連載:気まぐれゲーム雑記 第143回:Wii Uの低迷はユーザーが無理解だから? らしい、と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第143回「Wii Uの低迷はユーザーが無理解だから? らしい、と言う話題」

意見は色々なのです。

物好きで申し訳ない

Wii Uが年明けから華麗な失速を見せたのは、もはや周知の事実です。
そこらへんは任天堂の決算で岩田社長自身が述べたことですし、当然ながら任天堂には頑張ってもらいたいモノですが、現時点では発売日がしっかり確定しているビッグタイトルは見えず、レイマンのマルチ化もあってか中々に混迷を極めている状態です。次なる一手はどういったものになるのか、ニンテンドーダイレクトなり何なりが注目されるところですが……。

そんなWii Uですが、ビジネスジャーナルに「任天堂Wii U低迷の理由はユーザの無理解?SNSにユーザ奪われる王者の誤解」と中々に辛辣な見出しの記事が掲載されました。詳しくはこちら
まとめると次のような感じです。

  • Wii Uは3週間で失速
  • 2014年3月期は営業黒字1000億を目指すとしているものの、ゲームアナリスト曰く「1000億円以上の営業黒字なんて寝言としか思えない」
  • ゲーム関係者曰く「3週間のWii U人気は任天堂ファンと初物好きユーザーによるもの」
  • 一般ユーザーには魅力もインパクトもなかった
  • 岩田氏は「Wii Uは既存のゲーム機に比べ、革新的な面白さが伝わりにくい」と記者会見で述べたが、見方によっては「進歩的すぎた欠陥品」である
  • 岩田氏曰く、Wii UはPR不足
  • テレビとWii Uゲームパッドの2画面で新しい体験を提供できるのがWii Uの革新性だが、こうしたコンセプトや革新性をユーザーが理解出来ないから売れない、と岩田氏は考えているようだ
  • ゲームアナリスト曰く「革新性を理解できないユーザが悪いと言わんばかりの自己陶酔的な販売不振要因分析で、ゲーム市場の潮流が見えていない」
  • 任天堂は、プラットフォーム戦略をガラパゴス化させ、同社のビジネスモデルを環境変化に追随できなくさせている
  • 任天堂、ソニー、マイクロソフトがシェア争いをしている間に、ソーシャルゲームが台頭してきた
  • ソーシャルゲームはハードを問わない汎用的なプラットフォームであるため、ゲームユーザーからすればいつでもスマホで安くゲームができる
  • テレビのある場所でしか遊べない不便さから解放されたと言える
  • ゲーム業界では、プラットフォームはピンポイントに「質を維持する」よりも、品質にばらつきがあっても「量を抱える」方が、ユーザーの多様なニーズに応えられるという考えにシフトしている
  • 任天堂は、ゲームソフトを単品売りするだけでサービス化していない
  • ソーシャルゲームやアプリは、無料や安値で利用出来るサービスがたくさんある
  • ゲームの新しいユーザーを開拓した任天堂だが、今はそのユーザーがソーシャルやスマホの草刈り場になっている
  • ゲームアナリスト曰く、任天堂はもはやゲーム業界を代表する会社ではなくなりつつあるし、今後は狭いゲームニーズを満たすための企業に転落する可能性すらある
  • それでも岩田氏は、クローズドな戦略の優位性を強調している

こういう記事でお馴染みのようにでてくるゲームアナリストやゲーム関係者ですが、せっかくの記事なのですからどなたなのかをしかと明記しておくと信憑性が増していいかもしれません。あと、別にわたくしは初物好きではありませんが、Wii Uのブラウザがどうなのかどうしても知りたくてWii Uを購入した物好きです。……なぜだかわからないけど何となく申し訳ない気分になりました……。
というわけで、今日はそんなクローズドプラットフォームとかオープンプラットフォームなお話をしてみようかと思う次第です。

どこを善しとし、どこを悪しとするか

記事はかなり辛辣な内容で、任天堂批判寄りであるには間違いありません。ですが、それもWii Uが順調にうれていなかったり、営業赤字を出している現状では、仕方がない事とも言えますし、批判だからといってすべてが間違っているわけでもないのです。
この話は極論を言ってしまえば、クローズドプラットフォームが良いのか、オープンプラットフォームが良いのか、という話になります。どちらが良いのかは、見ている視点によって話が変化するでしょう。

クローズドプラットフォームは、いわゆる囲い込みです。わかりやすい例は、やはりアップルでしょうか。今は亡きスティーブジョブズは、アップルによるクローズドプラットフォームを実現させようとしました。まぁ、OSの勢力図を塗り替える事は不可能だったので結局iTuneをWindowsでも公開しますが、その結果は誰もが知っているとおり、iPodが携帯音楽プレイヤー市場を席巻しました。もちろん、iPodが製品としてのクオリティが高かった事は言うまでもありません。
これをゲームハードに当てはめてみれば、大体の事はわかってくるでしょう。

それに対してオープンプラットフォームは、構造システムや技術仕様を公開したプラットフォームを指します。例えば、グーグルが開発した「Android」はオープンプラットフォームです。技術仕様が公開されているので、それ相応の知識があれば個人でもアプリケーションを作ることも可能になっています。今ソーシャルやらLINEやら何やら色々無料っぽい何かが席巻していますが、それらは技術公開されている賜物でもあるわけです。

さきほども書きましたが、これらはそれぞれに善し悪しがあります。
クローズドプラットフォームの場合、成功すれば多くのユーザーを独占的に抱える事ができますが、失敗すると自滅します。かつてアップルが消滅寸前までいったのはもはや古い事ですが、アレはアップルがあくまでもクローズドプラットフォームにこだわったためでもありました。
一方で、オープンプラットフォームは気軽に参戦できますが、ビジネス面でみれば価格競争や質が懸念されるでしょう。また、企業はしっかりと時代の流れを読んで上手く立ち回る必要があり、失敗するとあっという間に経営危機になってしまいます。例えば、フェイスブックのソーシャルゲームで名を挙げたジンガは、現在経営的に危ぶまれているところで、日本支社は閉鎖されてしまいました。

クローズドにオープン、一概にどちらが良いとも言えませんが、時代はオープンプラットフォームに動いています。その中で、ゲーム専用機は基本的にクローズドなものなので、どのようにしてユーザーとゲーム機を繋ぐかが重要視されます。苦戦が強いられているWii Uではありますが、まだ発売から3ヶ月です。1年後はどうなっているのかを楽しみにしたいですね。……ソニーやマイクロソフトの次世代機も合わせて、ですけど。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:クローズドプラットフォームとオープンプラットフォームの話が出ていたので、乗ってみることにしました。

しゃきーんさん:ふむ。どっちが良いかはよくわからんが、勝てば官軍ということで結果待ちじゃね?

しょぼーんさん:ま、その通りなんだけどね。ふと思ったのは、Wii UのMiiverseでやりたいことは、アップルのiTuneとiPodみたいな関係なんだろうなぁと。MiiverseをPCやスマホでも閲覧できるようにするってのはそういう感じに思いました。……ま、なんにせよゲーム専用機は専用機なりの需要があるので、頑張って欲しいモノです……。

しゃきーんさん:そこにソニーやマイクロソフトの次世代機も入って来たら、もうわけわからんな……。何が飛び抜けてくることやら……。

連載:気まぐれゲーム雑記 第143回:Wii Uの低迷はユーザーが無理解だから? らしい、と言う話題に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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しゃきーんさん

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