連載:気まぐれゲーム雑記 第798回:バンナムの“カタログIPオープン化プロジェクト”が、思ったよりもエンターテインメント寄りだったらしい
完全にオープンにする企業は今後出てくるのか
IPを解放する事の意味
AZです。予想通りですが、ロゴなんて作っている暇ありませんでした。
それはさておき、バンナムの統合10周年記念企画“カタログIPオープン化プロジェクト”のユルッとした詳細が発表されています。ざっくりまとめると次の様な感じ。
カタログIPオープン化プロジェクトの概要
- 対象タイトルの、キャラクターや音楽、ストーリー、設定を使って二次創作したオリジナルゲームや、それらを取り扱った動画の公開が可能
エントリーして可能になる事
- 法人は、「スマートフォンアプリ」「ブラウザゲーム」「新規ネットワークデバイス分野」等で事業展開できる
- 公認クリエイターの詳細は、後日発表
- 個人クリエイターは、動画の制作・作成および公開が可能
[情報元:カタログIPオープン化プロジェクト]
ざっくりと、以上になります。
これを、IPのオープン化としてしまうと何だかずいぶん規模が小さいというか、確実にコントロールできるように仕向けている感がなきにしもあらずでしょうか。個人クリエイターに限っては、ニコ動で動画作りを公認して貰える程度のノリになっています。まぁ、IPを持っているのはバンナムですし、これでどの程度法人が二次創作を行うのかが焦点、というところ本命な気がしないこともありません。
現時点だと、大手メーカーは塩漬けしているIPが多数ある状況です。色々と作れない事情があるのは察する他ないわけですが、今回の話はバンナムがオープン化ということで個人でも結構フリーダムにやらせてくれるのかとそこはかとない期待はしていました。その結果が個人はお察しレベルだったので、公認クリエイターというのがどの程度を指すのか次第にもなりそうな感じになっていますが……。まぁ個人に動画を解放するというあたりは、確かにゲーム会社からエンターテインメント会社になったのだ、とは思わせてくれます。
塩漬けしているIPを、どう「再利用」するのかは大手メーカーの課題と言えます。誰もが、大手の「あの名作シリーズの続編が出てこない」などと言うのは考えそうな事ですが、その裏にあるのは「開発費を回収できるかわからない」といった、大人の事情も含まれているのは想像に容易い事です。そうなったのも、ゲームの売り方や業界の変化、スマートデバイスの台頭などあらゆる要素がありますし、会社を潰してまでやって作れ、と言う方が無理があるなんてこともわかりきった話と言えてしまいます。
日本で、こういったアプローチが上手くいくのかどうかが最大の注目点と言える今回のIPオープン化ですが、はてさてどういった賑わいを見せる事になるでしょうか? せっかくエンターテインメントに社名を変更したのですし、上手い利用法を見せて欲しい限りですね。
:バンナムの“カタログIPオープン化プロジェクト”が、思ったよりもエンターテインメント寄りだったんじゃね? というお話です。
:んー、それは個人に対してってことな?
:ああ、そーなるね。個人に対しては動画を許容するよって、何だか切ない感じはしちゃったかな。いや、版権やら何やら難しいところを考慮しての話ではあるのだろうし、そもそもこのプロジェクト自体2015年限りのモノみたいだし。……永続的にやっていって欲しいものなんだけどねぇ。
:ま、日本の場合は、インディーゲームがどれくらい流行ってるのかがさっぱりわからんしなぁ……。