連載:気まぐれゲーム雑記 第558回:過去の名作は使い方を誤ると人が離れていくだけである

気まぐれゲーム雑記
第558回:過去の名作は使い方を誤ると人が離れていくだけである

過去の名作は用法を正しく理解して使いましょう。

色んなところへと言及出来る問題なのです。

AZです。「艦これ」に続いて「御城コレクション」だそうですが、タワーディフェンス好きとしては通らざるを得ない気がしてなりません。

さて、アメリカでも大手で色々と悪評も目立つEAですが、CEOであるAndrew Wilson氏がモバイル版「Dungeon Keeper」の失敗を振り返っています。

Wilson氏は「新規プレイヤーにとってはいいゲームだった」とコメント。「『Dungeon Keeper』をプレイして育ってきた人々にとっては到底受け入れられる内容ではなかった。我々が歩まなかった別の方向性でも可能だったはずだ。全く恥ずべきことだよ」と述べ、モバイル版『Dungeon Keeper』が少なくとも従来のシリーズファンにとっては失敗作であったとの認識を示しています。

また「熱狂的なファンたちの心の中に特別なゲームとして残るIPを、新たなオーディエンスへ向けて再開発するときは、特に注意しなければならない」とWilson氏はコメント。「かつてユーザーを熱狂させたIPを取り扱う際には、例え新たなオーディエンスへ向けた再開発であるとしても、原作の本質に忠実でなければならない。そしてそれは挑戦だ。J.J. Abrams版『スタートレック』はかつて見た第1シーズンと全く違うが、それでも私は良い作品だと感じている」と続けました。

[引用元:Game*Spark

失敗だったという認識はあったのですねぇ。

EAと言えば、企業として大きいながらもプレイヤー達からは余りいい目で見られていない企業の一つです。ですが、以前も紹介したとおりEAはプレイヤー重視の開発に舵を切った事を明かしています。インディーゲームのようなクリエイター自身が作りたいゲームならまだしも、大手メーカーならばプレイヤーに望まれるように作らなければ売れない、なんていうのはもはやわかりきった話でしょう。

その点において、F2Pのモバイル版「Dungeon Keeper」はかなりの失敗作でした。大元を作ったあのピーターモリニュー氏が酷評をするくらい駄作だったわけですが、それは「過去作を知っている人達にとって望まない方向で登場させたから」の一言に尽きます。これは別にF2Pだから金が払いたくない、という事ではありません。「Dungeon Keeper」でやったらダメなところに踏み込んだという事なのです。

この一件で良い点は、CEOであるAndrew Wilson氏が素直に失敗を認め、今後の対策をきちんと考えているという事です。EAが本当に反省して今後そういった事をしないようにする……なんて未来像を描ける人はそういないとも思いますが、きちんと表立っていち企業の人間がメディアに対して反省の弁を述べる文化は、日本ではほとんど見ない話でしょう。ちょっと蛇足ですが、日本では失敗したであろう作品について、きちんと言及出来る大手のゲームメディアなんぞどこにも存在していません。ジョジョASBがすべてを物語ったわけですし、あの一件はいつまでも引き合いに出され続ける事間違いなしです。

過去の名作を現代にどうやって持ってくるのかが問われているメーカーが多く存在しますが、その扱い方を間違えるとメーカーの信用は落ちるしブランド力も低下するし、良い事なしである事に間違いはありません。過去のプレイヤー達がどう見ているのかと言うのを忘れずに、うまい対応をして欲しいモノですね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:EAのCEOがモバイル版「Dungeon Keeper」は失敗だったと言ってるヨーってなお話です。

しゃきーんさん:日本だと余り見ない光景だな。

しょぼーんさん:まぁ初代ダークソウルのスタート時とかFF14新生じゃない方とか、稀にきちんと謝罪する展開もあるけどね。あとは、それに言及するメディアがあるってのは羨ましいとも思ったかな。……日本だとべた褒めしかしないからネー。

しゃきーんさん:……べた褒めが悪いわけじゃないが、言うべき事は言っても良いとも思えてならんな。

連載:気まぐれゲーム雑記 第558回:過去の名作は使い方を誤ると人が離れていくだけであるに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

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