連載:気まぐれゲーム雑記 第587回:スクエニの業績が良かったらしいけど「ハイスコアガール」の話題が色々と出てきたのでそちら関連をさらりとまとめ
気まぐれゲーム雑記
第587回:スクエニの業績が良かったらしいけど「ハイスコアガール」の話題が色々と出てきたのでそちら関連をさらりとまとめ
早々と様々な情報がでてくるあたりにネット社会のフットワークの軽さを感じずにはいられません
幻の名作入りは勘弁して欲しい。
AZです。外の茹だるような暑さで買い物すらいけない日々が続いておりますが、早くしないと食糧難が起きそうです。
それはそれとて、本当ならスクエニの業績が良かったという話題をしようかと思っておりましたが、先日話題に出た「ハイスコアガール」についての一件についてあれやこれやと情報が出てきているので、改めて整理しながらご紹介しておきます。では、まずSNKプレイモアの主張から。
株式会社スクウェア・エニックスは、当社の許諾を受けることなく、当社が著作権を有する多数のゲームプログラムのキャラクターを複製使用した漫画「ハイスコアガール(著者:押切蓮介氏)」を出版し、当社の著作権を侵害しました。当社は、重大な違法行為を厳重抗議すべく、株式会社スクウェア・エニックスに対し、「ハイスコアガール」の電子書籍、単行本、月刊誌その他の販売の即時停止を再三申入れましたが、なんら誠意ある対応がなされませんでした。
当社としましては、本来、著作権等の権利を守り、その侵害に厳格に対処すべき、大手上場企業のグループ会社による極めて悪質な本件行為を看過するわけには参りません。そこで、当社は、やむを得ず、株式会社スクウェア・エニックス及び同社出版部門の関係者を、著作権法第119条第1項により刑事告訴した次第です。
[引用元:SNKプレイモア]
発表したPDFにさりげなく「METAL SLUG DEFENSE」を宣伝しているあたりは色んな意味で「スゴイ企業だ!?」感満載ですが、ポイントは「「ハイスコアガール」の電子書籍、単行本、月刊誌その他の販売の即時停止を再三申入れましたが、なんら誠意ある対応がなされませんでした。」の一言に集約されます。先日の情報だと、クレジットの明記があたかも許諾を得たようになっていたから云々という話でしたが、大元はそこでもないという感じは見受けられました。
また、GIGAZINEはそこらへんの事について、
「なんら誠意ある対応がなされませんでした」の詳細な中身は不明ではあるものの、以前にGIGAZINE10周年記念本「未来への暴言」を出した時にその中でスクエニとの著作権をめぐるバトルをさらっと暴露して書いたように、スクエニはその一部にどういうわけか「一部上場企業」だということで高圧的態度を取るのが常態化している部署・社員がいるのは確かで、「民事的にはどうにもならない」「まったく交渉する余地がないぐらいに突っぱねまくって話をすることすらできない」というような状態に陥りやすく、仕方がないので刑事告訴しに行くかどうかを真剣に検討するため、GIGAZINEも大阪府警に相談したこともあるほどでした。
[引用元:GIGAZINE]
と、さりげなくスクエニ側の著作権に対する考え方が難しい事を露呈させており、最近はゲームプレイ動画を許容するような姿勢をとりながらも、やはり昔から著作権に関してはやたらと手厳しかった事が伺いしれます。それにしても、GIGAZINEもガッツリとやりあっていたのですねぇ……。
一方スクエニ側としては、「警察による捜査が行われているため、本件に関する詳細の公表は控える」との発表をしました。が、そういったネタには見事に食らいついてくれるITmediaが色々と今後を根掘り葉掘り聞いたようなのでそこらへんの情報を紹介です。
スクウェア・エニックス・ホールディングスの広報担当者は、「今回の事態は、SNKプレイモアと話をしていた中で起きた。著作権侵害という指摘について、事実という認識はないが、お騒がせしている状況なので自主回収を決めた」としている。
~中略~
「月刊ビッグガンガン」での連載は継続する。アニメ化の予定にも「変更はない」としている。
[引用元:ITmedia]
カプコン、セガ、バンダイナムコゲームスの3社に取材したところ、各社とも同作品に対しキャラクターの使用を正式に許諾していたことを明らかにした。
[引用元:ITmedia]
といった感じで、端的にまとめてしまうと、
- 単行本は自主回収、電子書籍は取りやめ
- 「月刊ビッグガンガン」での連載は継続
- アニメ化の予定に変更はなし
- カプコン・セガ・バンナムの3社はキャラクターの使用を正式に許諾していた
ということで、はてさてSNKプレイモアとどんなすったもんだがあったのかは非常に悩ましいところとなります。もちろん、このほかにもアイレムやコナミなどのメーカーから使用許諾を取ったかどうかも議論されるところにもなりますし、普通に考えれば3社だけ取って他は取らないという事もなさそうな予感はしますが、そこらへんで「違反が意図したものか否か」が見えてくるという事にもなりましょう。
また、アニメ化の予定に変更はないとの事ですが、基本的に漫画ありきのアニメ化は「単行本を売る」という側面が非常に強く、スクエニとしてどれだけのメリットがあるのかは気になるところです。そもそもにスクエニは「著作権侵害をしたつもりはない」の姿勢ですし、そういった事への表れである可能性は否定しがたい。まぁいずれにせよ、この対処で「月刊ビッグガンガン」の売上数は伸びそうなところでもありますけど。
ともあれ、現時点だとSNKプレイモアとスクエニがグダグダになった事ははっきりと分かっているのですが、このような事態を引き起こしてしまったスクエニ自身の責任というのはそれ相応にあると言えるでしょう。SNKプレイモアに対して思うところがあるという意見もわからなくはありませんが、KOFやサムライスピリッツはSNKプレイモアの著作物であり、そこが違反したと訴えた以上は今のところそう捉えるほかありません。
そして何より、この一件で一番世知辛い思いをしているのは読者に他ならないという事が言えます。娯楽ビジネスのややこしい権利ごとで泣きを見るのは果たして誰なのか。そこを考えると、何とか上手い対応をして欲しいと願わずにはおれませんね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:昨日紹介した「ハイスコアガール」の一件について、ちらほらと詳細が出てきたので今一度まとめて紹介しておきました。
:なんつーか、どうなっちまうんだかなぁ。
:単行本は回収するけど連載は続けて、アニメ化も続行という流れみたいね。まぁ、とりあえずやれるところまでやろうというスタンスなのかもしんない。どういうオチになるのかはさっぱりわからんけど、未完のまま終わるみたいなオチは辞めて欲しいかなぁと。……ゲーム業界でも著作権侵害は怖いんだぞ! という一例が爆誕しましたなぁ……。
:これ、個人だったら首がすっ飛んでるレベルだろうからなぁ……。
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