連載:気まぐれゲーム雑記 第13回:CEDEC 2012の1日目に見る感想
気まぐれゲーム雑記
第13回「CEDEC 2012の1日目に見る感想」
どれも素敵な内容ばかりなのです。
ゲーム開発者向けのカンファレンス
最近、Gamescomでも各社のカンファレンスがあったばかりですが、そもそもにカンファレンスとは、なんぞや? と思った事はありませんか?
カンファレンスとは、会議の意味です。とはいっても、じゃあMeeting(ミーティング)と何が違うのかといえば、基本的にですが専門的な事を話し合ったり協議したりする場、としての会議という意味合いが強いです。カンファレンスにはそういう意味が込められています。
と、いうわけで。本日の話題はコンピューターエンターテイメントデベロッパーズカンファレンス、通称「CEDEC」の話題です。今年は「CEDEC2012」と言う事になります。
なんじゃそりゃ? と言う人のために一言で説明すると「ゲーム開発者達の、ゲーム開発者達による、ゲーム開発者達のための会議」と言う事です。それが、8月20日から22日までの期間で開催されています。
今年のCEDECは、基調講演などセッションが総数209あります。そりゃもう、色んな人が色んなテーマに沿ってお話をします。とはいえど、全ての感想なんてとても書けないので、まずは2つ取り上げてみます。
ゲーム開発に対するアプローチの方法
まずは、スマブラシリーズで有名な桜井氏のテーマ「あなたはなぜゲームを作るのか」というお話から。カービィやスマブラの制作者でもある桜井氏は、初のCEDECに出席した事もあり、かなり注目されていましたが、4Gamerさんがもの凄く詳しく記事にしていますので、そちらを参照してみて下さい。
要約してしまうと、自分達はゲームを開発するスペシャリスト(開発者達の集まりの講演なので)なのだから自己満足で作らず、時代のニーズを考えながら社会に対して自分がどういった役割を持てるか(持っているのか)をゲーム業界以外も含めて考えて、その時代と得意な事を考慮しつつ自分の役割(得意な事)を磨いていって欲しい、というお話です。
もの凄く長いですが、開発者を目指したりそういう話に興味がある人にとっては、素晴らしい内容になっていると思います。
恐らくは、桜井氏の得意な事は「もの凄く丁寧に、かつ論理的にその時代のニーズを捉える事ができる」という事に思います。
カービィは、当時コアなゲームばかりが主流になりつつあった現状に懸念をして初心者向けに作られた事や、スマブラも複雑化の一途を辿っている格闘ゲームに一石を投じるため、あのようなゲームシステムになったと語られています。
丁寧にするだけでも、その時代のニーズを捉えるだけでもダメで、そこにあるのは論理的根拠となるもの。つまり、周りも納得できる妥当性(ロジカルな発想ということ)が必要になると言える気がします。……それこそ、ロジカルな考え方ですね。
東京ジャングルな発想
また、もう一つ東京ジャングルがなぜ成功したか、的なテーマで開発元クリスピーズのディレクター片岡氏がセッションを行いました。詳しくはこちら。
要約しますと、「PlayStation C.A.M.P!のジレンマ」(斬新すぎてシステムを理解してもらえず売れない事の意だそうです)に悩みつつも、シンプルにモノを考え、据え置き機での問題をあぶり出し、そこを解決する作品に仕上げて、なおかつ自分達のやれる事は従来のやり方にとらわれずやったお陰、という内容です。
東京ジャングルの場合、誰でも好きであろう動物と、荒廃した世界をテーマにすることで、ジレンマを解決したそうです。それに、操作性の複雑さやマンネリといった据え置き機の懸念される要素も回避するように考え、未開拓の市場を獲得するようにしていったようです。
……ゲーム的なマンネリの回避ができたかどうかはさておいて(どの動物も同じような事をするので……)、未開拓の市場の獲得には成功したような気はします。余り類を見ないジャンルですし。
この東京ジャングルの場合、企画を考える上で当たり前といえば当たり前な考え方で企画を練られたようですが、先述の桜井氏の記事を見ていると、ゲーム開発の方は基本的に自己満足で作る方が多いような印象を受けます。
確かに、自分がこんなものを作りたい! というものを作りたい願望は誰にでもあるでしょうし。そして、自分が面白いのだから他の人にとっても面白いに違いない、という発想に行ってしまいがちになる……のかもしれません。そういう意味では、東京ジャングルは上手く昇華できたのではないでしょうか。
CEDECは、ゲーム開発者達のカンファレンスなので、たまにはこういう裏話的なお話をいちユーザーとして読んでみると、よりゲームを楽しめたり好きになれたりする……ような気がしてなりません。
また、本日の午後7時30分頃から、CEDEC AWARDSの授賞式が各部門からあり、明日22日の閉幕までCEDECは続いていきます。興味のある方のセッションや話題が出たら、ざっと一読してみるのも良いかもしれませんね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:CEDECが先日から始まったんだけど、中々興味ある記事だったのでご紹介です。
:ふむ。これならいつもに比べてわかるわ……。
:まぁ、桜井氏の事は出来る人と出来ない人がいるだろうし、そういうロジカル的なものよりも直感を信じるって人もいるかもしれないから、何ともいいがたいところだろうけどね。……とどのつまり、どんなモノだろうと面白ければユーザーとして言う事は何もないんだよねぇ……。
:なんというか、根も葉もないことばかり言ってるな。貴様は……。
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