連載:気まぐれゲーム雑記 第90回:Wii Uで勝負する任天堂は背水の陣らしい、と言う話題
気まぐれゲーム雑記
第90回「Wii Uで勝負する任天堂は背水の陣らしい、と言う話題」
ハードビジネスの行方や如何に?
Wii Uの現状
先週、Wii Uが発売されてから数日が経過しました。
現時点で、アップデートに失敗したり、フリーズからのWii Uが起動しなくなる、という現象が起きてしまったユーザーの方が少ないながらいるようです。こういった不具合が多発するようなら360の時と同様に公式見解が出てくるでしょうし、そうじゃなければ、少々運が悪い方々だった……と言わざるを得ません。とはいえ、管理人もフリーズしましたし、システムの安定化は早期にお願いしたいところでもあります。……いやまぁ、フリーズは一度だけですけどね(さほど使っていないからかもしれませんが)。
そんなWii Uではありますが、日経新聞にWii Uは背水の陣で挑む、といった趣旨の記事が掲載されました。詳しくはこちら。
まとめると次のような感じです。
- 任天堂の岩田氏は「現在の取締役の年齢を考慮すると、今後の任天堂の経営体制を考える上で節目と言える時期に差し掛かっている」と発言したらしい
- その真意は、Wii Uで何としてでも経営を復活させたいという不退転の決意の表れである
- 岩田氏曰く、スマートデバイスと戦っているわけではなく、ゲーム機にどうやって毎日電源を入れてもらうかを考えてきた結果、ミーバースを盛り込んだ
- ミーバースを通じて、様々なソフトの面白さをゲーム仲間と会話し、共有していって、気づいたら大ヒットのゲームソフトが生まれるというソフトビジネス本来のあるべき姿を目指す
- 業績不振になった任天堂は、この1年コストカットを促してきた
- 岩田氏は、Wii Uは発売当初逆ザヤになると発言し、業界関係者は「1台売るごとに1万円前後の赤字になる」と分析
- 部品メーカーへの値下げ要求はすごかった
- 岩田氏曰く、Wii Uに自信があろうと何だろうと、評価をするのはお客様(ユーザー)である
- 岩田氏曰く、お客様が期待通りに受け取ってくれないなら、いかに早く補正していくかが自分の役割
- 今でも、岩田氏は相談役である山内氏(前任天堂社長)に時折会って、助言を求める
- アメリカの好調を受けても、株式市場の反応は鈍い
- 外資系アナリスト曰く、2万を切るタブレットの発売が出ている中、Wii Uの価格はユーザーが思っているほど安くない
- 岩田氏曰く、結果を出して世の中のムードを変えるしかない、任天堂ならそれが可能だと思っている
中々に苦労しているご様子が窺えるかと思います。
というわけで、本日はハードビジネスやら今後のWii Uについての話題をしていこうかと思う次第です。
逆ザヤ解消への道は険しい?
気になるのは、Wii Uが逆ザヤで1万円前後の赤字である、というところです。逆ザヤになるという発言は以前もしていたのでわかっていましたが、1万円というのは中々にコストがデカイ。アメリカで40万売れたといいますが、1万円の赤字なら単純計算で40億が赤字となるわけで。たしかに、この額なら背水の陣と言わざるを得ないでしょう。
元々、ハードビジネスというのは、ハードをより多く普及させてライセンス料により収益を得るビジネスモデルです。ともなれば、ハードを多く普及させる事が命題となります。
Wii Uの場合、先ほども書いた通り逆ザヤ状態な事とハードの普及、企業体力やサードパーティが参加してくれるかどうか、といった部分を天秤にかけて出した結果があの金額だったのでしょう。また、逆ザヤの解消が今期は見込めないという事は、第2四半期決算説明会で岩田氏が述べているところでもあり、いつ解消されるかというのは、ゲームファンのみならず市場や経済界も注目しています。
本当の勝負は来年の早い内に
とはいえ、部品供給やら何やらは早々に値下がっていくわけでもないので、そうなるとサードパーティをどれだけ増やす事ができるか、という部分に焦点が当たります。サードパーティが多ければ多いほど、岩田氏の言う「気づいたら大ヒットするような本来のソフトビジネス」が出てくる可能性が高くなります。サードパーティには、その独特なコントローラを使ったアイディアや、開発コストがどれくらいになるのかといったアプローチをしていく必要があるでしょう。
また、目下任天堂が取り組まねばならないことは、公式サイトにある現時点ではガラガラのこのスケジュール表を、どれだけ魅力的なものにできるか、というユーザーへのアピールも忘れてはいけません。残念ながら、管理人は任天堂の盲信者ではないので、このスケジュール表をみると中々に不安をかき立ててくれます。
岩田氏本人も、何度も「来年以降勢いを維持できるかが勝負」といっていましたが、年末にあると予想されている任天堂ダイレクトに期待せざるを得ない状況です。
任天堂が、来年に向けたスケジュールを早めに公開できないとなると、来年以降の勝負は大変厳しいモノになるというのが予想されます。新型機が噂されているソニーやMSの事もありますし、タブレット端末の躍進、高騰し続ける開発費など、問題は山積しています。
今後のハードビジネスを占う上で、その急先鋒となったWii Uは、その中でどういった答えを出すのでしょうか? 来年以降、任天堂の本当の勝負が始まりそうですね。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:Wii Uが背水の陣らしいから、今後のハードビジネスを考えるのも面倒だからゲームはPCでやればいいんじゃね? ってお話です。
:貴様の結論は、本当にどうかと思う……。Wii Uとはまるで関係ないところにオチがついてるじゃねーか。
:ま、ようするに「Wii Uを買わなければならない理由が必要」って事だよ。だってそうでしょ? 3万出すなら、良いグラフィックカード買えるよ? ……すべてのゲームはPCでやる、という選択肢……ありだと思います!
:……まぁ、言いたい事はわかるが、任天堂がPCにゲームを供給するわけねーだろ……。とはいえ、ほんとにどうなるんだろうなぁ……?