気まぐれゲーム雑記
第197回：Unity for Wii UでWii U市場は盛りあがっていただきたい、と言う話題

Wii Uがもりあがれるのかどうか。

任天堂がUnityに本気

Unityというツールをご存じでしょうか？
最近何となく聞いた事があるという人も多いでしょうが、一言で言えばゲーム開発ツールです。FlashやiOS、Androidをサポートしていますし、何よりも無料で結構なものが作れるというのが売りでした。もちろん、Pro仕様だったりすると有料なわけですが、ベースだけなら無料でも勉強できる、というわけです。

そんなUnityですが、Wii Uを完全サポートするUnity for Wii Uの紹介が行われました。詳しくはこちら。
さくっとまとめると、次の様な感じ。

• Unity for Wii Uは、Wii U に最新のUnityを提供する目的で開発された
• 基本的に、Wii Uの登録開発者であれば無料で提供され、無料だからといって機能が制限されることもない
• Unity4.1以降の機能はすべて利用可能
• 本家のUnityでは未実装の機能について、Unity for Wii Uが先に実装されることもある
• Wii Uゲームパッドの対応も簡単
• Wii U向けに任天堂から提供されているフレンドプレゼンスやMiiverse、ボイスチャットの機能もソースコード付きでネイティブプラグインによるサポートが予定
• スマートフォンやタブレット端末向けのゲームとWii Uゲームパッドの親和性の高さを強調
• 任天堂はUnite Japan 2013のメインスポンサーでもあり、Unityコミュニティに大きな期待を持っている

こんな感じでしょうか。
というわけで、Unity for Wii Uで盛りあがりを見せるのかどうかをあれやこれやと書いて見ようかと思う次第です。

基本的には、スマートフォンやタブレット端末からの流れ

先ほども書いた通り、UnityはFlashやiOS、Androidをサポートしているゲームエンジンです。ですが、必ずしもそれだけかと言えばそういうことでもなく、Vitaの「Escape Plan」もUnityで製作されたものです。こちらから確認できます。インディーズな方でも使用されている開発者の方は多いですし、やはり話題になるだけはあるツールでしょう。

Wii Uの登録開発者であれば、無料でUnity for Wii Uが使えるというのも大きいです。元よりWii UゲームパッドとiOSやAndroidの親和性が高いというのは、誰がどうみてもわかっていることです。Wii Uにインディーズやら学生開発者やらを取り込もうという気概は見えるわけですが、当然ながらネックな部分も見え隠れします。

ネックな部分としては、Unity for Wii Uは任天堂と契約すればProライセンスが無料になるようですが、他にも開発機を借りないと実際の開発は行えないのではなかろうか？　というのが一点。
もう一つは、Wii U独占タイトルが出てくるのかどうか、というのが挙げられます。iOSやAndroidでの開発をする事ができるUnityなのですから、そちらからWii Uにシフトする……わけではなく、Wii Uでも出すという選択をするのではなかろうか？　という懸念です。これだとWii Uだから出来るゲーム、というわけではないので強いウリにはなりにくいでしょう。とはいえ、iOSやAndroidでゲームをしない層にアピールできるという意味では良い結果を出す事になるとも言えるでしょうから、一概に懸念だけというわけでもないですが。

現在、Wii Uではタイトル不足が叫ばれていて、6月のE3以降どうやって立て直していくのかが注目されています。そんな中、Unityで多くの開発者達をWii Uに誘導する事ができるでしょうか？
任天堂がこのようなオープンな施策をしてくるのもまた時代だとは思いますが、すでに発表されているNintendo Web Frameworkと合わせてその動向を見守りたいですね。