連載:気まぐれゲーム雑記 第58回:スクエニが再びアンリアルエンジンを使うらしいと言う話題

気まぐれゲーム雑記
第58回「スクエニが再びアンリアルエンジンを使うと言う話題」

どのゲームエンジンを使うかは、実は凄く大切なのです。

ゲームエンジンはゲーム開発にとって最重要

数多もいるゲーマーの皆様は、ゲームエンジンについて気にしたことがあるでしょうか?
……な、ないとか言われちゃうと話が終わっちゃうので、ちょっとだけ興味をもって頂ければそれ幸いです……。
というわけで興味をもってもらったところで、ゲームエンジンというのは読んで字の如く、ゲームを動かすためのエンジンです。それらのゲームエンジンは多種多様で、用途によっても選ばれるエンジンは異なります。例えば、アクションゲームのエンジンとサウンドノベルのエンジンは根底が違いますし、シューティングもまた違うエンジンになります。

それらのゲームエンジンは、それぞれ各社メーカーが独自のモノを開発して使っています。例えば、カプコンさんだとバイオ6やドラゴンズドグマで使われたMT Framework、UBIさんのアサシンクリードシリーズで使われたAnvil engineなどがあります。また、自社のゲームエンジンの開発力を見込んで、それを他社に貸し出すようなビジネスをしている企業もあります。最近スマートフォンなどで活躍しているエンジンUnityもその一つです。
そんな中、スクエニさんも自社のCGクオリティさを活かしたゲームエンジンCrystal Toolsでビジネスをしようとしたけど上手くいかず、新しいゲームエンジンの着手に乗り出した話題は記憶に新しいところです。

そんな新しいゲームエンジンの着手をしていたはずのスクエニさんが、ギアーズオブウォーで知られているEpic社のアンリアルエンジンを利用できる契約を結びました。詳しくはこちら
要約する必要もないくらい短いですが、端的にいっちゃうと以下のような感じです。

  • スクエニグループでアンリアルエンジン3と4を使えるように契約した
  • Epic Games Japanの代表曰く、スクエニさんに最高峰のゲームテクノロジーを提供しちゃうよ!

というわけで、今日はそんな感じのゲームエンジンな話題について、あれこれ物申してみようじゃありませんか。

一度失敗をしたスクエニさん

実は、スクエニさんは以前アンリアルエンジンで大失敗をしています。
そのタイトルは「ラストレムナント」。PS3版が未だ期待されているらしいけど、もはや開発はしてないであろうモノです。360版は戦闘に時間がかかりすぎて微妙な評価でしたが、PC版はそこを修正して発売したところ、それなりに評価が良かったのも覚えています。……360版は今でも家にありますし。

そもそも、ラストレムナントの開発開始当時はPS2から次世代に移る事としてPS3、360などマルチに対応しなければならない事がメーカーとしての命題でした。また、当時は次世代機として登場したPS3と360の登場は、開発費の高騰を呼ぶことになります。そのことを懸念し、海外のゲームエンジンを使おうとしてアンリアルエンジンを選択したわけです。……まぁその結果として、当時のスクエニさんではアンリアルエンジンをPS3に落とし込む技術はなかった、という事が露呈します。

一応フォローとして、当時アンリアルエンジンを提供したEpic社は日本にはなく、スクエニさんはアンリアルエンジンを使うのに翻訳作業を並行しながら開発を行った、とされています。この事がきっかけで、Epic Games Japanは誕生することになったので、Epic社を日本に誘致してくれた、と思えば決して汚点だらけという事にはならないと言えます。……いやまぁ、結局はゲームを発売にこぎ着けることができなかったので、もはや何をいってもたいしたフォローにもなりませんが。

スクエニさんの自社エンジンはどうなる?

スクエニさんが、アンリアルエンジンと契約したということは、アンリアルエンジンを使ってゲーム開発を進めていくことであるに間違いはないでしょう。
ラストレムナントの時期は上手く使いこなせなかったモノの、あれから数年が経っていて状況も変化しています。となると、スクエニさんが自社開発を進めている「Luminous Studio」はどうなるのでしょう?

Luminous Studioは、動画だけ見るとスゴイのか何なのかよくわからん、という人も多いでしょう。
綺麗な描写であるには間違いありませんが、それがどれだけのスペックを要しているのか、というと、どれだけの期間かかったのかがポイントになります。アンリアルエンジン4の時の初期には、2.5分間の動画を作るのに14人のスタッフで3ヶ月かかった、と言う事が明かされています。また、アンリアルエンジン4はそこから様々なコストダウンをし、機能を充実化した事でも話題を呼びました。

現時点でLuminous Studioは、ハイスペックすぎてPS3や360に落とし込むのは無理でしょう。PCでもハイスペックを要求するようなエンジンである事に間違いはありません。
そこを考えると、PS4やXbox720など噂されている次世代機での使用を目的としていて、アンリアルエンジンはスマートフォンでも使えますし、何より海外のエンジンを使うという事は、海外展開を考える時に楽になります。そう考えば、アンリアルエンジンを現状は推し進めつつ、将来的にはLuminous Studioとの2本柱、という流れに思います。

……まぁ、スクエニさんだからまるで先は読めないというあたりはちょっとなんですけど、ブレイブリーデフォルトのようなそこまでグラフィックやゲームシステムに特化したわけでもないタイトルでも、ストーリーやサウンド、ちょっとした工夫でユーザーにとっては素晴らしく楽しめるタイトルもあるわけです。技術革新は大切ですが、それ以前に面白いゲームでユーザーを魅了し続ける事も忘れないでもらいたい、と思うような話題でした!

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:スクエニさんがアンリアルエンジン4とか使うらしいけど、Luminous Studioはどうするんでしょ? ってお話です。

しゃきーんさん:ふむ。まぁ、使える時期がきたら使うんじゃね?

しょぼーんさん:そのために作ってるわけだしね。でも、それ以前にスクエニさんはもっとたくさんのユーザーに喜ばれるようなタイトルを作っていった方がいいのかなぁと思う次第。あ、ちなみにブレイブリーデフォルトは良い感じだから、あの路線は今後も捨てずに頑張って下さい。

しゃきーんさん:……ブレイブリーを積まずに、他のゲームを積んでブレイブリーをやってるわけね……。

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