連載:気まぐれゲーム雑記 第969回:ゲーム動画を見てゲームをやる気にさせる事が重要な時代
“プレイする気にさせる”が重要
コンテンツのウリを見せる事ができるかどうか
AZです。こうも寒さが続くとコタツから出られなくなる病を発症してしまうので、そろそろどうにかなって欲しいと思う今日この頃です。
それはさておき、ゲーム実況者は「経済効果」をもたらすのかといった話題が出ているようです。
日本在住のユーザーにとっては主にニコニコ動画やYouTubeで広く注目を集めているこのカルチャーですが、人気インディーRPG『Undertale』開発者がTwitter上で行ったアンケートによれば、同作品を初めて体験したユーザーのうち40%が「実況およびプレイ映像」経由だったのだとか。
海外フォーラムに投稿されたスレッド「Do you think Let's Plays boost sales and visibility or cost companies sales(ゲーム実況プレイはセールスや認知度、企業の売上を高めるだろうか?)」では、そんな「実況プレイ」文化の商業的効果についてフォーカスを当てた「海外ゲーマーの声」が多く寄せられています。
口火を切ったスレッド投稿者いわく「私の知り合いは実況プレイ映像を見るのみで、今やまったくゲームを買っていない。実況プレイを観終わるか、あるいは満足するまで観てしまうので買いたがらないのです」とのこと。シナリオや映像主体のゲームやさほど操作が求められないゲーム、その上でリプレイアビリティーが高くない作品であれば頷ける理由にも感じられますが、投稿者は「一部のメーカーは実況プレイによって商業的損失を被っている」とも見ているご様子。ゲームを買わずともゲームの本質的な体験を得ることができるのなら、ある意味当然の発想とも言えるかもしれません。
その一方で、「Pew Die Pieが『Skate 3』実況プレイを投稿したときには、リリース後数年が経っているにも関わらずUKチャートに入ったこともあった。実況プレイヤーはインパクトを与えることがあるし、おおむね良好なもの」と、ゲーム実況プレイが与える経済効果をポジティブに認めるユーザーも現れています。特に『Five Night at Freddy's』『Goat Simulator』などは「有名実況者によって脚光を浴びた」とも評されていますが、やはり「全体を見通した上で、大きな影響が出ているとは思えない」といった声も一定数現れています。
[引用元:インサイド]
ゲーム動画を娯楽と見るか、情報源として見るかで変わるでしょうね。
この手の議論は度々出てくるのですが、今やニコ動やYouTubeをはじめとしてゲーム動画がアップされない日はないのが現状でしょう。もはやメーカーは、利益となるか否か以前にそういった状況をどう利用するのかをちゃんと考えていく必要がある時代になっているといっても良いかもしれません。
当然の事ですが、メーカー側はジャンル別によってゲーム動画の利用価値に雲泥の差があります。比較的容認するスタンスのスパイクチュンソフトは、以前インタビューで次の様な発言をしています。
4Gamer:
それでは,公開以前から「どんどんプレイ動画を配信してください」という立場ではあったと。内田氏:
基本的にはそうです。ただ,タイトルによって,多少スタンスが異なります。
たとえば「風来のシレン4 plus」の場合,ニコニコ動画の企画という枠組みの中ではありますが,プレイ動画の配信を推奨する立場でした。
一方,「ダンガンロンパ」シリーズに関してはプレイ動画を推奨してません。アドベンチャーゲームというジャンルの性格上,やはりネタバレを避けなくてはいけませんので,「1章に限りOK。それ以降は配信しないように」とお願いしています。
できるだけNGを作りたくありませんが,より多くのユーザーが楽しめるようにしたいと考えています。[引用元:4Gamer.net]
ストーリー性の強いアドベンチャーや一部のRPGなどは、配信する事によってメーカーが不利益を被る可能性があるためにNGとなりやすい一方、ローグライクやシューター、シミュレーションなどシステムを楽しむタイプのゲームは配信しやすい傾向にあるのは間違いないでしょう。そういった前提はあるわけですが、ゲーム動画最大のポイントは「動画を見てゲームをやる気になるか否か」であると考えています。
そもそも、TVゲームというのは「自分から率先して行う娯楽」です。決して一方的に与えられるモノではありません。そうである以上、「他者がプレイしているのを見ているだけで良い」という状況になってしまった場合は、その娯楽に人を惹きつける魅力があったのかどうか? という議論にも発展していきます。むしろ、「ちょっと気になっていたし、誰かの実況を見たら面白そうだったので買った」という流れにならないまずいわけで、根本的にゲーム動画は“ゲームとしての面白さが見えたかどうか”が求められます。
とはいえど、今やゲーム動画や実況は「ゲーム情報として見たい」人から「実況が面白いから見る」人まで幅広く存在します。そういった意味では、一概にメーカーに対する利益不利益をどうこう考える状態ではないような気がしないこともありません。強いて利益などにスポットを当てた場合、結局のところ動画を見る人がどういう意図を持って視聴しているのか次第にもよりそうです。
ゲームで大切なのは、「どうやって遊べば自分にとって最高に楽しいのか」という事です。その部分を求めて、ゲーム動画を見るというのは何らおかしい話ではありません。今後も定期的に出てくる話題ではあるとも思いますが、各メーカーは上手いこと利用しながら多くの人が楽しめそうなゲームが広まるように手腕を発揮して欲しいモノですね。
:ゲーム動画が利益になるか否かってな話題があったので、そもそもゲーム動画見て「このゲームやりてぇ」って思わせないとダメなのだろうなぁと思うわけです。
:とはいえ、娯楽として見る人とゲームに興味があって見る人の見方が違う以上、何とも言えない部分はあるよな。
:まぁね。でも、ゲームが多くの人の目に触れる機会が増えたということは、あとはどうやって買ってもらうかって話にもなりそう。そこらへんの導線を上手く作れば、もう少し上手く機能しそうな気はするんだけどね。……気がするだけかもしんないけど。
:ま、今後ゲーム動画や実況がどうなっていくのかはわからんし、じっくりと眺めておけば良いんじゃネーの? 需要があるのは間違いない事なんだろうしな。