連載:気まぐれゲーム雑記 第1098回:Steamで自作自演のレビューをしたとしてゲームが削除された件

Steam

何はなくとも自作自演はダメ

レビュー対策が機能しているのは間違いなさそう

AZです。当たり前ですけど、お金がないとゲームも買えなければモノも買えないわけで、そのお金を稼ぐ行為によって経済が回っているのだなぁと思わせる案件が多すぎると思う昨今であります。

それはさておき、Steamで販売されていたゲームを開発者が好意的な自作レビューしてストアから削除される、という珍事件が起きております。

プラットフォームSteamを運営するValveは1月18日、ステルスアクションゲーム『Art of Stealth』をSteamストアから削除し、開発者であるMatan Cohen氏との契約解消を発表した。

削除と契約解消の原因となったのは、開発者自身のSteamストアにおけるレビューの工作行為。Valveによると、Cohen氏は複数のアカウントを使って自ら『Art of Stealth』にポジティブ(オススメ)レビューを投稿していたのだという。『Art of Stealth』は2017年1月12日から販売開始されていたが、1週間も経たずにストアから消えてしまった。

~中略~

実は『Art of Stealth』が話題にのぼったのは今回が初めてではない。リリース開始直後の1月14日にJim Sterling氏から手厳しい批判を受けている。Jim Sterling氏は辛口で知られているゲーム批評家だ。氏はさまざまなタイプのゲームを評価しているが、特に完成度の低いゲームタイトルを痛烈に批判するパフォーマンスが人気を集めている。Jim Sterling氏は『Art of Stealth』をプレイする動画を投稿し、動画内では「信じられないほどひどいゴミ」と吐き捨て「年始めにしてクソゲーオブザイヤーの有力な候補と出会ってしまった」と毒づいている。Sterling氏はYouTubeにて登録者を40万人以上抱えており、そうでなくとも数々のメディアに寄稿しており、カリスマ的人気を誇る。彼の後を追うようにさまざまなユーザーが『Art of Stealth』をこき下ろす動画を投稿し始めた。

[引用元:Automaton

なんというか、難しい話題ですねぇ……。

レビューに関しましては、1年前くらいに日本でもSteamストアからゲームが削除される、といった事案が起きたわけですが、あのときはクラウドソーシングでレビュー依頼をするというステマ疑惑が発覚していました。今回のモノは、それとは違って自作自演であるということで、何ともアレな感じがしないこともありません。

とはいえ、YouTuberの話題もちょっと見逃せないところで、インディーゲームになればなるほど有名YouTuberの評価が影響するのも間違いないでしょう。どうも記事だけを読んでいると、有名YouTuberのパフォーマンスを含めた批判を皮切りに“誰もがけなしていい”みたいな流れがあったようにも思えてしまうところがあって、個人が“つまらない”と感じたモノを“つまらない”と言うのは何ら問題ないわけですが、その波に誰もが乗っかるというのは何とも言いがたい気分になるところはあります。いや、実際多くがつまらないと評した場合、もはやどうにもならないのですけれども……。

一方で、こういった話題を見ると、最近も「日本のゲーム評価は、ちょっと気に入らない点があると極端に低い点数を付ける人が多く、スコアが異常に下がる。他国へも悪影響あるし、海外で高評価だと日本国内の評価も高くなるから、リリースは海外優先になる」なんてが出たのですけれども、そりゃどの国であろうとみんなお金を出してゲームを買うのが当たり前であって、その人にとってつまらなければ「つまらない」というのは当然でもあるわけです。もっとも、点数を付けるレビューの場合は、根本的な問題としてシステムに限界があるので、今後もそのシステムを使いたいならアレコレ改良していく必要はあるとも思いますが。

話を戻しまして。件のゲームはSteamから削除されましたが、ゲームのレビューというのは概ねプレイした人の“主観”である事に間違いはありません。それを開発者自らが印象操作しようとするのは、愚の骨頂です。レビューは、その人の主観だからこそ、価値がある。ですが、その主観がいくつも集まった結果として、「客観的のような評価」ができあがるのも間違いはないでしょう。しかして勘違いしないで欲しいのは、その「客観的のような評価」をもって他人に「意見を押しつけてはいけない」という事です。客観的のような評価が低くても、それを面白いという人はいますし、逆も然りです。もちろん、「客観的のような評価が低いというのがわかった上で面白いと思っている(もしくは、その逆)」という形が、周りの反応も理解できているという意味において、一番望ましいとも思いますが。

以前から、当ブログは「ゲームをして良いモノは良い、悪いモノは悪いとみんな好きなように語ろうぜ?」的な事を書いているわけですが、どなた様も開発側や周りの声などは一切気にせず、しっかりとお買い上げの上、「ゲームは完成した娯楽品」として“自分で”評価して欲しいと願ってやみません。今後とも、多くの人が「面白い」「つまらない」でゲームを語ってくれる事を期待したい限りですね。

……かく言うわたくしめは、色んなレビューを必死に書いておりますので、何卒ご容赦いただければと強く願う次第でありますです、ハイ……。

連載:気まぐれゲーム雑記 第1098回:Steamで自作自演のレビューをしたとしてゲームが削除された件に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:Steamで自作自演のレビューをしたとしてゲームが削除されたらしいんだけど、このお話で気になったのは2点で、1つはレビュー対策のシステムが機能した案件だってこと。あと1つは、ちゃんとゲームして評価する人達ってどれくらいいるのかなぁ、と。

しゃきーんさん:まぁ、レビューについては色々思うところもあるからなぁ。

しょぼーんさん:わたくしは、つまらんと思ったらつまらんって書いて良いと思っておりますよ。んでもって、なんでそう思ったのかは理路整然としているべきだ、とも思うのです。当然逆も然りで、それでいてお互いの意見を許容しあえるのが理想だよね。まぁ当ブログにさえ人格否定な意見が飛び交うのだから、所詮は理想だし世の中そんなうまくいかないというのも痛感するわけですけど。……でもそんな事はさておいて、みんなゲームをやって色々と面白いとかつまらないをたくさん語りまくろう?

しゃきーんさん:ま、遊ばないことにゃ語る資格もないだろうしな。

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