連載:気まぐれゲーム雑記 第968回:ダウンロード版より現物の方が“お得”という考えはどこに利益があるのかという話

どの視点から見た話になるのか

結局、自分の好きなように判断する

AZです。夜はとんでもなく寒いというのに、布団から出ていた時の絶望感といったらありゃしませんでした。

それはさておき、ゲームはダウンロード版より現物の方が“お得という話題が出ておるようです。

先月はクリスマスということで、息子がニンテンドー3DSのゲームを買いました。昔はカセットと呼ばれる、今でいうパッケージ版だけでしたが、わざわざ買いに行かなくても手に入るダウンロード版もあり、息子は後者の方で購入しました。発売間もなかったので、お値段も6,000円以上です。ダウンロードした当初はそれで遊んでいたのですが、3日後に「やっぱりゲームやめるよ」と言い出したのです。理由はずっとゲームをしてしまうのでヤバいと思ったからだそうです。その決断はいいのですが、ではやらないゲームはどうするのか?という話になります。

ここで改めて確認すると、息子が買ったのはダウンロード版です。そのためゲームソフトが目に見える形としてあるわけではなくて、ゲーム機本体に入っていることになります。ということは、ゲームを売ろうと思ったら本体とセットにしないと売れないことになるわけですが、ゲーム機を売るときには初期化をしないと個人情報などが心配です。オークションの場合には、全く知らない人との取引になるので、やはりダウンロード版を売るのは難しいと判断できそうです。

もしパッケージ版で買っていたら、使わなくなった時点で売ることができます。発売間もなければ、そこそこの値段で取引されていたでしょう。仮にオークションで4000円で落札されたら、購入価格との差額は2000円なので、2000円でゲームを楽しんだと考えることができます。もちろん、ダウンロード版でも6000円でゲームを楽しんだと思うこともできるのですが、金額が金額だけに悔しい思いをしたのは正直なところです。

~中略~

発売当初は6,000円の値段がついていたゲームですが、半月くらいですでに20%引きの値段で売られるようになります。オークションなら発売間もないタイミングでも定価よりも安く手に入る可能性は高いでしょう。そのため、新品をお店で買うよりは中古をオークションで買い、ゲームに飽きたら再び売るという流れをつくるのがオススメです。もちろん、一刻も早くゲームをしたい気持ちもあるでしょうけれど、少しタイムラグがあるだけで金額にも差ができてくるのは間違いありません。

[引用元:All About

中古を使う人には、至極まっとうな考えですね。

いきなりですけど、ちょっと脇道にそれた話をしましょう。わたくしめがかつて編集プロダクションなる、要するに出版社の下請け的なところで雑誌の記事や攻略本を作るようなお仕事に関わっていたというのはプロフィールにも書いている通りなわけですが、その当時はボーナスなんかが出るとお偉いポジションな方々から「BOOK ○○○なんかで使うなよ?」なんて事を半分冗談、半分本気みたいなノリで言われた経験があります。
まぁ、わたくしめが勤めていた当初から出版業界全体は売上高が下降の一途を辿っていた(さらに、電子書籍がまだなかった時代)ので、どうせ本を買うなら「自社に利益をもたらしてくれる出版社の利益にしたい」というのもわからないではありません。ですが、消費者心理としては「んなこといったって、ハードカバーの新書は高いし、中古は安いし、欲しいモノが安く売っているなら安く買って何が悪いのです?」となるのも自然な結果としか言い様がなかったりもするのです。

話を本筋に戻しまして。中古というのは、その中古市場内だけでお金が回るようになると、当然のように制作会社への利益はなくなります。そこが最大の問題だったのでゲーム業界では裁判が勃発したりもしたわけですが、日本では、すでに中古売買に対する判例は出ており、それらの売買は何ら問題がない事が確定的に明らかとなっています。やり終わったゲームはさっさと売り払って、次なるゲームへの軍資金にしたいと思うのは、中古売買が認められている以上その考えも問題はないわけです。

一方、ダウンロード版というのは、そのような中古市場が形成されるという事にはなりません。ゲームメーカーに利益が流れる事になります。とはいっても、「高いモノは高い」という考えも間違いはないわけで、今なおパッケージ版の方が良いという理由の一つに、中古として売る事ができるから、と考える人も多いでしょう。となると、ダウンロード版とパッケージ版の価格帯は、そろそろ見直されても良いのかも知れません。まぁ、ゲームに対しどれだけのお金が出せるのかというのは、個人の価値観によって大きく違うので、どの価格帯が正しいのかというのは何とも判断しかねるとも言えちゃうのですけど……。

ともあれ、お財布が厳しいから中古でゲームを買いたいという意見も認められている以上間違いはなく、ゲーム会社に利益があるようにしたいと思って正規価格で買うことも何ら間違いはなく、どういう風にお買い物をするのかはいち個人がどういうポジションで見ているかによって大きく変化します。ダウンロード版の普及により、ゲームの売り方にも変化が見られる昨今ではありますが、その価格帯も変化していく事があるのかどうかはノンビリと見守っておきたいモノですね。

連載:気まぐれゲーム雑記 第968回:ダウンロード版より現物の方が“お得”という考えはどこに利益があるのかという話に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:ダウンロード版より現物の方が“お得”だよーってな記事があったので、まぁ普通の人はそう考えるよねーってなお話なわけです。

しゃきーんさん:中古は色々あったからなぁ……。

しょぼーんさん:わたくしめは、「欲しいモノはすぐ買うし、売るのが面倒なので売らない」派なんだけど、気になるのはDL版が中古売買できないというのは権利的にどうなってるのかな? とは思う。いや、説明されても難しいからわからんのだろうけどさ。……やはり、“世の中お金だな”と悟りましたねぇ……。

しゃきーんさん:いやま、お金は必要だろうよ。娯楽に対しどれだけのお金が出せるかという“価値”については、個人差がありすぎて何も言えないけどな。

コメント (2)

Kidsun

現状はもう一つの問題あります。
セーブデータです、3DSは忘れましたが、vitaのダウンロード版やスマホのゲームは殆どセーブデータとゲームデータは一つにまとめています、ゲームを削除したらセーブデータも消えます、古いゲームをもう一度やりたい時は結構困ります。
データを残れば良いけど、やはりストレージの容量が足りない場合もよくあるので…….

AZ

AZ

ああ、確かにVitaのDL版はセーブデータの管理が面倒な事になってますね。
DL版が主流になっていくには、価格とは別に利便性も向上させていく必要はあるのも間違いないことです。
どのハードも、管理が楽になるといいんですけどね。(´・ω・`)

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