レビュー「Victor Vran」:アイテム収集に特化したジャンプ有りのアクション寄りなクォータービューハクスラ

Victor Vran

それでも僕はアイテムを欲す。

前置き

おおざっぱな話で申し訳ないのですが、大抵の人は物欲ってあると思うのです。それはあらゆるモノに繋がってきます。無料という言葉に弱いのも、あらゆる限定品に弱いのも、ガチャを回すのも、物欲が影響しているというのは否定しがたいところでしょう。ある意味、収集癖みたいなところへと繋がっている気もしますが。

そんな物欲に身を委ねてしまうと、あれもこれもとキリがありません。そして、いざ欲しいモノをゲットしたとしても、手に入れた瞬間から物欲は少しの間だけ収まるモノの、またすぐ「次の獲物が欲しい」となってしまいます。そんな感じに物欲を見事に刺激してくるジャンルこそ、ハクスラといっても過言ではありません。物欲を上手くコントロールできないと、辞められない止まらない状態になってしまい、それはある意味「ハマッている」とも言えるのですが、それはそれでリアルに影響しかねない状態でもあるので、ほどほどにしておかないといけないジャンル、とも言えるのです。……まぁ、私のことですけど。

あ、ここまでが前置きです。

育成メインではなく、アイテム収集メインでアクション寄り

Victor Vranはゲームのタイトルではあるのですが、そのまま主人公の名前にもなっています。この主人公Victor Vranはデーモンハンターなわけで、自分の過去を知る友人エイドリアンに呼ばれて、悪魔の巣窟となっているザゴラビアを訪れるところからゲームは始まります。ちなみに、操作キャラクターはVictor Vranオンリーです。

Victor Vran

ナイスガイなVictor Vran

本作は、見たとおりクォータービューのハクスラですが、キャラクター育成としてパラメーターをいじる様な要素はないモノの、レベルで基本ステータスが上昇する様なシステムになっています。50が最大(それ以降はアイテム入手)になるので、それを目指してプレイすることになるでしょう。

アイテムやシステムについて

システム面としては、基本的に敵を倒し金orアイテムを入手して変成で強化しながら、また敵を倒していくハクスラです。アイテムは、武器、防具、ポーションや爆弾、デーモンパワーがありますが、ポーションや爆弾はそのままなのでそれ以外の要素を一つずつ見ていきましょう。

武器は全部で8つ(ソード、ハンマー、レイピア、サイズ、ショットガン、グレネード、ライトニングガン、魔道書)。Victor Vranのレベルを上げる事で2つ装備することが可能です。ざっくりわけると、近接4つと遠距離4つにわかれています。別に遠距離2つ装備しても問題はないので、好みで使い分けると良いでしょう。……まぁ、好みのアイテムが出るかどうかは運次第ですが。

Victor Vran

最終的に、ソードとグレネードになりました

防具は、Victor Vranの衣装になっています。衣装は、Victor Vranのもう一つの特殊能力であるデーモンパワーを使うためのゲージ、オーバードライブゲージがどのように溜まるかを設定するために必要です。各衣装はレベルが上がる事や宝箱から入手できるので、自分のプレイにあったスタイルのモノを選んでいく事をオススメします。

Victor Vran

衣装でオーバードライブゲージのため方が変化します

また、攻撃手段として武器以外にはデーモンパワーを使うという選択肢があります。デーモンパワーは、隕石を降らせる“メテオ”や、自分を有毒な霧に姿を変えて攻撃する“ダークミスト”などの攻撃手段として使えるモノから、敵を気絶させつつ自分のところへ吸い寄せる“ブル”や、ダメージを吸収する“ダイヤモンド”などがあります。これらのデーモンパワーを使うには、衣装で設定した戦闘でオーバードライブゲージを溜める必要があります。

Victor Vran

ブーメランはそこそこ使えると思うのです

もう一つの特徴として、デスティニーカードがあります。デスティニーカードは、ステータスを上げるために装備することになります。最初はさほど装備できませんが、最終的には5枚のデスティニーカードが装備できることになり、またデスティニーカードに追加能力が付与されるときもあるので、こちらもまた収集していくことになるでしょう。

Victor Vran

カード集めに夢中です

最後に、レベルがある程度上がると「ヘックス」が解禁されます。ヘックスは全5種類あり、発動させると主人公にBadステータスが付与されたり、モンスターが強化されます。そのぶん、経験値とアイテムドロップ率を上昇させるという悪魔の取引みたいな代物なので、ノーマルモードでプレイしているなら使うも使わないも自由にやって良い、難易度調節みたいな機能を果たします。なお、ハードモードは最初からすべてヘックスがOnになった状態なので注意しましょう。あと、体感的なモノですがアイテムドロップ率は通常のままだとそこまで高くありません。

Victor Vran

最終的に、ヘックスは常にすべてOnでした

戦闘について

一方、戦闘はというと、回避とは別にジャンプがあるお陰で敵に囲まれた状況から脱出することも可能です。他にも、ジャンプで探索したり、敵の攻撃を避ける要素が入っているあたりを見ると、クォータービューのハクスラでもアクション寄りの内容と言えます。コントローラに対応しているのも、それに拍車をかけているところでしょうか。

Victor Vran

敵に囲まれた時、ジャンプで逃げればもしかしたら逃げられる……かもしれません

また、各ステージにはチャレンジという目標があります。チャレンジを達成すると、アイテムや経験値等々がもらえる仕組みになっていますが、こちらも無理してやる事はありません。実績やアイテム、経験値が欲しいならやればよし。そうじゃなければスルーしてもクリアは可能です。

なお、先に書いたシステム「ヘックス」をすべてOnにすると、敵が極めて面倒な強さになります。一部のチャレンジは、「ヘックス」がOnになっている必要があるので、そこらへんはレベルや実力等を加味してやっていくと良いかもしれません。

マイナス要素は使いづらいUIと変成

何はなくとも、装備一覧などのUIが使いづらい。コントローラでプレイできるのは先も書いた通りですが、あれこれ装備するのは結局マウス操作でやった方が早いですし、直感的にできます。

また、変成によるアイテム強化で求められる合成アイテムが、何気にレア度が高くて集めるのがシンドイレベルです。お手軽にできるのはデスティニーカードの変成くらいで、武器等々は終盤になってからやっとある程度変成の目処が付く様な感じなので、結局あまりいじらないままに終わりました。勿体ない部分にも思えてなりません。

総評:より良いアイテムを集めてみたい人こそやって欲しい

ハクスラと言えば、育成とアイテム収集がメインになるタイプのものもありますが、本作はアイテム収集に特化したモノになっています。そのアイテムも、変成で強化する要素はありますが、後半の変成はそもそもレア度最高のモノを求められるので、実用的なところまでもっていくのがなかなか大変です。基本は、アイテム収集と見て良いでしょう。

UIは使い勝手が悪く変成要素もそこまで使う機会がなかったのですが、それ以外の要素は軒並み楽しんでプレイする事ができました。「ヘックス」をすべてOnにした際の、ラスボス戦はもはや面倒の極みでしたが、より良いアイテムが出ると思えばそういったプレイも結構な達成感があったとは思っております。

なお、私はマルチプレイをせず(当方、フレンド1人です)ボッチプレイで押し通したわけですが、マルチでやればそれ相応に面白さも上がる事が期待できる出来と思わせてくれました。案外、マルチでやってた方が長く楽しめるかもしれません。

凄く大作かと言われたらそんなことはないのですが、お手軽にクォータービューのハクスラがやりたいというなら、選択肢の一つとしてあげても十分問題ない出来映えです。日本語ローカライズは極一部に誤字があったりもしますが、今後アップデートで改善予定のようですし、そちらも問題ないでしょう。コントローラでできるハクスラという事で敷居も低いでしょうし、興味が出た人は一度触ってみる事をオススメします。

この記事を書いた人

AZ

AZ :

「独り善がりなゲームログ with 電漫堂」の管理人。かつて編プロに勤めていたけど、気づいたらWEB屋になってた。ハンドルネームは「アズ」と読むはずだけど、かつてとあるゲームで外人さんからボイスチャットで「Hey! AZ(エイジ)!」と呼ばれて以来、どう読むべきなのかをかれこれ10年以上悩んでる。

レビュー「Victor Vran」:アイテム収集に特化したジャンプ有りのアクション寄りなクォータービューハクスラに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:「Victor Vran」のレビューでございます。

しゃきーんさん:ふむ。思ったよりは楽しめた?

しょぼーんさん:セールだったんで1300円くらいだったんだけど、元はとれたくらいには楽しめたかな。マルチをやらなかったのがちょっと心残りだけど、ハクスラとしてはキャラクター育成を考えずに済む分、お手軽なんだと思う。キャラクター育成の有無で判断するのもいいかもしんないね。……ストーリー的には、続きが出そうな予感がしますなぁ……。

しゃきーんさん:ま、それなりに楽しめたんだし、続きが出たならまたやってみりゃ良いんじゃネーの? すぐさまローカライズされるかどうかはわからんがな。

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