権管理、いわゆるDRMですが、これはもうかなり古くから言い争いが続いています。現在進行形で。日本で言えば、CDのコピープロテクトが話題になったのは、それなりに昔の話題でもあります。
そんな感じですが、今でもDRMがあるかないかというのはユーザーにとって大きな争点で、日本だとファルコムさんがDRMフリーのサントラを出しています。……いやまぁ、そういう商売はもはやファルコムさんしか出来ていないのが現状だと思いますが。
ちょっと話が逸れたので戻しましょう。
電子書籍に限りませんが、デジタルコンテンツというのはIDに紐付けされています。ユーザーにとってのメリットは、場所を取らなかったり、ハードに直接インストールされたり、ネット環境があれば買いに行かずに済むという事ですが、デメリットとしてはそのIDが消されるような事があれば、すべてのデータを紛失したというのと同じ事になります。
もちろん、IDを削除されるような事をしでかしたのなら、そのような対処はやむを得ないといえます。ですが、必ずしもそういうケースだけではないというのもありえてしまうのが、今の社会で怖いところでもあります。
デジタル販売への抵抗心
デジタル販売を率先して行わない人には、手元にモノ(本や、ゲームソフト)があることが大切、と考えている人も多いです。特に、日本はその節が強いように感じます。やはり、手元にモノがないと不安になるのは当然のこととも言えますし……。
恐らく、こういったDRMの問題や不当な理由でIDを消されたら……? などといった不安要素がある限り、中々完全なデジタルへ移行というのは成し得ないでしょう。逆に、その払拭さえ取り払う事ができれば、残す問題は課金形態くらいになると思います。まぁ、日本の場合は著作権で有名な某所がある限り、完全なデジタルへ移行するなんてことはあり得ない話かもしれません。
ですが、やはりゲームも本もパッケージや物品を残しながらもデジタルが主体になる時代がやってくるとは思います。作り手側の経費や労力の節約にもなりますし、何よりデータの方が圧倒的に早いです。……上手く機能すれば、ですけど。
結局のところ、今のままではデジタルコンテンツは企業側のモノであって、それをお金を払って買うというニュアンスは正しいとは言えない状況です。いったいどういったところに話のオチが付くのか……。今後も長い目で見守って行く必要がありそうです。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:デジタルコンテンツって必ずしも自分のモノってわけじゃないんだよーと言うお話です。
:ふむ。電子書籍はID消されたら一発アウトなのか。
:他のも大半がそうだと思うけどね。MMOでアカウントBANされるってのと同じだと思えばいいんじゃなかろうか? ……あながち、間違っていないと思うよ?
:……確かに、何となくあってる気がするわ……。