連載:気まぐれゲーム雑記 第834回:元KONAMIの内田明理氏がユークスで「Uchida lab」を設立、クリエイター主導の作品に期待
思い切りが良いというのは、賞賛できます
「結果」を考えずにクリエイトする大切さ
AZです。スプラトゥーンは、ガチバトルの腕前が「B-」まで成長しました。
それはさておき、元KONAMIの内田明理氏がユークスへの入社記者会見を開催しました。その中で「Uchida lab」の設立を発表した事がほんわかと話題になっております。
Q:「ウチダラボ」の役割や組織体というのはどのようなものになりますか?
A:これから作っていくところではあるのですが。ユークスさんは開発技術を持っていて、特にモーションや3Dモデルですね。そこには注目しています。私は今アイディアを持ち寄っているところで、それを実現するためにどういう組織にしようか……と考えているところです。
Q:「ラボ」という研究所の名称ですが、技術や遊びの研究をするという意図があるのでしょうか? 将来的にはゲーム開発も行なっていくのですか?
A:今持っているイメージだと、まずは「どんなことをすると面白いのか?」を考えたくて。デジタルコンテンツ全体に枠を広げて、それこそゲームに関わらず、含めてでもありますが、研究して比較していく。開発チームもその中に一緒に入れるかどうかは、これから検討していくことになりますね。
~中略~
Q:10月から始動ということですが、個人的な目標としていつまでに何をしたいというのはありますか?
A:あくまで個人的な想いとして聞いて頂きたいのですが……早ければ年内に何かご報告したいと思います。
~中略~
Q:ユークスに入社する動機として、「チャレンジしたい気持ちを受け止めてくれた」というものがありましたが、前の会社さんではそれが実現しづらかった?
A:なかなか難しい質問ですが……(苦笑)。そんなことはなかったんですよ。ただ、これを言うと谷口社長がどうかと思われるかもしれませんが、「お金になるかどうかもわからないような実験」を次々とスピード感を持って試していきたいというのがあって。それをさせてくれる会社は普通はないと思います。それを谷口社長が「いろいろやってみてよ」と言ってくださったので。本当は1人でいろいろ試していこうかなと思っていたぐらいなんです。
[引用元:Game Watch]
さて、どんなことをするのでしょうね?
会見自体はかなりほんわかとした雰囲気でしたが、内田氏自身はゲーム業界に対して色々と思うところがあるという内容がほんわかと伝わるモノでした。特に、コナミの一件につっこんだあたりは、なかなか興味深かったところもあります。以前から何となく話題になることもありましたが、クリエイターである事とサラリーマンである事の両立が難しくなっているというのが、今のゲーム業界を取り巻く環境であると言えるような気がしないこともありません。
コナミに関して言えば、IGA氏や内田氏、箕星太朗(ミノ☆タロー)氏などが退社し、小島氏の動向がどうなるのかもわからない雰囲気を醸し出しておるわけですが、それらに関して言えることは「メーカーではなくクリエイター個人に期待を寄せる時代になった」という事でしょう。特にIGA氏の新作「Bloodstained: Ritual of the Night」は、Kickstarterですでに400万ドルを集める寸前(2015/6/10現在)までいっています。手段は色々あるということでしょう。
そういった中、内田氏はユークス内に自身の部署と言える「Uchida lab」を設立しました。ユークスは、プロレスゲームをメインに手がける事で知られていますが、「Uchida lab」はジャンルにとらわれずに何かを作っていくという事になっています。クリエイターが前にでてくるあたり、コナミのプロダクション制にも近しい空気を感じるわけですが、その手の手法はわかりやすくて好感が持てるところでしょう。もちろん、クリエイターが前にでてくるというのはメリットもデメリットもあるので、一概にそうするのが良いとは言いがたい事も理解できますが……。
私自身は、元々メーカーよりも開発会社や開発陣に興味があった人間ですので、内田氏がゲームやそれ以外の媒体で何をやろうとしているのかには結構興味が出てきます。ユークスでどんなモノを作ろうというのか、楽しみに見守りたいですね。年内の発表を楽しみに待ちましょう。
:元KONAMIの内田明理氏がユークスで「Uchida lab」を設立するよーってなお話です。
:ふむ。結構フリーダムにやらせてくれるって話みたいだな。
:今の時代、そういう事をやらせてくれる企業ってのは懐が深いな、と。あとは、内田氏の実績も相まっての話だとは思う。……VR方面とかその他諸々、色んなアイディアが出てくるのでしょうなぁ……。
:ま、年内に何が出てくるのか、楽しみにしとこうか。