連載:気まぐれゲーム雑記 第1032回:レベルファイブにみるスマートデバイス対応
時代の流れに「伸る」か「反る」か
スマートデバイス対応も、時代の流れの変化である
AZです。文章を書くというのは、日々勉強だと思い知らされる今日この頃です。
それはさておき、レベルファイブの日野氏が今後は基本的に同社のゲームをすべてスマートデバイス対応させていくことをインタビューにて答えています。
――今後、スマートデバイスへの対応度は上がりそうですか?
日野氏:基本的には、これからのうちのゲームはすべてスマホに対応していきたいと思っています。コンシューマーで作ったタイトルは、スマホでも遊べるようにしていこうと。コンシューマーの作品をどうやってスマホに持っていくかというきちんとしたルール付けは必要ですけど、やっぱり最近は子どもたちもスマホで遊ぶようになっていることが分かってきましたね。
僕は、本当に生の声を聞かせてくれる身近なファンをすごく大事にしているのですが、つい昨日も僕が行く床屋さんで驚いたことがあったんです。店長の息子さんが、僕のことを知っていて、お店に行くとすぐに来るんですよ。昨日もまた、僕が散髪をしている横でずっと話を聞かせてくれていたんですが、それが全部『ぷにぷに』の話題だったんです。
小学1年生の男の子で、つい先日まではニンテンドー3DSの話ばかりだったのに。それで時代が変わってきたなと本当に感じましたね。だからもう多分そこまできているんですよね、ポータブルゲーム機じゃなくて、スマホでゲームを遊ぶ世界って言うのがね。
――小学生の子どもに対して、スマホを渡しづらいという親もいると思います。
日野氏:親として確かにそれはそうですよね。『ぷにぷに』も、正直に言って小学1年生が1人でプレイすることを想定できてはいないですね。ただ、僕らとしては、親子で遊ぶということは念頭に置きました。課金のことなども含めて、親子で話し合って遊んでいただければと。今後は業界全体で絶対的にスマホの存在感が大きくなると思います。本当にそこでゲームを作りたいかどうかはさて置いて、避けられないところですね。
[引用元:日経トレンディネット]
非常によろしいのではないでしょうかね。
今や、ほとんどのメーカーがスマートデバイス向けに何かをやっているような昨今ですが、日本ではその市場が占める割合が大きいだけに、どのゲームもスマートデバイス対応していくのは当然の結果でもあります。そういうのはマインクラフトでも十分見えていた話ですし、むしろ今後はスマートデバイス対応できるゲームと、そうじゃないハイエンドなゲームとの棲み分けが進むのではなかろうかとも思ったりはするわけです。
それでいて、ポイントになるのは「本当にそこでゲームを作りたいかどうかはさて置いて、避けられないところ」という一言でしょう。市場規模を見れば、どうみてもスマートデバイス市場を避ける事のメリットは、余り多くありません。かといって、開発側としては「その市場で作りたいかどうか」というのは別問題であり、本当に勝負したいところは別にあると言われたら、それもまた一つの答えである事に違いはないでしょう。稼げる市場とやりたい市場は別にあるというのは、よくある話とも言えます。
スマートデバイス自体、まだまだ性能が上がり続けますし、今後もスマートデバイスだけでゲームをするという人は増えていくでしょう。当然ながら、いちゲームファンとしては市場規模が広がって欲しいとは思えど、今のところ市場規模は右肩下がりなのが現実なわけで、今後ゲーム専用機でゲームをしようという人がどれくらい増えるのかというのは未知数でもあります。ここについては、もうハードメーカーとソフトメーカーが色々と頑張っていく他ないでしょう。娯楽産業ですし。
どちらかと言えば、子供向けタイトルが多いからこそ、全タイトルをスマートデバイス対応していく方針にしたレベルファイブではありますが、市場が大きく変化する中で各メーカーはどう対応していくのかも注目しておいて損はないでしょう。PCや家庭用機、スマートデバイスとすべての機種で、それぞれの特徴を活かせるような市場が形成されていく事を期待したいモノですね。
:レベルファイブは、今後の自社タイトルは基本的にすべてスマートデバイス対応するよーってなお話です。
:となると、スマートデバイス向けのモノの課金形態がどうなるかって話にもなりそうだな。
:そだね。まぁ今度また書くけど、アップルがゲームの月額課金を解禁したので、レベルファイブは自社でそういうサービスをしていくって方向もアリなんじゃないかな。家庭用機は家庭用機で生き残るだろうから、どこが脱落するかという話にもなるけどね。……ま、概ねの企業はどちらも一緒にやっていく、ってスタンスになるだろうけどさ。
:そういう中で、良いゲームがたくさん生まれてくれることを願うしかねーなぁ……。