連載:気まぐれゲーム雑記 第169回:エピソード形式のビジネスモデルは今後流行をみせるのか? と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第169回:エピソード形式のビジネスモデルは今後流行をみせるのか? と言う話題

DLCをどうみるのか次第なのです。

売り方も考えないといけない時代

ゲームの開発費は年々高騰しているという話は何時も話題になります。
PS4では、PS3並の予算で良いといった話も出ましたが、色々な企業の方々が「高くなる」といったり「高くならない」といったり、開発に対しての色々な考え方が垣間見える話でもあります。ですが、概ね開発費は「高騰を続けている」という認識の人達が多い印象です。

そんな開発費問題ですが、コナミの小島秀夫氏が海外の取材で、高騰し続ける開発費への対処はエピソード形式のダウンロード配信が有効であろうといった趣旨の返答をしたそうです。詳しくはこちら
まとめると次のような感じ。

  • 次世代機だとよりリアルな表現が可能となるが、それは必須ではない
  • 奥の深い20時間から30時間のゲームを開発するには大規模なチームと3~4年の開発期間が必要となるかもしれない
  • しかし、テレビシリーズにも似たやり方で、プロジェクトをフル稼働させる前にパイロットエピソードで様子見をする
  • そういったものなら1年程度で作れるし、成功したら継続すればいい
  • 次世代機にはゲーム開発にもソーシャル要素が組み込まれ、ユーザーからのフィードバックを得られるし、ユーザーと作り手の間で意見交換ができるようになるはず

と、つまりDemo的なエピソードで様子見をして、行けそうなら継続しようといった手法です。
というわけで、この手法が日本でも流行るのかどうかというのを、過去の例にならってみようかと思う次第です。

今までもあったエピソード形式のゲーム

日本だと、「.hack」や「シェンムー」、あとは「ゼノサーガ」や同人だと「ひぐらしが鳴く頃に」でしょうか。成功例だったり失敗例だったりするタイトル群なわけですが、一応一作品ごとにストーリーが続く形でエンディングを迎える、エピソード形式のタイトル達です。

この当時のエピソード形式のタイトル達に見受けられたウィークポイントは、「売上が一定以上見込めないと次のシリーズがでない」という事。……まぁ、シェンムーの事ですが。また、開発期間が長すぎて「発売される頃には前のエピソードを忘れている」という事。……まぁ、管理人の場合ゼノサーガの事ですが。とにかく、これら2点だと言えます。
そういう意味では、.hackは3ヶ月ごとにエピソードを出したお陰か、成功したと言える結果でしょうし、コミケで定期的に出し続けた「ひぐらしが鳴く頃に」もまた成功例であるに間違いはないでしょう。

最近海外では、人気ドラマの「The Walking Dead」がダウンロード専用ゲームとして配信されました。今のところ、エピソード形式ビジネスモデルとして成功例と言われているタイトルです。全エピソードが5つあり、一つのエピソードのプレイ時間は3時間程度で5ドルというリーズナブルだった事も功を奏した印象はあります。

成功事例を見てみると、開発期間と価格が勝負どころであるのが垣間見えます。やはり、続きモノであればある程度安定した期間でプレイしたいと思うのは誰しもが一緒でしょうし、エピソードごとに分かれるなら価格もある程度おさえてもらいたいのが消費者の常でしょう。ここらへんは、続きモノがあるとわかっている小説の1巻で様子見をするというのと一緒ですね。

エピソード形式のゲームは、ユーザーからみれば「一気に最後までプレイしたい」というのは確実にあるでしょう。ですが、高騰し続ける開発費に対抗する術の一つとしてエピソード形式が選択されたとすれば、そのエピソードがより魅力的であり、また続くエピソードでも退屈させないものでなければなりません。
日本で、今後こういったエピソード形式の販売方法が流行るかどうかはジャンル次第にも思いますが、ユーザーと開発する側のバランスが上手く取れていることをせつに願いたいものですね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:高騰する開発費に対抗する術の一つとして、エピソード形式のビジネスモデルがあるよーってな話題に触れてみました。

しゃきーんさん:ふむ。まぁいわんとすることはわかるが、ユーザーとしては一気に最後までプレイしたいよなぁ。

しょぼーんさん:だからこそ、ジャンルによるんじゃないかな。いわばエピソード形式って小説とかドラマと変わりはないわけで、区切り区切りで楽しむ事ができるならそれもまた良しかと。逆に、アクションやRPGだと今は難しそうですなぁ……。

しゃきーんさん:なるほど……。漫画も一巻だけ買って様子見するって人も多いしな。ゲームでもそういう事が起きるかどうかはわからんが、それもまたビジネスモデルとして一つの選択肢になったら、インディーズゲームやアドベンチャーももっと流行りそうな気がするわ。

連載:気まぐれゲーム雑記 第169回:エピソード形式のビジネスモデルは今後流行をみせるのか? と言う話題に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

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