連載:気まぐれゲーム雑記 第97回:アメリカゲーム誌が選ぶ2012年のトップ10デベロッパー、と言う話題
気まぐれゲーム雑記
第97回「アメリカゲーム誌が選ぶ2012年のデベロッパートップ10、と言う話題」
時代の流れ……かもしれません。
日本とアメリカの違い?
日本に比べると、海外のゲーム開発企業(デベロッパー)は随分と多いです。
とはいえ、それが「どの国のデベロッパーか」というのもありますので、一概に海外といってもピンキリではあります。それでも、日本に比べるとPCゲーム市場が根付いている海外の方が、独立系開発企業は多いという事に間違いないでしょう。
そんなゲーム開発企業ではありますが、アメリカのゲーム誌「Gamasutra」で今年活躍したトップ10のデベロッパーが公開されました。詳しくはこちら。
選考基準は、業界の編集者が選んだモノとなっていて、売れたゲームを作っただけではなく、一年間で良い方向へと導く事ができたところが選ばれたようです。トップ10をまとめちゃうと以下の通り。
- Cactus
プレイヤーが払いたいだけ払う「Pay What You Want」システムを導入し、海賊行為を容認するなどで注目 - Cygames
神撃のバハムートで、ニッチなコアゲーマーから高い収益を得ることで成功 - Double Fine
クラウドファンディングの先駆けとなった - King.com
フェイスブックでナンバー2の地位に上り詰めた - Christine Love
日本スタイルのビジュアルノベルを西欧に紹介 - Obsidian Entertainment
ユーザーに常に情報を提供し、チームの一員であるように感じさせる - Supercell
MOタイトルで大失敗しながらも、その後iOSで大ヒットをした - Telltale Games
エピソード毎に販売するビジネスモデルを「The Walking Dead」で成功させる - ThatGameCompany
風の旅ビトのような独創的ゲームを出した - Ubisoft Montreal
アサシンクリード3、ファークライ3、Watch DogsなどトリプルA級タイトルを作るスタジオ
何とも個性豊かなレパートリーになっていますね。
というわけで、本日はこういったデベロッパーが選ばれるのは市場が変化したからかなーという話題を書いていこうかと思います。
分類してみる
まず、トップ10を大きく3つにわけてみます。個人デベロッパーが最も多いであろうPCゲーム、スマートフォンやタブレット端末によるソーシャル系ゲーム、あとは従来通りのコンシューマーゲームとそれらを複合的にやっているデベロッパーです。
PCゲームには、Cactus、Double Fine、Christine Love、あたりでしょうか。
これらの特徴は、大体ユーザー達がゲーム開発を支える形となったタイプのデベロッパーです。特に、クラウドファンディングは今最もホットな集金方法でしょう。日本だと、ゲーム開発に関してのクラウドファンディングの成功例はありませんが、今や次世代機であろうとPCの方が性能を上回る時代に、PC市場が広がりをみせないわけがない……と思いたいので、事例もそのうちできてくると……嬉しいですねぇ……。
ソーシャル系ゲームには、Cygames、King.com、Supercellでしょうか。
とくにCygamesは日本にある企業で、TVCMでもよく見かける「神撃のバハムート」でも知られています。ユーザーからはソーシャル系の善し悪しが色々あるでしょうけど、こういったソーシャル系企業もちゃんと選ばれると言う事は、間違いなくそういった時代でもあると言える事です。最近だと、ゲーム市場とは似て非なる市場にも見えますが、やはりゲームという括りなら一緒のモノなのでしょう。……何とも難しいラインです。
あとのデベロッパーは、PCやPS3、360、iOSなど複合的に手を出しているデベロッパーです。
UBIさんだけはトリプルA級タイトルばかりを出しているスタジオなのでさておいて、他は個性あるタイトルを出している事でも知られています。The Walking DeadはVGA2012でも選ばれたタイトルですし、風の旅ビトは日本でも多くのプレイヤーを魅了しました。特徴としては、尖った作品である、といったところでしょうか。
そこからみる2013年は?
今や、PCゲームだとクラウドファンディングによって多くのメジャークリエイターが作品を出そうとして集金を始めていますし、ソーシャル系はいち市場を作り出しました。また、複合的に開発されているデベロッパーは、どれも尖った作品ばかりです。
これらに共通していえるのは、何かしら他の企業とは一線を画した何かができるかどうか、という点です。それは経営において、非常にハイリスクでありながらも、ハイリターンであると言う一面も持ちます。時代の流れを読み、そのハイリスクハイリターンを選び取る決断ができるかどうか、とも言えるでしょう。
2013年には、クラウドゲーミングの時代が到来するかもしれないし、Wii Uのゲームパッドを使った革新的なゲームが出る可能性もあります。また、注目といえば次世代機の事もありますし、高騰する開発費にどう立ち向かうのかといった側面も忘れてはいけません。
どういったタイトルを持つデベロッパーが入ってくるかはまだまだわかりませんが、2013年も国内外問わずに色々と良い話題が出てくれると嬉しいですね!
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:海外だと今年のデベロッパートップ10みたいなのが発表されてたから、何となく思う事を書いてみました。
:まぁ、色々あったってことだよな。
:やっぱり、クラウドファンディングとクラウドゲーミングが話題性あったように思います。日本だと、クラウドゲーミングの方しか話題になってないけどね。……日本だとPC市場がアレだからなぁ……。
:次世代機次第では、PC市場が不死鳥の如く……というのは流石に夢のまた夢か……。