「Transistor」のレビュー:ストラテジー要素により直感でプレイするよりも“考える必要が出た”秀逸アクション

気まぐれゲーム雑記
連載:「Transistor」のレビュー:ストラテジー要素により直感でプレイするよりも“考える必要が出た”秀逸アクション

秀作と呼べるインディゲーム

この路線はドンドン突き詰めて欲しい

AZです。洗濯物を干していると手がかじかむので、早く春になって下さい。

さて、日本でもPS4で配信が予告されている「Transistor」ですが、配信直前ということでPC版のレビューを書いておく事にしました。ちなみに、今ならPC版だと日本語は公式でサポートをしているわけじゃないようですが、変則的に日本語で起動する事は可能です。

Transistor

日本語で動くのです

本作は、ゲームの冒頭で女性主人公レッドを助けた男性の身体に刺さっている“Transistor”という剣を引き抜くところから始まります。その後、レッドを助けた男性のイケメンボイスが“Transistor”から聞こえてきてゲームが進行していく事になりますが、何故聞こえるのかと言えば“Transistor”には人の記憶や意識などを取り込む力があるためです。その力を使いながら、ストーリーを進めていく過程やレベルアップによって多くの意識や記憶を取り込んでファンクション(機能)を増やし、それらを戦闘スキルとして設定して戦うアクションになっています。そのファンクションの組み合わせを考えるのも、楽しめる要素の一つと言えるでしょう。

Transistor

ファンクションが揃っていくと考える幅も増えます

そんな本作の大きな魅力は2つ。一つは、レッドが女性ミュージシャンという設定になっているが故に、そのサウンドや醸し出す近未来の世界観が非常にマッチングしているという事。ストーリーは6~8時間程度とボリュームが多いとは言いがたいですが、音楽を含め雰囲気が非常によく作られています。海外ゲームらしく、説明が抽象的ですし近未来の設定なので分かり辛い部分があるのも否定はできませんが、女性主人公ながらに没入しやすい世界観です。タイトル画面でさえ、オプションなどは一切存在せずにボタンを押したら即ゲームスタートなあたりは、世界観を作るという事だけに徹底した印象さえあります。

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「鼻歌を歌う」というボタンが存在します

もう一つは、そのゲームシステム。画面その物は典型的クォータービューのアクションになっていますが、一番の特徴は“Turn()”という能力です。“Turn()”は、リアルタイムなアクションの時間を停止させ、アクションゲージが続く限りあらゆる行動を予約する事ができます。アクション単体だけでは切り抜けられない局面が多々ありますし、かといって“Turn()”は消費したアクションゲージに比例して再始動させるのに数秒かかる設定になっているため、乱発は不可能です。リアルタイムのアクションと、時間を止めながら限られた行動範囲内で戦闘を行っていくストラテジーのような要素が上手く混ざりあっています。まさに、ありそうでなかった類のアクションではないでしょうか。

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某漫画の「時よ止まれ」的な感覚が楽しめます

よくあるインディゲームに見受けられるとおり、ボリュームはそこまで多くもないですし、一度出現した場所では敵が再出現する事はないのでレベル上げも不可能(周回プレイは可能)など、粗い部分があるのも事実です。ですが、世界観は非常に優れたモノに仕上がっていますし、何より“Turn()”のシステムによって通常のアクションに比べてしっかりと「考える」事が求められる事こそ、本作一番のウリとも言えるでしょう。日本ではまだまだ話題になりにくいインディゲームではありますが、本作は日本でも受け入れやすい絵柄ですし、是非話題になって欲しい限りですね。


公式がサントラ全曲をYouTubeにアップしておりますので参考までに

本作を楽しんでできるであろう人

  • ちょっと変化球が効いたアクションがしてみたい人
  • アクションも好きだけど、ストラテジーも好きな人
  • インディゲームに興味がある人
  • 音楽や世界観が良いゲームに興味がある人
  • 近未来やサイバーな世界観に耐性がある人
    (要するに、多少わけのわからない用語で説明されても何となく解釈できる人)

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:そんなわけで、「Transistor」が日本でも配信されるみたいだからPC版のレビューをしたよーってなお話です。

しゃきーんさん:Steamのセールでも安かったしな。

しょぼーんさん:一言で言えば、インディゲームとして注目されるくらいには秀作だと言える作品だね。ボリューム不足は否定できないけど、PC版からすれば価格相応なわけだし、世界観のためだとは思うけど極力煩わしいモノを省いたのもスゴイ作りだと感心しきり。キモとなる“Turn()”のシステムも、一風違ったアクションになってすこぶる楽しめました。……ほんと、こういう一作が話題になって欲しいねぇ。

しゃきーんさん:インディゲームが少しでも話題になる事を願いたいモノだな。

「Transistor」のレビュー:ストラテジー要素により直感でプレイするよりも“考える必要が出た”秀逸アクションに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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