連載:気まぐれゲーム雑記 第177回:面白いゲーム作りの大変さが見えてきそう、と言う話題
気まぐれゲーム雑記
第177回:面白いゲーム作りの大変さが見えてきそう、と言う話題
開発する際にもっとも重要な事?
基本はソフトをもってハードを選ぶ
新ハードが出る際は、基本的にどのようなタイトルが出るかで購入の有無を決めます。
もちろん、最初からそのハードに未来を見出して買う人もいるとは思いますが、そういった人達は普通少数です。大体の人は、欲しいタイトルが出るからハードを買う、というのが自然の流れです。
つまりこれは、少々見方を変えると「ハードそのものに価値を見出す難しさ」というのが存在すると言えます。どんな優れたハードであれ、面白いゲームが出なければ買うきっかけを作りにくいのです。とはいえ、ハードは「より優れていれば面白いゲームが出る可能性は高い」と言うのも否定できません。それは、過去のPCゲーム達を見れば大体分かることでしょう。
そんなハードを牽引するために必要な面白いソフトですが、PLAYISMのイバイ・アメストイ氏が売れるゲームではなく面白いゲームを作るべきと語っている記事が掲載されました。詳しくはこちら。
まとめると次の様な感じ。
- Steamと「LA-MULANA(※インディーズゲームです)」の発売日を決めようと話していたら、「良いゲームはいつだって売れるんだから発売日なんて決める必要はないんじゃない?」と言われた
- Steamのような大手プラットフォーマーが実際にそんな思考を持っていた事に驚いた
- プラットフォーマーとの窓口をしていると「いついつまでに間に合わせないと売行きは怪しい」「他社から似たようなゲームが出るから急いだ方が良い」などという話が出て急がせる傾向がある
- プラットフォーマー兼パブリッシャーの場合は、自分達の作品の発売が近ければ、こちらの発売日を勝手に変更されることもある
- Steamの「まずは素晴らしいモノを作れ」という思考は素晴らしい
- 日本のゲーム会社にいた時は「ゲームは、まず売れないとだめだ」と言われ続けた
- 人がゲームを買う理由はそのゲームが面白いからなので、「売れないとだめ」ではなく「面白くないとだめ」と言うべき
- 面白さを作る上に、売れるモノを作ろうという条件をつけると、作る側と買う側の目的が離れてしまい、成功を収めにくい
- 面白い=売れないと言う縛りはどこにも存在しない
至極ごもっともな意見で、恐らく多くのユーザーはこういった展開を望んでいるのでしょう。
ということで、本日は面白いゲーム作りは大変そうだぁ、という視点でモノをみてみようじゃないかと思う次第です。
色んな尺度でみる
先ほども書いた通り、イバイ氏の言う事はごもっともな意見ですし、賛同できる内容です。ですがちょっと気になるのは、面白さは人によって違うと言う事です。
面白さは個人個人において異なります。FPSを面白いと言う人も居れば逆の人もいますし、売り手側としてはある程度「何が面白いのか」を把握しなければなりません。そういう意味で、売れる売れないというニュアンスの解釈も可能ではなかろうか? とは思うところです。
ついでに言えば、色々と予算の都合やら何やらが出てきてしまいます。もはや、ゲームはビジネスとして一大産業となっている以上、ビジネス的視点が求められてしまうのは仕方がない事です。たぶん、ここらへんが大手の開発側とユーザーの意識の違いでしょう。消費者たる我々は今のところ、企業が出してくるゲームを吟味するほか選択肢がないわけです。
日本でもKickstarterのようなサービスがあれば、多少は状況が変わってくるかもしれませんし、インディーズゲームがもっと出てくれば更に状況は変わる可能性が大きいです。インディーズゲームは、基本的にビジネス的な儲けを度外視しています。そりゃまぁ売れたら売れたで嬉しいでしょうけど、面白いと思えるから作っている人達が多い印象はあります。恐らく、大手企業よりもそこらへんは貪欲かもしれません。もちろん、大手企業でもそういった人達はいるでしょうけど、ビジネス……というよりもお金が絡むとどうしても人は「ある程度儲けが確保できる道」を選択してしまうものです。
イバイ氏の言うとおり、本当に大手が「面白いゲーム」を作ろうという動きを見せれば、今の日本にある「日本のゲームは終わった」的ムードを払拭する事ができるでしょう。ですが、そう簡単に舵取りをできるほどゲーム産業自体が軽快なモノではなくなっています。
ゲームは娯楽なので日常にとって必要ないものですが、あればあったで嬉しいものです。そこにビジネスが絡んできて一大産業を成してしまった今、娯楽であることの原点にどう立ち返るのかは難題とも言えましょう。今後のゲーム業界が、またはゲーム企業各社がどのように舵取りをしていくのか、生暖かく見守りたいですね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:わたくしが好きなPLAYISMのイバイ氏の記事が、中々に大切な事を言っているわけなので賛同したいんだけど、現実って難しいよねぇ……ってなお話です。
:なるほど。まぁ、ビジネスで儲けが云々ってなってしまった以上は、単に面白いからってだけで予算が出てくるわけないもんなぁ……。
:そーゆーことですな。もちろん、そういう単純な理由で生まれたゲームもあるし、今だって面白いゲームが多々あるんだから一概にそうしろってわけじゃないんだけどね。んでも、ビジネスとか大企業でのしがらみというのはコントロールが難しいってのを露呈してるってな事じゃなかろうかと。……インディーズに期待してるのはそういう部分なんだけどネー。
:今のゲームだって十分面白いのはあるしな。でも、続編モノが多かったり何だったりする大手の現状ってのは、中々難しい問題だらけに思えるわ。……そういう意味じゃ、インディーズは最初からそういった問題が少ないのかもな。
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