任天堂:任天堂の株主総会質疑応答で気になったポイント

Wii Uが今後どうなっていくのか注目されている「任天堂」さんですが、先日株主総会が行われそこでの質疑応答が公式サイトに公開されました。詳しくはこちら
全部まとめようかと思ったのですが、あまりにも膨大な量なのでとくに気になったポイントだけを抜き取って紹介しておこうかと思う次第です。

Q.5

Wii Uやニンテンドー3DSという一つのプラットフォームは6、7年使われるのが前提なので、その期間の業績で経営成績は判断されるべきだと思う。今年1月の経営方針説明会では、岩田社長からコミットメントという発言があり、報道では「辞任を示唆」と書いてあった。自分は、岩田社長が一つのプラットフォームの間ずっと経営をやり続けるという前提で株を買い増してきたが、もし辞任という話になると話が違ってくるので、その真意をお尋ねしたい。

A.5

まず、今おっしゃったように、本年1月末に前年度(第73期)の第3四半期の決算発表の席で、第74期の業績に関しては、その当時の足下の為替レートである1ドル=90円、1ユーロ=120円を前提として、営業利益1000億円を目指すということを申しあげました。
~中略~
確かに、「コミットメント」という言葉を使ったことで、「辞任を示唆」という記事が出たというのはおっしゃるとおりですが、一方で私は質問に対して、あるいは誰かから何かを聞かれたことについて、自分の進退について何か語ったことはございません。
~中略~
現在私は、この業績目標をどのように達成するかを考えることにエネルギーを使っていまして、「万が一達成できない場合にどうしようか、そのシナリオはどうするんだ」といったことにそもそもそれほどエネルギーを使っておりません。また、そのことをあれこれ具体的に語る段階でもないと思っています。その意味では、「われわれはこの目標の達成に向けて最善の努力をし、必ず達成したいという意思を持っています」ということがコミットメントの意味だとお考えください。具体的に達成できない場合はどうこうという報道に関しては、私の発言からではなくて、他の方がその言葉を聞いてどう思われたか、ということが報道されているのだと理解しております。応援のメッセージと受け止めさせていただきます。ありがとうございます。

これはようするに、岩田社長がコミットメントとしている1000億円の営業利益を達成できなかった場合、辞任を示唆しているという記事がメディアに出た、ということについての言及です。で、そもそも辞任は岩田社長自身が発言したものではないので示唆していないし、目標が達成出来なかった事はさほど考えてもいないし、自分の進退についても語った事はない、という受け答えになった、というものです。

今の任天堂の株主は、多少なりとも岩田社長という人物像を信用して投資している人もいるというところでしょうか。確かに、あの任天堂で岩田社長に代わる人物がいるかと問われると、中々難しい物があります。ニンテンドーダイレクトでも任天堂としての顔になっているわけですし、メディアと自身の思惑は違う、というのが垣間見える部分でしょう。メディアはこういう時「ペンは剣よりも強い」というのを地で行く人も多いわけで、相互理解とは何とも難しいものです。

Q.11

「Nintendo Web Framework」によって任天堂が目指す将来像、例えば個人の開発者の方に大きく門戸を開くのかといった点について、考えを聞かせてほしい。

A.11

「Nintendo Web Framework」について、先ほどのご説明は少しあっさりし過ぎたかもしれません。私たちは「ゲーム人口の拡大」とか「ユーザー人口の拡大」というこ とを申しあげてきましたが、実はこのプロジェクトは社内では「開発者人口の拡大」と呼んでおります。
~中略~
ただ、大量の個人の開発者の方に「Wii U向けの開発をしたい」とお申し出いただいても、今すぐに対応ができませんので、「明日から個人の開発者の方に門戸を広げる」というわけではございません が、ご興味をお持ちの会社については、規模やゲーム開発経験の有無を問わず受け付けを行っております。将来的には、個人の方の参加の可能性についても当然 考えていきたいと思います。最初のステップとして、非常に大規模になったゲーム専用機のソフト作りをもっと幅広い人にしていただけるようにすることで、 もっと新しいゲームのアイデアや可能性が広がっていくことを期待しております。これは2年以上前から取り組み、今年の3月に発表した試みですが、そういう 流れで進めているということをご理解ください。ありがとうございました。

Nintendo Web Frameworkとは、HTML5+JavaScriptでゲームが開発出来るというものです。最近のスマホ関連はそれで作られているゲームも多数あります。それを個人にも門戸を開く可能性があるというのだから、「早くやって下さい」と言わざるを得ません。……うん、正直、わたくしが触って見たいだけなんですけどね。

半分は冗談ですが、個人に門戸を開くというのは、インディーズにおいてもかなり高い優位性を保つ事ができます。現にソニーもPSMで個人開発者に門戸を開いているわけですし、インディーズの地位は今後そういった「どのハードが門戸を開いてくれるか」で変わってくるでしょう。気楽にゲーム開発できる環境が手に入るなら、それに越した事はないのです。

主に気になったのはその2つくらいですが、何となく今回の質疑応答は質問のテイストが経営関連の話題から遠ざかっている気がしないこともありません。多くの注目を浴びる任天堂だからこそなのかもしれませんが、今後も頑張って良いタイトルを出し続けて欲しいモノですね。

[情報元:2013年6月27日定時株主総会質疑応答|Q.5引用元,Q.11引用元さん]

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しゃきーんさん:任天堂さんの株主質疑応答が公開されてるぞ。

しょぼーんさん:コミットメントの辞任示唆記事についても言及してるけど、まぁ確かに辞任するとはどこでも言わなかったからねぇ。メディアといち社長の認識の違いというやつっすな。とりあえず頑張るっつってんだし、結果が出てから改めて言及すればいい話っしょ。

しゃきーんさん:まぁな。あとは、Nintendo Web Frameworkの話か。どうなの? これ。

しょぼーんさん:個人への門戸を開くかどうかが鍵かなーと。個人でも十分凄い人達は多いんだし、そういう人達からMine CraftのNotchみたいな凄い人が出てきて欲しいとも思う。やっぱり、そういう開発者に好まれる環境は土壌として大切だよ。そういう方向性にも、可能性を見出してあげて欲しいな。

任天堂:任天堂の株主総会質疑応答で気になったポイントに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

しょぼーんさん

しゃきーんさん

記事にコメントを書く