連載:気まぐれゲーム雑記 第60回:3DSのハードシェアは60%を超えるらしいと言う話題

気まぐれゲーム雑記
第60回「3DSのハードシェアは60%を超えるらしいと言う話題」

それぞれがそれぞれのシェアを伸ばすためにしのぎを削るのです。

任天堂の決算発表は結構わかりやすくて面白い

先日、任天堂さんの第2四半期が発表されました。
結果は赤字でしたが、これをどう見るかは専門家の方々におまかせする方がいいでしょう。Wii Uを逆さや状態でこの時期に売ると言う事は、すでに来期を見据えているということに思えますし。

そんな任天堂さんですが、先日行われた決算発表会で面白い資料を出しました。詳しくはこちら
要約しますと、以下の様な感じです。長いので注意して下さい。

  • 日本は3DSに勢いがあるけど、据え置き機は元気がない
  • ヨーロッパはソニーさんのPS3が元気
  • アメリカはマイクロソフトさんの360が元気
  • でも、世界的に売上数から見ると、据え置き機はそろそろ替え時に来ている
  • 3DS LL以降、3DSのハード市場占有率は日本が62%、アメリカが25%、欧州が28%となっている
  • 3DSは昨年の値下げによる苦戦のイメージはもはやない
  • Wii Uを550万台、ソフトを2400万本出荷予定
  • Wiiの発売時の初年度実績は、ハード584万台、ソフト2884万本だったため
  • 3DSのネットワーク接続は72%
  • パッケージのダウンロード版はソフト販売の3%~10%で売れている
  • デジタル販売をもっと重視していくし、Wii Uは発売直後からパッケージのダウンロード版を販売する
  • 3DSの逆さやが解消されたのに第2四半期に損失が拡大したのは、Wii Uの逆さや損失を計上したため
  • 今期中に業績自体は回復する見込みだけど、任天堂らしい利益水準を取り戻すのは難しい
  • 来期には、海外での普及を加速させ、年明け以降も勢いを維持し、デジタルビジネスをもっと推し進める

ざっとこんな感じです。
かなり情報量が多いですが、本日は3DSのシェアを起点にハード占有率あたりに話を絞っていこうかと思う次第です。

ハード占有率は大切だけど……?

ハード占有率というのは、ゲームを作る側としてはかなり重要なウェイトを占めます。ですが、ハード占有率が多ければ良いハードというわけではありません。それは、Wiiが証明してくれています。Wii中期から末期の失敗は、ライトユーザー層の動きが読めなかった事と、コアユーザーを取り込めなかった事にあります。朧村正やゼノブレイドなど、Wiiユーザーでもコアゲーマーにとっては素晴らしいタイトルも、売上数が思い切って伸ばせなかった理由もそこらへんにあるわけです。

ですが、やはり作る側はいろいろなしがらみがあります。例えば予算であったり、例えば会社的なものであったり。そうなると、商売として娯楽を提供するゲームメーカーさんは、なんだかんだとより多く持たれているハードで売りたくなると言うのが心情でしょう。……どれだけ面白かったとしても、売れなければ会社として非常に痛手を被るだけですから。もちろん、そういう心情にならず自社のターゲット層を正しく捉えているメーカーも多いのは事実ですけどね。

まぁそこらへんを踏まえて今回任天堂さんが使ったデータで日本を見てみた場合、3DSやPSP、Vitaなど携帯機の占有率が高く、逆に据え置き機は占有率が低いのがわかります(画像はこちら)。そうなると、日本のゲーマー達が「今の日本ゲーム業界はなんとなく携帯機を主軸に考えているのでは?」という現状が、正しい認識であるこというのがはっきりしてきます。

なぜ占有率を増やす?

携帯機にウェイトが置かれてしまうのは、開発費に問題があるとも言えます。海外では、大手スタジオのAAA級タイトルによるレイオフ(一時的解雇)はお馴染みとなっていますが、海外だからこそできることです。日本としては、開発費が安くて回収出来る方に傾くのは仕方がない事といえます。結局、ソーシャル系もその流れに過ぎないでしょう。

そうなると、例えばWii Uというのは開発費がどれくらい安いのか、という部分に着目していく必要があると思います。まだはっきりした数字はでていませんが、少なくともゲームメーカーにWii Uで作ろう! と思わせる気にならないと始まりません。そのために、ハード占有率を増やさなければならないという事になるわけです。

今後、ゲームメーカーは3つの形になっていくのではないか? と考えています。一つは、任天堂のようにコアゲームオンリーで勝負する企業。もう一つは、ソーシャルもコアゲームも手がける企業。最後にソーシャルのみを重視する企業の3つです。
ソーシャルの流れは、高機能携帯ことスマートフォンの普及が有り続ける限り止まりません。ともなれば、結局は上記の3つの住み分けになるというのが無難なオチの付け所じゃなかろうかと……。
今後、どのメーカーがどういう道を歩むかは、ハードの占有率も判断要素の一つになるでしょう。今はビジネスモデル自体が変化していってるので、なるべくならゲームユーザーが喜ぶような上手い対応をしていってもらいたいとせつに願う次第です。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:ハード占有率のグラフがあったんで、話題に飛びついてみました。

しゃきーんさん:ふむ……。ま、結局はメーカーのさじ加減次第だよな。

しょぼーんさん:ごもっともで。面白いゲームがでなけりゃゲーマーとして飛びつけないからね。あとはその面白さに見合う価格じゃないとダメ、ってのがポイントかな。……はてさて、業界はどうなるのかねぇ?

しゃきーんさん:上手い事進んでもらいたいとは思うが……。昔のままじゃもう立ち回らないって企業もあるんだろうな……。

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