連載:気まぐれゲーム雑記 第77回:クラウドファンディングは日本で流行る……? と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第77回「クラウドファンディングは日本で流行る……? と言う話題」

日本でもインディーズ時代が到来……したら素敵だなぁ……。

クラウドファンディングで成功した漫画

本日は、ゲーム単体のお話じゃなくて、漫画と絡めてお話していこうかと思う次第です。とはいっても、別に漫画について詳しくないとわけわからん、などという話ではないのでご安心を。

何はともあれ、当ブログでも何度か取り上げているクラウドファンディングをご存じでしょうか?
言葉にすれば「不特定多数の人から資金を集める行為 by wiki」と言う事だそうです。まぁ、ちょっと分かり辛いかもしれませんが、海外の新しい据え置き機として注目されているOuyaもそうですし、フォールアウトの前身とも言える「Wasteland」の続編を作ると言って資金を集め無事プロジェクトが開始された「Wasteland2」もその一つです。
要するに、クラウドファンディングとは、無名であれ有名であれ、誰かが立ち上げたであろうプロジェクトに共感できるモノがあれば、ファンないし一般ユーザーが資金援助を行い、それを開発にあてるいう資金収集方法です。大抵、資金援助をした方には、何かしらのメリットが生まれるようになっています。もちろん、生まれない場合もあります。

で、その「クラウドファンディングを使って自分が書いた漫画を連載するという事に成功した漫画家さん」が出ました。その先生の名はうめ先生。主な作品は「大東京トイボックス」や「南国トムソーヤ」など、現在月刊コミックバーズや月刊コミック@バンチでも連載を持っている方です。詳しくはこちら
クラウドファンディングの対象作品になった1話目を読みたい方はこちらからPDFを落として見て下さい。
見ない人・見られない人に簡単にご説明しますと、漫画のタイトルは「スティーブズ」と言います。内容は、あらゆる意味で天才と呼ばれたスティーブ・ジョブズに、アップルI・IIを開発した天才エンジニアのスティーブ・ウォズニアックと言うアップルの創立者2人をベースに作られたフィクション漫画です。……上手いところを突いてきますね。

クラウドファンディングを見る企業

このうめ先生によるクラウドファンディングは、「開始から2時間で目標を達成する」事になります。目標額は50万でしたが、現時点でもまだ伸びていてすでに100万を超えています。漫画家さんとしては、新しい原稿料の集め方と言えるでしょう。また、企業向けにスティーブズの連載優先交渉権も10万円で売っていたのが非常に上手いです。

その話に飛びついたのは星海社。ゲームでもよく知られている「ひぐらしがなく頃に」や「Fate/Zero」「ダンガンロンパ」などの小説版を出した会社です。また、新人賞でも常に辛辣なコメントを出すところとしても有名で、WEBを中心に動いている出版社でもあります。

星海社がどういう形でスティーブズを連載化するかはわかりませんが、電子書籍で配信しながらも、もしかしたらWEBサイト上に載っけてくるかもしれません。現に、最近星海社が仕掛けた渡辺浩弐氏の「2013年のゲーム・キッズ(WEBエディション)(ホラーなので注意)」で驚いた人も少なくはないでしょう。
……あ、知らない人の為に一応説明しておきますと、WEB上ならではのプログラムを使った表現で多くの人を驚かせる(怖がらせるとも言う)事に成功した、というものです。あと、ホラーとか苦手な人は見ない方がいいです。ちなみに、管理人はブラウザのスクリプトを切っている派なので、何ら問題ありませんでした。……これが本当の意味でのセキュリティ、というオチで……。

インディーズがクラウドファンディングに乗り出すための条件

話を戻しまして。
なんやかんやと、うめ先生を例にクラウドファンディングが成功し、作品が世に出るという流れを説明してきましたが、インディーズゲームでこの一連の流れをやろうとすると、中々に大変です。特に必要なのは条件でしょう。

恐らくは、ある程度著名である事が条件に入るとは思いますが、とりわけ重要視されるのは「実績」や「実力」であるのは間違いないことです。言わば、子供のような「自分の考えたゲームこそ最高」と妄想で終わってしまっている人は、到底成功しません。逆に、インディーズでも「メゾン・ド・魔王」を開発した「プチデポット」(ゲーム開発サークル)さんのように、インディーズだからこそ作れたという世界観や演出をしてくるゲームこそ支持されやすいかもしれません。Mine Craftもそうでしたしね。

今後、クラウドファンディングが日本で流行るかどうかは流動的です。なにせ、ユーザーは気まぐれですから。ですが、これぞ! という作品を一度でも世に出した事がある人ならば、企画さえ上手ければ通るような気がしてなりません。そこにユーザーが乗るか反るか、と言うヤツです。我こそは、と思える方はぜひ、クラウドファンディングでインディーズゲームを開発してみて欲しいですね!

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:何やら漫画家さんがクラウドファンディングに成功したっていうのが話題になっていたので、インディーズゲームでも成功しないかねぇ? という話題をしてみました。

しゃきーんさん:クラウドファンディングって難しそうだな……。

しょぼーんさん:まぁ、ユーザーが支援する分、ユーザーは辛口になるからね。でも、これこそが本来のクリエイターの在り方なのかもしれない。……まー、すでに娯楽産業っていうビジネスになっている以上、クリエイターの定義って難しいと思うのダヨネー。

しゃきーんさん:クリエイターであれど、金勘定ができなけりゃ話にならんわけだし、さじ加減は難しいってことだよなぁ。日本からクラウドファンディングで成功したっていうタイトルが生まれてくれれば、その後も続いていくかもしれんのだが、流石にどうだろうか……。そういう文化的なモノができてくりゃいいんだがな。

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