連載:気まぐれゲーム雑記 第519回:体験版が数回に渡って出てくるのは良い事なのかどうか、考えてみた

気まぐれゲーム雑記
第519回:体験版が数回に渡って出てくるのは良い事なのかどうか、考えてみた

何事も、ほどほどに。

善し悪しにわかれる内容です

AZです。すき家の問題は、やはり信用が大切なのだなと思い知らせてくれます。

ところで、コーエーテクモの社長である襟川陽一氏が昨年や今年の動向についてインタビューを受けている記事が公開されたのですが、その中で体験版について語っているのが気になったのでご紹介しておきます。

――「討鬼伝」では、3回も体験版を出されたのですか?

襟川氏: 3回も体験版を出したのは、我々も初めてでした。最初の体験版を公開したところ、かなり厳しい評価をお客様からいただきました。それがあまりにも厳しいお言葉でしたので、もう1回体験版を出さないと、ちゃんとご評価いただけないだろうと……。2回目の体験版も、良い評価をいただいた一方、まだまだというご意見もあって、またこのままでは製品化できないと判断して、3回目の体験版となったのです。

 こうしたやり方は、家庭用ゲームでは珍しいのですが、オンラインゲームではそうでもありません。クローズドβ、オープンβというステップを踏んで、本サービス開始前にたくさんのお客様からご意見、ご要望や新しいアイデアをいただきます。結果的に、それと似たプロセスを経て、製品版をリリースできましたので、お客様の満足度は高くなったのではないでしょうか。コストの面では負担となりますが、最終的にお客様から支持をいただけないと販売には結びつきません。

――これからも、家庭用ゲームで、こうした開発手法を増やしていく考えですか。

襟川氏: そうですね。お客様と一緒に製品開発するという方式は今後も採用していきたいと思います。2000年代初めぐらいからPCオンラインゲームがスタートして、その後ソーシャルゲームのビジネスを始めていますが、サービス開始前にお客様のご意見をいただくというプロセスがとても大切なことだと感じていました。家庭用ゲーム向けのパッケージタイトルでも、そういうプロセスはどんどん当たり前のことになっていくのではないかと思います。

[引用元:日経トレンディ

ごもっともなお話ですし、正論と言う他ない意見となっておりますね。最終的には、プレイする気にさせないことには始まらないのです。

で、何が気になったのかと言えば、体験版を複数回に渡って出すという事です。もちろん、それを否定する気はありません。クオリティを上げるための体験版ならば、どんどん出せば良いとも思います。

しかして、クオリティを上げる為の体験版をプレイして厳しい意見が集まると言う事は、「開発側の意図した楽しさが伝わっていない」という事になります。それはすなわち、プレイヤーに楽しさが提供できないモノを体験版として出したと言う事が言えてしまうわけです。まぁ開発側がプレイヤーの楽しさを上手く読み取って差分を埋めるための体験版だと言われれば、体験版というよりもアルファ版やベータ版という方がしっくりは来ますが。

確かに、討鬼伝の最初の体験版は到底面白いとは言いがたい出来映えでした。そんな再スタート待ったなし状態からプレイヤーの反応を見て改善していき、結果を残すくらいのタイトルに仕上げたという事は賞賛に値するでしょう。ですが、MMOではベータテストで飽きてしまったら本編をプレイするわけもありません。家庭用ゲームも同様に、そのうち何度も出てくるベータ版に飽きてしまう人が出てくるような気がしているのです。そういった意味で、開発側がプレイヤーの求めるところを的確に読み取って開発していくことこそ重要だとも言える気がしてなりません。

昨今では、一昔前では考えられないほど体験版が出るようになりました。それを判断材料に買う人も増えているとは思いますし、体験版が重要な事に変わりはありません。ですが、ゲーム内容を知りたいが為にプレイする人とベータだと分かってプレイする人がいるのを踏まえれば、たくさんの体験版が出てくると言うのは余り良い傾向とも思えない要素があるようにも感じられます。各メーカー様におかれましては、願わくばプレイヤーのニーズを上手く読み取りながら、確固たる面白さを提供していって欲しいモノですね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:コーエーテクモの襟川陽一氏のインタビューは色々面白かったんだけど、討鬼伝が3回に渡って体験版を出したというあたりでちょっとモヤッとしたモノを感じたのでアレコレ書いてみました。

しゃきーんさん:体験版というよりは、改善を前提にしたベータ版であるっていう話なのね。

しょぼーんさん:基本的には、ベータ版を何度も出して改善していくという工程を踏むのは良い事だと思うよ。でも、それを体験版としてたくさん出すというのは、ゲーム内容が知りたい人とそうじゃない人に分かれるから余り良い傾向とは思えないかなぁと。ついでに、何度もベータをやると飽きちゃう人もでてくるだろうし。……ま、どんな形であれど面白いと思わせる事ができる作品ならプレイする人はたくさんいるけどネー。

しゃきーんさん:それを作るのが難しいからメーカーは試行錯誤するんだろうよ。

連載:気まぐれゲーム雑記 第519回:体験版が数回に渡って出てくるのは良い事なのかどうか、考えてみたに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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