連載:気まぐれゲーム雑記 第514回:紹介できなかったメーカーの業績をちらりと見てみよう
気まぐれゲーム雑記
第514回:紹介できなかったメーカーの業績をちらりと見てみよう
結果が出せたところと出せなかったところの差が気になります
話題になったか否かが鍵
AZです。雹は当たると痛いというのを、子供の頃に学びました。
ところで、各ゲーム企業が決算を色々と出しているわけでして。一個一個取り上げようと思っておりましたが、余りにも大変過ぎるのでまとめちまおうと思いつきました。まぁぶっちゃけてしまえば、業績をみたからどうなんだ? みたいなところは否定しませんが、会社ごとの今後の方針が何となくわかるというのが決算の良いところです。ということで、すでにカプコンはこちら、バンナムはこちらで思うところを書きましたが故、スクエニ、コナミ、セガあたりについて書いておこうかと思う次第です。
まずはスクエニから要点を押さえていきます。
2014年3月期の連結業績予想の上方修正
- 売上高:1550億円(前回予想1400~1500億円)
- 営業利益:105億円(前回予想50~90億円)
- 経常利益:125億円(前回予想50~90億円)
- 当期純利益:66億円(前回予想35~60億円)
上方修正の理由
- 「ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア」のソフト販売や「ドラゴンクエストモンスターズ スーパーライト」が好調
- 「Thief」「ファイナルファンタジーX/X‐2 HD リマスター」「トゥームレイダー ディフィニティブエディション」も好調
[情報元:スクウェアエニックスホールディングス公式サイトより(PDF)]
MMOのFF14と、スマホでもDQMスーパーライトが好調というのは流石でしょうか。DQMスーパーライトも、初動でずいぶんと騒がれたモノですが、結局は安定した運営に落ち着いたようです。ついでに、スクエニの場合「オカルトメイデン」や「クリスタルコンクエスト」といったスマホタイトルやブラウザゲームだと、鬼の早さで何事もなかったかのように撤退するという点もポイントと言える気がしてなりません。まぁ、開発した側やプレイしている人達にとっては散々な話にも違いありませんが。
続きまして、コナミの決算の要点。
2014年3月期 連結決算
- 売上高:2175.95億円(前期比3.7%減)
- 営業利益:102.57億円(前期比53.1%減)
- 当期純利益:117.89億円(前期比46.2%減)
2015年3月期 業績予想
- 売上高:2200億円
- 営業利益:120億円
- 当期純利益:110億円
2014年3月までの推移
- 「ドラゴンコレクション」などソーシャルコンテンツは堅調
- 「ワールドサッカー ウイニングイレブン2014」を全世界で発売したほか、「プロ野球スピリッツ2014」が好評
- 「Metal Gear Solid V: Ground Zeroes」は「PlayStation4」と「Xbox One」に対応し、高い評価を獲得
次期の見通し
- ソーシャルコンテンツでは、ネイティブアプリ市場でのラインアップ拡大、有力コンテンツとの相乗でコンテンツの配信を進めていく
- ゲームソフトでは、選択と集中により厳選されたタイトルをしていく
- 海外ゲームユーザーのニーズをいち早く取り入れたゲーム制作を進めるため、現地でのゲーム制作体制の強化をしてグローバルに展開していく
- 主力のスポーツゲームもPS4やXbox Oneに対応する
[情報元:コナミ公式サイトより(PDF)]
注目すべきは次期の見通しでしょうか。ソーシャルコンテンツと据え置き機市場を上手くわけていく事が明記されていますが、他メーカーよりもグローバル展開で海外市場狙いであることがはっきりと明記されています。また、集中と選択をするという事なので、既存のタイトルであろうとも結果が出せていないモノは難しくなる事が予想されます。……まぁ、何となく予想が付きそうなものがなきにしもあらずですが。
最後にセガサミーの決算の要点。
2014年3月期 連結決算
- 売上高:3780.11億円(前期比17.6%増)
- 営業利益:385.33億円(前期比102.0%増)
- 経常利益:405.31億円(前期比93.8%増)
- 当期純利益:307.21億円(前期比8.2%減)
2015年3月期 業績予想
- 売上高:4500億円
- 営業利益:350億円
- 経常利益:350億円
- 当期純利益:210億円
2014年3月までの推移
- SNSやスマートフォン向けなどのデジタルゲーム市場における需要が拡大し、「ファンタシースターオンライン2」「ぷよぷよ!!クエスト」「チェインクロニクル」が好調
- パッケージゲーム市場は、「Total War: ROME II」「Football Manager2014」などの新作を出したが低調に推移
次期の見通し
- コンシューマ事業のパッケージゲーム分野は引き続き合理化に取り組む
- 既存パッケージ向けIPのデジタル転用も進める
- デジタルゲーム分野は、主力の「ファンタシースターオンライン2」の運営に取り組む
- スマートフォンやタブレットPC向けの取り組みも強化
- デジタルゲーム分野は、国内で43本(うち、売切り型13本、無料プレイ型30本)の新タイトルを投入する予定
[情報元:セガサミーホールディングス公式サイトより(PDF)]
パッケージが低調というのは何とも残念な話、でしょうかね。
セガサミーの場合、パッケージ分野が低調である事をはっきりと書いていますし、更に合理化をするということでより選択と集中が行われるような雰囲気となりました。それとは逆に、スマホ関連となるデジタルゲーム分野は30本のF2Pゲームを出すと言うことで、並々ならぬ力の入れようである事が窺えます。
元より、セガはスマホ関連事業にかなり注力しています。グリーなどを経由しないで広告が出せるような仕組みの構築で話題を呼びましたし、チェインクロニクルはVitaでも配信されることが決定しています。更に言えば、F2Pで上手くいけば儲かるというのはファンタシースターオンライン2が証明していますので、そちらの方面に力を入れるというのも間違いはないでしょう。
となると、やはり焦点になるのはパッケージです。日本だと「龍が如く 維新!」や「ソニックロストワールド」、ミクさんシリーズなどが発売されましたが、企業としては納得がいくモノではなかったという事にもなりましょうか。とはいえど、どういったゲームがやりたいかは結局プレイヤーに委ねられます。うた詠み575あたりを見ているとそれが痛烈にわかりそうな気がしてなりませんので、今後パッケージをどうしていくのかに期待を寄せたいモノです。
何となく総括してみる
どこも、概ねスマートデバイスとパッケージを上手く使い分けていくスタンスであり、どちらに転んでも良い様に対応している印象です。そこにあるのは、日本がどういった行く末になるのかはまだまだ見えて来ないという点でしょう。海外ではPS4やXbox Oneが出て賑わっておりますが、日本だとPS4の需要が落ち着いて今後は日本向けタイトルが待たれている状況になっています。
そんな中で、海外市場を狙いにいくコナミや、研究棟を建てて更に自社を強化するカプコンのようなメーカーもあり、任天堂を含めどのメーカーもどこかしらか勝負をしかけようという雰囲気がなくもありません。来年にはどのような結果が出るかはわかりませんが、各社共にがんばって欲しいモノですね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:なにやら決算ラッシュだったので、面倒だからまとめてみたんだけどまとめたらまとめたで膨大な量になってそれもまた大変だったんだ……。ってなお話です。
:そりゃ自業自得だわ。まぁ、決算の数字はともかくとして、今年の動向みたいなものがわかるのはちょっと面白いかもな。
:なんとなーく、各社勝負をしかけようっていう感じが見受けられなくもないんだよね。まぁ何となくだけど。でもまぁ、わたくしとしてはいち消費者として、クソ面白いモノを提供して下さいという他ないわけですから、どのメーカーも奮って欲しいもんですな。……業績って、見てるとすんげぇ疲れるよねぇ……。
:……ならば何故見ようと思ったんだよ……。
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