連載:気まぐれゲーム雑記 第858回:スパイク・チュンソフト曰く「プレイ動画は1つのメディア」

プレイ動画で構築されるメーカーとプレイヤーの関係

プレイ動画を作れる環境がどれだけ増えていくか

AZです。普段からほめたりマイルドタッチに書くことを得意としてきた身ですので、先日書いた「ラングリッサー リインカーネーション −転生−」のレビューが結構辛辣で驚かれた方もいらっしゃるとは思いますが、あれでも多少はマイルドに頑張った方なのです。……いやほんとに。

それはさておき、スパイク・チュンソフトのマーケティングである竹内氏と内田氏がプレイ動画のあり方について答えています。

竹内氏:
 当時は,まだどこのメーカーも「個人のプレイ動画」というものを公認していなかったと思いますので,かなり業界では驚かれましたね。弊社が公式に許諾したことで,ユーザーさんも「え,いいの?」といった反応が目立ちました。

内田氏:
 メーカー主導ではなく,えどふみさん(ニコニコゲーム実況チャンネルの出演者)から働きかける形になったのも,あまり堅い雰囲気にならずにちょうど良かったのか,予想以上に盛り上がりましたね。
 実は,えどふみさんから番組のお話をいただいたとき,弊社としてもプレイ動画をどう扱うべきか検討していたんです。注目していたとはいえ,いきなり勝負に出るのは怖かったということもあり,NGCのおかげで段階的にステップを踏むことができました。
 その成功例があったので,「プレイ動画は1つのメディア」という認識になりまして,どんどん推奨しようと。2013年に発売した「テラリア」(PS3版)でも,ニコニコ動画で実況プレイ動画を募集するといった企画を仕掛けました。

~中略~

4Gamer:
 先ほど,「風来のシレン4 plus」でプレイ動画を初めてプロモーションに活用されたという話をされましたが,どういった点でメリットがあると思われたのでしょうか。

内田氏:
 新しいタイトルをリリースするとき,我々はお金をかけてプロモーションに取り組みますが,どうしても声が届かない人達が存在します。そういったところに,自然な形でゲームの情報を届けられるのが,プレイ動画のメリットだと思いました。

竹内氏:
 「テラリア」や「不思議のダンジョン」シリーズといったタイトルの場合,ユーザーさんによってゲームの遊び方や楽しみ方が全然違います。「こんな遊び方がある」「こんなこともできる」といった幅広い面白さを伝える手段としては,多くのユーザーさんが遊んでいるところを見られるプレイ動画のほうが,我々から一方通行で情報を出すよりも効果的だと思いました。

~中略~

4Gamer:
 なるほど。  その一方で,デメリットを感じたことはありませんか。 内田氏:
 デメリットとして実感したことはないですね。確かにアドベンチャーゲームにおいて,ネタバレになるようなプレイ動画は困ります。だからといって,ただ潰すのではなく,できるだけ妥協できるラインを探って,ユーザーさんの楽しさを最大限にするため,最小限のルールを設けたいと思っています。

竹内氏:
 ネタバレになるようなプレイ動画が存在することで,セールスが下がることよりも,これから遊ぼうというユーザーさんの楽しみが奪われることのほうを懸念しています。それがデメリットといえば,そうなのでしょう。
 すでにゲームを遊んでいる人も,これから遊ぶ人も,同じように楽しんもらうために働きかけを続けていくつもりです。

4Gamer:
 ゲームのプレイ動画を見たことで満足して,購入まで至らないという人は少なからず存在すると思います。それは,あまり心配していないと?

内田氏:
 確かにそういう方はおられるでしょうが,それ以上にプレイ動画によってゲーム自体が広く知られるメリットのほうが大きいと思います。

[引用元:4Gamer.net

メリットがデメリットを上回っているうちは問題ないですね。

今回の話題は、あくまでもスパイク・チュンソフトのみの話題となっていますが、今や任天堂も含め各メーカーがプレイ動画を許容するようなスタンスに変更されています。一時はどうなることかと思いましたが、プレイ動画自体ずいぶんと容認されるようになって何よりというべきところでしょうか。

以前どこかでも書きましたが、プレイ動画というのは見ている側にとって、娯楽であると同時に情報を得る場でもあり、さらに言えば実況プレイ動画の場合だと簡易的なレビューも兼ねている存在です。それはもう、メディアであるというのは間違いないでしょう。今後問われていくのは、そのメディアの質である事も見えて来ますが。

もっとも、信用できる実況者やら何やらを自身で探さないといけない手間はあるわけですし、実況者自体もごく一部の人気者ばかりが幅をきかせるようになったら、それはそれでメディアとしてよろしくない傾向ですので、常に色んな人が出てきて欲しいモノはあります。

そこそこにプレイ動画が容認されるようになってから、プレイ動画を使ったプロモーション等々も増えてきました。今後も広がり続けるのか否か、しかと見守っておきたいですね。

連載:気まぐれゲーム雑記 第858回:スパイク・チュンソフト曰く「プレイ動画は1つのメディア」に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:スパイク・チュンソフト曰く「プレイ動画は1つのメディア」だということだけど、もうそういう時代になってきたかぁと思ったわけで。

しゃきーんさん:数年前じゃ、グレーゾーンのままだったしな。

しょぼーんさん:メーカーと動画制作側がWin-Winの関係になってるし、ジャンルによってはやれないっつーのもわかるから、そこらへんを考慮しながらどんどん広まれば良いと思うよ。……わたくしは、プレイ動画しか作らないけどネー。

しゃきーんさん:そもそも、貴様はプレイ中にしゃべるなんぞ器用な事できないしな……。

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