連載:気まぐれゲーム雑記 第997回:JOGAによる“ランダム型アイテム提供方式を利用したアイテム販売における表示および運営ガイドライン”が4月1日より施行、ガチャ課金に多少の変化はある?
どこが音頭を取るのか。
“問題”は何なのかを正しく理解しておきたい
AZです。モニターを変えたのですが、根本的なサイズが変わりかなり違和感満載での作業になっております。結構長いので、こちらを参照してみてください。
それはさておき、JOGAによる“ランダム型アイテム提供方式を利用したアイテム販売における表示および運営ガイドライン”が4月1日より施行されるということで、ほのかに話題を呼んでいるようです。
2. 有料ガチャの表示に関する事項
(1)有料ガチャに関する、以下に掲げる各情報を、各オンラインゲームタイトルの公式サイトのトップページもしくは有料ガチャを提供する各種画面またはこれらのページからリンクされたページ(以下、総称してガチャページ)に掲載し、利用者が容易にこれを閲覧できるようにする。
□ a. 有料ガチャにより提供されるガチャアイテムについて、名称、イラストまたは種別等を用いて、利用者が獲得できる全てのガチャアイテムを予め確認できるように表示する。
□ b. 有料ガチャにおいてガチャレアアイテムを提供している場合、当該ガチャレアアイテムを表示する。
□ c. 有料ガチャにより提供数または提供期間が限定されているガチャアイテムを提供している場合、その提供数または提供期間等の内容を表示する。
□ d. 有料ガチャにおいてキャンペーン企画等により販売中のガチャアイテムの提供割合を変更する場合、当該変更の条件および変更の度合い(増加または減少のいずれか一方)を事前に表示するものとする。なお、当該表示は、キャンペーン企画等が開始される日の前日までに行うことが望ましい。
□ e. 有料ガチャにおいて、特定のガチャアイテムの提供割合を上げる場合などで比較対象表示を行う場合、比較対象となる有料ガチャの名前や販売期間等を明らかにする。
□ f. 有料ガチャにおいて重複して同一のガチャアイテムを入手する可能性の有無およびその条件等を表示する。
□ g. 有料ガチャにおいて不具合が発生した場合、速やかにその事実を表示し、適切な対応を行う。3. 有料ガチャの設定に関する事項
(1)有料ガチャにおいてガチャレアアイテムを提供する場合、以下のいずれかを遵守するものとする。
□ a. いずれかのガチャレアアイテムを取得するまでの推定金額(その設定された提供割合から期待値として算定される金額をいう)の上限は、有料ガチャ1回あたりの課金額の 100 倍以内とし、当該上限を超える場合、ガチャページにその推定金額または倍率を表示する。
□ b. いずれかのガチャレアアイテムを取得するまでの推定金額の上限は 50,000 円以内とし、当該上限を超える場合、ガチャページにその推定金額を表示する。
□ c. ガチャレアアイテムの提供割合の上限と下限を表示する。
□ d. ガチャアイテムの種別毎に、その提供割合を表示する。(2)有料ガチャについては、以下のいずれかを遵守するものとします。なお、有料ガチャにより提供されるガチャアイテムの価値について、その価額が明記されていない場合、可能な限りにおいて、その類似または同類のアイテム等の価額を参照するものとする。
□ a. 有料ガチャ1回利用時に提供されるガチャアイテムの価値は、有料ガチャ1回の価額と同等またはそれ以上とする。
□ b. 有料ガチャ 10 回利用時に提供されるガチャアイテムの提供割合の期待値上の価値は、有料ガチャ 10 回の価額と同等またはそれ以上とする。
□ c. 有料ガチャの利用金額の総計が 5,000 円の場合、有料ガチャから提供されるガチャアイテムの提供割合の期待値上の価値は、5,000 円と同等またはそれ以上とする。(3)何らのガチャアイテムが提供されない可能性がある有料ガチャの提供は行わない。
[引用元:Japan Online Game Association(PDF)]
まぁ、ある程度効果はあるのでしょうかね?
上記の引用は、全文ではなく5項目中2つを引用したモノになっています。より詳しい詳細が知りたい場合や言及したい場合は、一度全文を読んでからしておくと良いでしょう。
で、上記の文章がどれほど効果があるものかといったら、実際何とも言いがたいところはあります。というのもJOGAに参加している企業はこちらの一覧にあるとおりで、話題のサイゲームスやスクエニ、その他大手メーカー等々には及んでいません。どちらかと言えば、CESAあたりがガイドラインを作らないとまとめきれない気がしないこともありませんが、とりあえずパズドラのガンホーやモンストのミクシィ、ラブライブのKLabなどがあるので、それらの対応は見守られるところにもなりましょうか。
また、ガチャ問題というのは論点が色々あるわけですが、次のような文章を見かけました。
ある中堅メーカーは、「出現確率が分からない中、数十万、数百万円と多額の課金をすることが問題だと考えております。まずは個別の有料アイテムの出現確率を利用者様に開示することが大事だと考えております」。情報をきちんと知らせ、課金するかは利用者に判断してもらったほうがいい、という主張です。
[引用元:withnews]
これまた、何とも言いがたいところですかねぇ……。
出現率が明記されればOKなのかといったら、そりゃまぁないよりはあった方が良いに越したことはないのですが、幸いな事に出現率については国内メディアである4Gamerが「出現確率1%のガチャを100回引いても、4割近くの人は全部はずれる。」という素敵な検証をしており、表記された数字を単純計算で解釈してしまっていいのかといったらそんなこともない事が明らかになっています。で、そういった懸念も見越してか、JOGAの規定だと「ガチャレアアイテムを取得するまでの推定金額の上限は50,000円」と明記されておるわけですが、出現率や保証額よりも個人的には「多額が消費できてしまう」という方が問題な気がしてなりません。
ともあれ、今後も色々と動きがありそうなガチャ問題ですが、はてさてどういった決着がつくことになるでしょうか? 今後の動きには注目しておきたい限りですね。
:JOGAによるガチャのガイドラインが4月1日より施行されるよーってなお話です。
:会員はそれに従わないといかんってことか。
:まぁ、そんな感じ。ただ、これでどこまで見通しがよくなるかはさっぱりって感じかな。もちろんガイドラインなるものがないよりマシだけど、すでに色々と事態が動いてるようだし、落としどころは暖かく見守りたいっすな。……どんなオチになりますのやら……。
:ま、今までが今までだしなぁ……。
実は大半のゲーム会社はJOGAに加入していませんけどな。それでも影響力はあるはず。
ところで、4gamerのあれこそ"単純計算"の結果と思いますか…..