連載:気まぐれゲーム雑記 第831回:カプコン社長曰く「ゲーム業界はカジュアルユーザーだけでいいのか」

結局のところ、「何」で稼ぐのかがポイント

自社の得意とするところは何なのか

AZです。先日、足の指をぶつけて尋常じゃない痛さに私が涙したわけですが、本日見事なまでに腫れ上がってました。

それはさておき、カプコン社長の辻本春弘氏が自社の今後についてインタビューに応えています。ザックリと、ポイントを引用。

――スマートフォンゲーム市場が成熟化する中、ヒットを出せていない。

ヒットを出したいが、思ったようにいかないのがビジネスのさが。われわれは、ゲーム専用機やPC、スマホなどマルチプラットフォーム戦略でやっているが、どうしても得手不得手が出てくる。ただ、得意なところを削ってまで不得意なところへリソースを割り振るのかというと、そうもいかない。

――任天堂のDeNAとの提携をどう見ているのか。

われわれは任天堂さんとは違うやり方で、ワンコンテンツ・マルチユースの戦略を考えている。ハードが普及していない地域では、映像やキャラクタービジネスなどゲーム以外でユーザーへ訴求していく。

――ゲーム専用機はコアユーザー向けになっており、市場の成長は厳しいように見える。

ゲーム業界はカジュアルユーザーだけでいいのか。ここで普及しても、コアユーザーがいなくなれば、”向上心”が生まれなくなる。重要のは、コアユーザーがいるからこそ、カジュアルユーザーやエントリーユーザーがそこに近づいていくということ。両方が必要なんです。スマホゲームもコアユーザーは10~15%程度。そこからどう広げていくかが僕たちの中期、長期の戦略になる。

――ただ、最近のカプコンのソフトはシリーズものが多く、新作のゲームが出て来ていない。

幸いなことに、支持されているフランチャイズタイトルが多い。それらを作るために内部の開発ラインは、かなりいっぱいな状況だ。

[引用元:東洋経済 ONLINE

まぁ、どこで儲けるか、ですね。

現時点で、家庭用機を主軸に上手く商売が成立しているのは、上場企業だとコーエーテクモとファルコムくらいでしょう。あとは、スマートデバイス方面にも注力しながら、家庭用機も手がけるというどちらの時代が到来しても対応できるような体制で臨んでいるメーカーが大半です。いやまぁ、その注力度合いをどの程度本格化させるかは注目どころであり、昨今のコナミに関する騒動はそこらへんが起因しているとも言えるとは思っておりますが……。

で、カプコンの場合、現時点だと新規タイトルを率先して出すような姿勢にはなっていません。むしろ、「Deep Down」や「ドラゴンズドグマオンライン」など、F2P展開を全力プッシュするという、バンナムの家庭用機戦略にも似た様な雰囲気を受けます。また、「バイオハザードリベレーションズ2」は、分割配信することで一層「ダウンロード販売」を促進させるような手法もとりました。インタビューを読んでいても、兎にも角にもDL版をどう買わせるかに焦点が当たっている気がしないこともありません。

一方でスマートデバイス方面を見てみると、カプコンはスマートデバイスでヒット作は生み出せておらず、元々アクションを得意としてきたメーカーなだけに、らしさが活かせないのも道理といえば道理です。他メーカーと違ってスマートデバイス方面に全力を出せないような雰囲気も見て取れますし、社内の構造改革がいつ終わるのかも焦点にはなりそうです。

とどのつまり、より分母が大きいスマートデバイスか、確実にアピールしやすいコア層になるのか。メインとなるターゲット層をどこに据えるのかが、カプコンの見どころでしょう。大手メーカーも色々とやり方を変えてきていますが、カプコンはどういった答えを出すのかを楽しみにしておきたいですね。

連載:気まぐれゲーム雑記 第831回:カプコン社長曰く「ゲーム業界はカジュアルユーザーだけでいいのか」に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:カプコン社長曰く「ゲーム業界はカジュアルユーザーだけでいいのか」だそうです。

しゃきーんさん:まぁ、駄目でしょ。

しょぼーんさん:そりゃま、広く売らないといけないからね。カジュアルだけじゃまずいけど、コアだけでもまずい。バランスの問題だろうね。カプコンとしては、メイン層を「コア」な方々に設定したいという思いはあるだろうけど。……ま、カプコンが「新作」を作れるようになるのはいつかなぁと……。

しゃきーんさん:今のところ、モンハンやバイオがメインだしなぁ……。

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