連載:気まぐれゲーム雑記 第740回:「JRPG」という単語に思う事

気まぐれゲーム雑記
第740回:「JRPG」という単語に思う事

拘りすぎたらいけません

今後、変化するのとしないのがでてきそう

AZです。システム面での不具合で妙なモノが表示されていた事に数日気づかなかったのですが、抜かりなくチェックしていこうと決めたばかりなのにこの有様でちょっと凹みました。

それはさておき、ゲームメディアであるGame*Sparkで「JRPGの行方」という“JRPG”なる単語を考える上でのコラム……というか論文の領域に入り始めていますが、なかなかスケールが大きい記事が公開されています。第1回から読むのも良いのですが、基本的にかなり長い事とリンクを探すのが大変ですので、願わくばGame*Spark様は記事の最初に今までのシリーズのリンクを張っておくとよろしいかと思う次第です。

さて、本日話題にしたいのは第6回の「「JRPG」とは何か」という記事です。記事元の内容をザックリ言えば、西洋が自分達にはない文化(ひとまとめに東洋)に興味を示す意味の単語“オリエンタリズム”を紹介して、西洋……要するに海外と日本の認識の違いを明確にしながら、日本独特とも言えるアニメ化やキャラ化を解説しています。それでいて

JRPGとは「西洋によって後進性、不変性、奇矯性、官能性といった性質を付与され類型化された“異質な”日本のRPG」のことである

[引用元:Game*Spark

とまとめておりますが、このまとめだけで察するのは不可能というくらいには全文読んでいる事を前提にしたまとめになっているので、気になる人は時間がある時に読んで見るのもいいかもしれません。先も書いた通り、もはや論文的なノリになっており、興味がないと読むのがかなり疲れる事も予想できますが……。

その一方で、このJPRGとはどういったモノなのか論については、芝浦工業大学の准教授である“小山友介”氏が結構前にコンテンツ文化史学会にて発表しています。こちらの方が、スライドショーな事とかなり端的にまとまっているので、すこぶる見やすいです。

上記の2つは、概ね日本と海外の文化差を比較しながら、システムかストーリー(およびキャラクター)かというところに話が集中してます。システムを重視した場合、主人公たるプレイヤーは今後どういったストーリーを体験するのか、プレイヤーの判断に委ねられやすい。ストーリーを重視した場合、プレイヤーは自分ではなく誰かを演じる事でより演出に力を注ぐ。とりわけ日本の場合は、ストーリー重視しながら独特なアニメや漫画のキャラクターおよび演出を取り込んだ事で、海外と差が生まれた。ザックリ言えばそんな感じでしょうし、「テイルズっぽいモノ」や「ドラクエっぽいモノ」などが、いわゆるJRPGに該当するのではないでしょうか。

JRPGという単語は、海外からみればネガティブな意味合いも含まれているところはあります。ですが、軌跡シリーズやメガテンシリーズ、最近だとBravely DefaultなどJRPGとして評価されているモノもあり、定義付ける事が難しい言葉とも言えます。そもそもにRPGに対する考え方その物が日本と海外で違うのだから、その認識を共有化しないことには話が進まない議論のようにも思えるところがなきにしもあらずでしょうか。

あとは、海外のRPGと日本のRPGの違いとして捉えるなら、どれだけ変化してきているかがポイントになりそうです。海外のここ数年のトレンドはオープンワールドになりましたが、その中で自由なゲーム体験を可能にしており、アクション面も自然に取り込むようなシステムに比重が置かれている気がします。その一方で、日本の場合はキャラクターが際立つかどうかなどに比重が置かれ、良くも悪くも昔から変わらないというモノが存在しています。もちろん、それを悪いと言うつもりはなく、所詮は好みの問題ですが、JRPGがある程度揶揄されてしまうのはそういった面があるのかもしれません。

家庭用機がメインだった日本で据え置き機の勢いが衰えたり、その据え置き機の主戦場が海外になったり、そもそもRPGが減ったりするなど時代の変化が確かに見られているゲーム業界ではありますが、今後はJRPGに含まれるであろうタイトル群も、今のままを貫くモノと変化していかざるを得ないモノが出てくる様な気はしています。今後、その手のゲームがどうなっていくのかは何となく見守っておきたいモノですね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:何やらJRPGって単語に言及してる記事があったんだけど、たぶんJRPGを揶揄するか否かで思う所も違うのだろうなぁとは思う次第。

しゃきーんさん:単に日本で作られたRPGって解釈もあれば、海外のRPGとの比較で駄目なように見えてしまうような総称にも思えるよな。

しょぼーんさん:そもそもさ、その単語を使う人がJRPGをどう思っているかで言葉の意味合いも変化するよね。レビューの点数の話と似てるところはあるけど、「JRPGだからね」という評価はその裏に潜む色んな説明を省き過ぎててよろしくないとは思うよ。……ま、昔からさほど変わらないという点においては、その通りなんだけどネー。

しゃきーんさん:RPGが少なくなっている今だからこそ、昔馴染みの体験を懐かしむというのは捨てがたいとも言えるけどな。

連載:気まぐれゲーム雑記 第740回:「JRPG」という単語に思う事に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

しょぼーんさん

しゃきーんさん

コメント (2)

名無しのゲーマーさん

外人には揶揄するのを止めてほっといてほしい
オープンワールドに追従するRPGもあれば昔ながらのJRPGもあるだろうがどちらも楽しみたい
海外ゲームでも昔ながらの古くさいゲームが一定の評価を受け続けてる物もあるだろうしそれと同じだろうよ

AZ@管理人

ただ単に、日本のメーカーが作ったRPG的な位置付けだけなら問題はないのですけどね。
揶揄されることによって、JRPGという単語そのものにネガティブな印象がつきすぎてしまいますし、普通にRPGで済ませれば良いような気がしないこともありません。
今のRPGも昔のRPGも、どちらも良いとこ悪いとこが存在して当たり前なので、変な風にJRPGと括らないで欲しいものですね。(´・ω・`)

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