連載:気まぐれゲーム雑記 第292回:Free to Playに力を入れる企業、と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第292回:Free to Playに力を入れる企業、と言う話題

ゆるやかに、徐々に変化をしていくわけで……。

Free to Playの波が止まらない……?

最近はめっきりフリーミアムとかそういった関連の話題が多くなっている今日この頃ですが、そんなタイミングでエースコンバットもフリーミアムで配信が決定しました。
これが良いことかどうかはわかりませんが、恐らくこれが他社に出来ず自分達なら出来る事、とバンナムさんが考えている部分です。というわけで、今日はそんなバンナムさんをゆるっと紐解いてみようかと思う次第です。

バンナムさんらしい舵取り

バンナムさん、というよりもバンダイさんに限って言えば、誰もが描くイメージは「クソゲーメーカー」です。いやこれ、本音でズバッと自分なりの印象を書いたわけではありません。……まぁ、同意はしますけど。
これは、サイバーコネクトツーの社長である松山洋氏のブログに「.hack//」の製作手記が掲載されているわけですが、そこにバンダイの当時事業部長になった鵜之澤伸氏(現副社長)の言葉として書かれているわけでして。

“あのさ。今のバンダイは世間からみても『クソゲーメーカー』なんだよ。
お預かりしてる版権のキャラクターゲームすらまともに作れない会社が
オリジナルタイトル作ったって売れっこない。
今はまず信頼を作る時。
だからお前のところの企画以外も全部オリジナルの企画タイトルは潰した。
で。サイバーは技術力も企画力もあって優秀だと思うんだけど、結果的に売れてない。
一度、売れる成功体験をすべきだと思うんだよ。

[引用元:ゲーム制作会社 サイバーコネクトツー 松山洋の「絶望禁止」ブログさん]

「.hack//」の時代からすでに認識していたあたりは、流石はバンナムさんですね。自己分析が良くできております。

そこを踏まえて、フリーミアムの話題を中心に話を進めていきます。
まず、バンナムさんはガンダムバトルオペレーションをPS3でフリーミアムタイトルとして出し、脚光を浴びました。次に、鉄拳レボリューション。そして今回のエースコンバット。この流れは、バンナムさんの中でもコンシューマ機で実績があるタイトル群、且つ課金形態と相性が良さそうなモノをどんどんとつぎ込んでいる様が見えてきます。メジャータイトルをメジャーなハードでフリーミアムにするというのは、案外良い手法でしょう。それにガンダムや鉄拳などのソーシャルゲームもありますが、最初に書いた通りバンナムさんのイメージ自体がよろしくないので、どちらをやってもマイナスイメージとしてさほど痛くはないわけです。

で、鉄拳シリーズ総合プロデューサーの原田氏が鉄拳レボリューションをフリーミアムにした理由をいくつかインタビューで答えています。

原田P:
 まあ,もちろんそれだけじゃないけど(笑)。マジメな話をすると,ここ最近のアメリカのデータで,パッケージモデルのゲームセールスが大きく落ち込んでいるという話があるんです。ヨーロッパでも同様に。

4Gamer:
 それは……マズイですね。

原田P:
 つまり軒並みほとんどのタイトルが,計画どおりの売れ方をしていないわけで。これが意味するところは,パッケージビジネスに対する消費者の考え方の変化なのかなと。昔は,コンソールでしかゲームを遊べなかったから,迷ったって買わざるを得なかったじゃないですか。

4Gamer:
 ええ。

原田P:
 でも,今のスマートフォン向けのゲームって,どれも買う前に体験版が遊べて,自分に合うか合わないか購入前に分かるじゃないですか。しかも安い。そういう状況が普通になってきたので,みんなが迷ったら買わないという選択をするようになってきた。

4Gamer:
 そこでF2Pモデルだと。

原田P:
 うん。F2Pだったら,ハードディスクの容量さえあれば,すぐに始められるわけで,友達も誘いやすいですよね。おかげでコミュニティも広がりやすい。PCやモバイル系のタイトルは,先んじてこれをやってきたわけだけど,その波がいよいよコンソールにもやって来た,という感じです。

[引用元:4Gamer.netさん]

ここから、ユーザーにプレイしてもらうための間口を広げる事に大きな抵抗がないメーカーである事がわかります。これがバンナムさんに出来て他の企業にはできない舵取りなのでしょう。それにパッケージの売り上げがよろしくないというのは、どのメーカーも決算で出している答えです。ゲームがつまらないからパッケージが売れない、で足踏みしていては企業は回りません。時代が変わるなら、売れるように変えていく必要があるのはどこのメーカーも一緒なのです。かといって、安易にブランドを切り売りするかの如く、フリーミアムにすれば良いわけでもないのは誰もが理解している事でしょうけど。

もちろん、これらのフリーミアムタイトルが必ずしもうまくいくわけではありません。それに、今まで通りのパッケージモデルもあって然りです。すべてはバランスの問題で、すべてがフリーミアムになれば良い何てことはないです。むしろ、個人的にはパッケージが大好きですし……。
今後メーカーは、タイトルごとにフリーミアムのビジネスモデルか、パッケージモデルかの選択をしていくようになるでしょう。どのモデルが一番最適と言われるようになるのかはまだまだ分かりませんが、生暖かく見守っておくとそのうち面白い結果が見られるようには思えてなりませんね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:エースコンバットもフリーミアムだっつーんで、バンナムさんが全力でF2Pを採用するあたりは流石だねぇってなお話です。

しゃきーんさん:まぁ、ブラウザやらスマホやらで出るよりは、PS3でフリーミアムって言ってる方がまだ良いかもしれんな。

しょぼーんさん:そういう事ですなぁ。ようは満足するような出来ならみんな課金をするわけだから、どれだけ納得させられるかってな一線なんだよね。そういう意味で、重課金しなけりゃゲームにならない、なんてものはあっちゃいけないってのも当たり前かと。……すべてはバランス次第ってことで……。

しゃきーんさん:そこで問われるのは、メーカーに対する信頼度なんだろうな。……とりわけ、バンナムさんはどうなんだかねぇ……。

連載:気まぐれゲーム雑記 第292回:Free to Playに力を入れる企業、と言う話題に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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