連載:気まぐれゲーム雑記 第277回:シリーズを続けるゲームと続けないゲーム、と言う話題
気まぐれゲーム雑記
第277回:シリーズを続けるゲームと続けないゲーム、と言う話題
どちらが良いとか悪いとかいう問題でもないんだけど……。
シリーズ化を最初から考える企業と、シリーズ化したら駄目なゲーム
昨今において、ゲームの続編をどう考えるかは少々難しい問題です。
決まり切った同じようなテイストのナンバリングタイトルにユーザーはマンネリ化であると言い、かといってメーカーはユーザーに対して新規タイトルを上手くアピールできない。そういった中で、新規タイトルが売れにくいという現状が出来上がってきています。良くも悪くも、ユーザーのニーズがどこにあるのか動向が読めないメーカーは、どんどんシリーズタイトルのみを作っていくという行動に走らせる事になってしまいます。当然、時代が変化してゲームを買う層が減っている、というのもありますし、原因はこれだけじゃないとも言えますが。
別に、似たようなシリーズを出し続けるのは悪い事ではありません。企業である以上、ビジネスなのだから儲けがないとやっていけないからです。それに、そのシリーズに期待している人達だっています。売れるかわからない新規タイトルに力を入れるくらいなら、ナンバリングを続けた方が良いと言う選択もあるわけです。そういったバランスの上でフランチャイズ(シリーズ)は作られていく事になります。
そんなゲーム業界ではありますが、2つ面白い記事を見つけました。1つはUBIの話題で、UBIはすべてのソフトのフランチャイズを最初から考えて作っている、というもの。詳しくはこちら。
まとめると次の様な感じ。
- UBIは全てのゲームのフランチャイズ化を目指している
- フランチャイズ化できると思わなければ、そもそも作らない。なぜならば、金がかかるから出しっぱなしはもうありえない
- 「Watch Dogs」は良いポジションにいるが、その年最大のゲームになるまでUBIが満足することはない
言い得て妙で説得力があります。これで分かる事は、「Watch Dogs」はすでに続編が考えられている、という事でしょう。ナンバリングタイトルを1年おきに作れる企業力はココにあるわけです。で、もう一つは、The Last of Usの続編を作るべきではないと海外メディアのGame Informerがコラムを書いている、という話題です。詳しくはこちら。
まとめると次の様な感じ。
- The Last of Usをクリアし、筆者の今世代最高のゲームTOP5に君臨するにも関わらず、続編が欲しいとは思わない
- 理由は単純で、物語の出来が素晴らしすぎるため
- 筆者自身は続編に反対ではないし、ミラーエッジの新作やトゥームレイダー、XCOM、The Walking Deadといったシリーズの新作も楽しみ
- だが、Call of DutyやAssassin’s Creedの新作にはうんざりしている
- シリーズ化に適しているゲームもあれば、単体で終了すべきゲームもあるということ
- 率直にいって、精神的続編なら問題はないが、The Last of Usのフランチャイズ化は裏目に出ると考えている
- だが、新規タイトルというのは売るのが難しく、新鮮で独創的な作品を作るのはリスクが高い
- 成功したのだから、シリーズ化によって更なる利益を求めるのはフェアというものだし、2作目は1作目よりも売れる
- とはいえ、好評だからといって続編が必要ということはない
- 素晴らしい芸術作品というのはそれ単体で存在しうるものであり、The Last of Usも例外ではない
恐ろしいくらいThe Last of Usをべた褒めしていますが、言い得て妙でこちらの意見も説得力があるわけです。というわけで、今日はそんなシリーズを続ける続編とそうじゃない続編が如何に大変かというのをアレコレ書いてみようかと思う次第です。
続編の善し悪しは人それぞれ
何が続編に向いていて、何が向いていないのか。恐らくは個々で意見は違うでしょう。
ですが、少なくともマンネリ化を覚えるようなタイトルは、ブランドとして終わりが近いようにも思えます。もちろん、そのマンネリを感じるような基準が個々で違うため、それぞれ意見が異なるものになるのでしょうけど……。それでも、ブランド化したタイトルはどんどん続いていく事になります。先にも書いたとおり、企業は儲けを出さないといけないからです。
例えば、人気タイトルの続編が出たので実際プレイしてみたら続編というよりも拡張に過ぎなかった、と言う事はないでしょうか? ちょっと武器が増えた、ちょっとキャラが増えた、ちょっとシステムが変わった、それだけの事です。ですが、我らユーザーの意見は十人十色で、そのちょっとで満足する人もいればそうじゃない人もいます。そういった部分で、シリーズ化が良いか悪いかが叫ばれることになります。
また、「シリーズタイトルの名を借りただけの別物」という場合もよくある話でしょう。そういったものは、シリーズタイトルの名を借りないと売れないゲームという見方が出来ますし、逆から見ればそうするだけで売れてしまうゲームという見方も可能です。これもまた、シリーズ化を良しとするか否か、どちらから見ているかという事が言えます。
先日話題になった、ロックマンDASH3はそれらとは逆のケースになります。ユーザーが続編を望みつつも、メーカーがそれを拒絶するというちょっと珍しい例です。メーカーは、儲けを出さないといけないという至上の目標があります。こうなると、わかりやすいのはKickstarterなどのクラウドファンディングでしょう。実際、どれくらいの資金が必要で、どの程度の儲けがあれば納得するのか。そういった部分を明確にすれば、見えてくるものがあるかもしれません。……まぁ、メーカーがそういった開発費などを出す事はないでしょうが……。
今のゲーム業界には、シリーズ化を望まれる声と望まない声が多くあります。どれが良い悪いという意見もたくさんあるとも思いますが、メーカーがより良い方法で続編タイトルや新規タイトルを開発していく環境を作っていくのが一番いいのかもしれませんね。そういう意味も含め、クラウドファンディングなどの動きには期待したいものです。
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:続編をつくらんほうがいい! ってのと、シリーズ化は最初から考えて作ってるヨーって記事があったんで、まとめて書いてみました。
:ふむ。まぁタイトルによりにけりだよな。
:わたくしとしては、それ一つで見事に完結しているという作品こそ、シリーズ化しないで欲しいと言う想いは強くなるかな。でも、シリーズ化っていっても必ずうまくいくわけでもないし、どっちがいいってのはすんごく難しい話だと思う。……流石にどこまでもナンバリングが続くとお腹いっぱい感は出て来ちゃうけどネー。
:その基準さえも、人それぞれだとは思うがね。
:
:
:
: