連載:気まぐれゲーム雑記 第14回:CEDEC 2012の2日目に中二病を真剣にプレゼンする人がいたと言う話題

気まぐれゲーム雑記
第14回「CEDEC 2012の2日目に中二病を真剣にプレゼンする人がいたと言う話題」

いつでもファンタジーな夢を見られる事こそが中二病なのかもしれません。

中二病をプレゼンする度胸

CEDEC2012で、話題騒然となるプレゼンを行った方がいたそうです。そのお方は、バンダイナムコスタジオの河野紀子氏。かのゴッドイーターを担当なさったそうです。
その内容は「ユーザーに中二キャラクターとしての認知に成功したアニメーション・メソッド ~ゴッドイーターから贈るフィジカル中二論~」というお題のものでした。記事元はこちら
要約すると、思春期と青年期のユーザー層(言わば中二病にかかっている方々)にウケるキャラクター作りは、中二病を真面目に、心理的に捉えたらゴッドイーターのキャラクターができあがって、それらを中二病的アニメーションで動かしたらウケたよ、という話題です。
まぁ、最終的に中二病な人にウケるキャラはクネクネさせればOKというどうしょもないオチでしたが、そこはいりません。

でも、考えて見て下さい。
かつて中二病という言葉は、伊集院光氏がラジオ番組の中で自身が中二病に罹患していると発言して、中学2年生くらいにありがちな事を集めながら紹介するいちコーナーとしてやっていたものが、思春期の少年少女達がやるであろう行動、思想、発想に変化していき、ゲーム業界としてはそのシナリオ性やキャラクターの位置付けとして確立されるようになっていったのが現状です。実際それをゲーム開発者(ないし、それ関係に携わる人)が大真面目に言葉として記す、というのは中々に貴重な意見ではないでしょうか?
と、いうわけで。本日の話題は中二病とゲームな話題になるわけです。

中二病と王道を考えてみる

何とも面白かったのが、中二病というのがどういった心理から起こるのかを考えたところです。
記事元には、以下のように書かれていました。

  • もう自分は大人だとアピールしたい(うまくもないコーヒーを飲み始める。洋楽を聴き始める等)
  • 自分は社会規制に怯まない強い存在だとアピールしたい(林間学校に来てまでタバコを吸う。髪の色をスプレーで変えてみる等)
  • 独立心と依存した現実との葛藤(自分の家族を友だちに見られたくない。母親に「どこに行くの?」と聞かれて「外」)
  • いままでの自分に疑問を持ち、これまでと違うことをする(本当の親友探しを始める。ちょっとしたウケ狙いのキーホルダーを買いたくなる等) 
  • やればできると思う(曲も作れないのに作詞。『DQ』や『FF』にハマり、ゲームプログラマーを目指すが、考えられることは続編のちょっとしたイベントやストーリーやアイテムだけ)
  • 他人より物事の本質を分かっていると思いたい(売れたバンドを「売れる前から知っている」とムキになる。急にラーメンの美味しい・美味しくないを言い出す等)'

なるほど。これは単純明快ながら実に言い得て妙で、その本質を捉えている表現とも言えるでしょう。何となく、ゲームや漫画好きだったら誰しもが一度は思った事であろう何かを感じざるを得ません。そこはかとないシンパシー(共感)を覚えてしまいます。
で、管理人は思うわけです。中二病的なものは「もの凄く限定的な市場(モノ)」であり、その似て非なるものこそ「王道」ではなかろうか、と。

少々、論理がましい話になってしまいますが、上記の6つのような発想というのは、ゲームや漫画好きであれば、どれかしらか該当したことがある、と思います。で、それらは思春期という限定された時期に考えやすい、という事こそ中二病たる由縁です。だとすれば、それは「もの凄く限定的」と言えると思うのです。
一方で王道は、それとは本質は似ているけど「いつの時代も大衆にウケやすいモノが王道」と言う事になるのでしょう。

例えを考えてみる

王道の何か良い例はないモノか? と考えて見ましたが、漫画で広く知れ渡っている事を考えればワンピースのエースやシャンクスの位置付けがそれに近いものであるように思いました。ワンピースが嫌いな人はともかくとして、エースあたりは嫌いだという人を余り見た事はありません。むしろ、カッコイイという人の方が多い印象でした。……いやまぁ、管理人の周りの人達だけですけど。

ゲームキャラの王道なら、カービィやマリオ、リンクなど任天堂キャラクターは大衆にウケる王道なキャラクター作りに思います。むしろ、他のゲームキャラクター達は、色々と尖っていて大衆ウケする事が難しい気がしてなりません。……あ、大神は大衆ウケするかも。かわいいし。なんか本質とはズレてる気もしますけど。

まぁ何にせよ、中二病というものをこうやって大真面目に分析をして、どういう心理状況からそういう発想になるのかというのを切り詰めていき、ユーザー層を捉えるというアプローチは結構新鮮な話題でもあると思います。ゲーム性にもよりますが、設定やシナリオ、売りたいユーザー層を考えた時、今や中二病というのは切っても切り離せないようなモノなのかもしれませんね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:CEDEC2012で中二病についてプレゼンした人がいるって話題です。

しゃきーんさん:何が一体どうしてそうなったわけよ……。

しょぼーんさん:ようは、ゴッドイーターというタイトルを中高生に売りたいと考えた時、中二病という一つの要素をとことん突き詰めれば、中高生にウケるんじゃなかろうか? という、プレゼン内容。ようは、企画の話に近いかも。実際はアニメーションの話になってるけど、大体はそんなもん。

しゃきーんさん:なるほど……。ラノベでもよく取り扱われるみたいだし、そういうユーザー層に売るって考えたら、そうそう馬鹿にはできんってことなんだな。……いやでも、発表すべき内容なのか? これは……。

連載:気まぐれゲーム雑記 第14回:CEDEC 2012の2日目に中二病を真剣にプレゼンする人がいたと言う話題に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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