連載:気まぐれゲーム雑記 第36回:電子書籍を扱う企業リブリカが3DSで配信サービスというのはWii、PSPでもやっていたと言う話題

気まぐれゲーム雑記
第36回「電子書籍を扱う企業リブリカが3DSで配信サービスというのはWii、PSPでもやっていたと言う話題」

出版業界はどこまでも貪欲にいくのです。

一応サービス自体は存在していた電子書籍

皆様は電子書籍というのをお読みになるでしょうか?
管理人は残念ながらそういった媒体をもっていないので、すべて書籍として入手しています。参考書なんてものは、非常に幅を取るし重たいし、たまに電子化もいいのかなぁと思ったりするわけです。
で、なんでこんな話なのかというと、3DSで電子書籍配信サービスが展開される、という一報が流れた事に起因します。詳しくはこちら
要するに、リブリカってな会社が1タイトル400~500円程度で漫画を販売するというお話です。

実は、このリブリカという企業様は、以前Wiiウェア、PSPでも同じような電子書籍サービスを挑もうとして、無念な結末を残している企業様です。一応、それぞれの発表した際のPDFが残っていたので、Wiiウェアの場合はこちら(PDF注意)から。PSPの場合はこちら(PDF注意)からご覧下さい。

WiiウェアとPSPの失敗を踏まえたかどうかはわかりませんが、今回は3DSで同じサービス展開を試みようとしているリブリカさん。でも、そもそもにリブリカって何なのでしょう? そういったアプローチでお話を展開していこうと思う次第なのです。

出版業界もアレコレ模索する時代

リブリカは、ゲーム開発会社で有名なトーセさん(代表作:ドラクエシリーズなど)と、大手出版社の集英社さん、講談社さん、小学館さん、角川さんの4社で作られる共同出資会社です。
その主な業務は、デジタルコンテンツ配信業務となっているので、要するに電子書籍化するための行程の負担を軽くするためと、その際に起こるであろう諸問題(版権問題など)をクリアするために作られた企業でしょう。漫画を電子化する行程はどこのやり方だろうと似たようなものになるので、一つにまとめて作業した方が効率が良いに決まっています。

そんなわけで作られたリブリカさんですが、Wiiウェアではよくわからないまま立ち消え、PSPでは3年を経て終了するに至りました。ちなみに、Wiiウェアで配信してたのは、こんな感じのものです。あと、PSPが終了した際のニュースリリースはこちら
この時言われたのが、このような独自サービスはいつ終了するかわからないので、結局は自分で本を買って電子化した方が安心安全である、という事でした。ついでにいえば、値段も紙ベースとさほど違いがないというのもネックだったように思います。

ゲーム機を電子書籍リーダーと見立てる事はできるか?

とはいえど、失敗しているのはあくまでもリブリカさんでの配信サービスであって、集英社さん、講談社さん、小学館さん、角川さんらの各社はすでに独自の電子書籍の形として成立しています。
要するに、問題となっているのはゲーム機を電子書籍リーダーとして使っていけるかどうか、という一点でしょう。

ゲーム機に他の付加価値を持たせるという問題、この場合で言えば漫画を読ませるという課題は、非常に難しいです。なぜなら、ゲーム機はゲームをするための機器であって、それ以上もそれ以下もない、というのは言うまでもないでしょう。
PS3にもVitaにも3DSにもブラウザが付いていますが、それらの用途は主にゲーム情報を得たい、とか好きなサイトをみて情報収集、または暇つぶしということになります。そこにお金がかかる暇つぶし(ココで言うなら電子書籍を買う)をするなら、「課金制のゲームを選択するのがゲーマー」です。
つまり、ゲーム機に他の付加価値を持たせたいなら、ゲームに繋がるような何かを提供すれば良い、ということにもなります。

しかしながら、トルネのようにPS3をゲームとは違った用途として成功する例も存在するのは確かです。電子書籍を購入する価値と、トルネのようなHDDレコーダーとしての価値の違いにも思えますが、ゲーム機に他の付加価値を追加して成功した一例であるには間違いないでしょう。

今回の3DSへの電子書籍参入は、果たして成功するでしょうか? 上手く成功するには、3DSでしか見る事が出来ないモノを、Wiiウェアの時の松本零士先生のようなディープな方ではなく、もうちょっと若者ウケするようなタイトルを引っ張って来るとか、ゲーム情報誌を出すなどといった事が出来れば、その活路が開くかもしれませんね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:なんか3DSに電子書籍ってなお話が出てたので、色々と知ってる事を書いてみました。

しゃきーんさん:Wiiでそんなサービスあったんかい……。

しょぼーんさん:PSPは有名だけどね。Wiiはまさかの松本零士先生だもんなぁ……。他にもプリンセス・アイ物語っていうのもWiiウェアで配信されてた記憶があります。……今確認したけど、任天堂さんの公式サイトにも載ってるし。ま、それ相応に見合う付加価値ってのがないと、事業は失敗するよって事で。

しゃきーんさん:ゲーム機を電子書籍と見立てる事ができるかどうかの一点なんだよな。ゲーマーが喜びそうな付加価値情報を出せば良い気もするが……。本当にうまくいくかどうか、ちゃんと見させてもらうとしようか。

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