連載:気まぐれゲーム雑記 第814回:ギレルモ・デル・トロ氏が開発中止となった「Silent Hills」について語っているようです

それでも面白いゲームがしたいだけなんだな、これが。

今の日本企業において、お金をかけて大作を作る事を許す企業がどれだけあるのか

AZです。買い物に出向き、買い忘れがあった時の絶望感は本当に半端ないと常に思うわけです。

それはさておき、小島監督の「Silent Hills」のプロジェクトに参加していた映画監督ことギレルモ・デル・トロ氏が、「Silent Hills」についてその心中を語っているようです。

ギレルモ・デル・トロ
我々があのゲームで目指したのは――これに関しては意見がまとまっていたんだが――可能な限り最先端のテクノロジーを使って、家の中での恐怖を生み出すことだった。極めてムーディなものを考えていたんだ。

しかし、『Silent Hill』の素晴らしさはその雰囲気にあったが、とてもアクティブな、極めて緊迫感のある数々の山場も存在した。我々が目指していたのは・・・万が一復活した時のこと――正直、誰かが心変わりして実現できたら嬉しいよ――を考えてネタバレはしたくないんだが、とても斬新な要素が含まれていたんだよ。

ノーマンも超ハッピーだったし、小島も超ハッピーで、私も同じだった。インターネット上で署名活動が行なわれていて、署名が集まっているのは知っている。私も署名して、誰かの目に留まってくれることを願っているよ。

~中略~

デル・トロ氏が関わったゲームが開発中止の憂き目に遭うのは、THQの倒産で頓挫したゲーム・プロジェクト『Insane』に次いで二度目。今後ビデオゲーム開発に関わるかどうかは分からないとデル・トロ氏は語る。

ギレルモ・デル・トロ
まあ、私も二回挑戦したし、同じ形でもう一度トライするかどうかは分からない。一度目は会社が倒産してしまったし、二回目は、小島とコナミが袂を分かつという、全く予期せぬ事態に発展してしまった。どう考えていいか分からない感じだよ。

ビデオゲーム・プロジェクトでは運に恵まれていないものの、デル・トロ氏の小島氏に対する信頼は揺るぎないものがあるようだ。

ギレルモ・デル・トロ
秀夫とは連絡を取り合っている。なんであれ、私が地の果てまで追いかける人物は彼だけだということを、彼は知っているよ。何か救い上げることができるなら、これ以上ないほどハッピーだ。

[引用元:Choke Pointさん]

小島監督と仲よさそうで何よりですね。

すでに、コナミの新社長がやたらとモバイルファーストをアピールしている事はお伝えしておりますが、新体制になったことが「Silent Hills」プロジェクトに影響を与えたのは明々白々です。一度やると言った事に対し、理不尽な形で終了するというのは、そりゃまぁ注目していた人達等々から反感を買うのは当然の流れと言う他ありません。良かった事と言えば、ギレルモ・デル・トロ氏と小島氏は別の機会に組む可能性があるかもしれない、と思える事くらいでしょうか。

むしろ、ちょっと考えて見るとわかってきそうなところはありますが、すでに日本で「大作」と呼ばれる類を据え置き機で作ろうとしている大手メーカーは、そう多くもないような雰囲気を出しています。まぁ、実際はわからないし、あくまでも雰囲気だけの話ですが、コナミは先述したとおりですし、セガはメインどころをオンラインやスマートデバイス方面へと移しつつ再編中。バンナムはちょっと方向性が違いますし、カプコンやコーエーテクモがどちらに比重を置いていくのかは注目どころとなると、「誰もが知っている大作」と言い張れるモノを巨額を投じて作っているであろうところは、せいぜいスクエニくらい(FFやキングダムハーツ)になります。そんなスクエニも、モバイル向けタイトルがかなり順調に推移していますし、今の時代の大手は据え置き機とモバイルのバランスを上手くとっていかねば立ち回れないというのも、見て取れるわけです。

難しいのは、そのバランスです。上場企業は、儲けることこそ最重要視すべきところでしょうから、儲かっているならばそのやり方を継続します。ですが、少なくともコナミの新体制は、巨額と時間を投じて大作を作るというスタンスを否定しているような印象を受けるわけです。この決定が良かったのかどうかは、数年後に答えが出るでしょうけど。

あの任天堂でさえ、モバイルで何かを出すような時代になったわけで、日本の「大手メーカーによる」ゲームビジネスは大きく変わった事が目に見えて分かるような時期になってきました。このマルチデバイスの時代において、ゲームシーンがどういったモノになっていこうというのか。しかと見守っておきたいですね。そして、願わくばどのハードにおいても、プレイヤーが満足するようなモノが多数出てくる事をひたすらに願いたいモノです。

連載:気まぐれゲーム雑記 第814回:ギレルモ・デル・トロ氏が開発中止となった「Silent Hills」について語っているようですに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:ギレルモ・デル・トロ氏が開発中止となった「Silent Hills」について語っているわけだけど、日本でお金と時間をたくさん使ってゲーム作りすんぞ! みたいな事は、今後難しいのかなぁと思うわけでして。

しゃきーんさん:まぁ、モバイル市場の方が大きくなってんだから、そんなもんじゃね?

しょぼーんさん:ある程度は、想定できた話でもあるんだけどね。ただ、これからそういうのが本格的に目に見えるのだろうなぁと思うと、家庭用機であれPCであれモバイルであれ、「ゲームを楽しめる」人が一番得をするのだろうなぁと。……ま、「ゲームは大手だけじゃない」のだけれどもネー。

しゃきーんさん:中小メーカーもあれば、インディーもあるわけだし、ハードに縛られなけりゃ楽しみ方も色々あるからなぁ……。

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