連載:気まぐれゲーム雑記 第176回:日本と海外市場の隔絶が進んでいるらしい、と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第176回:日本と海外市場の隔絶が進んでいるらしい、と言う話題

一つの解釈として、十分に有りな方向です。

インディーズが注目される……のは海外だけなのか?

昨今、海外ではマインクラフトの成功によってインディーズではゴールドラッシュのような現象が起きています。
マインクラフトに続けといわんばかりに色々なインディーズタイトルが出て、風ノ旅ビトもそうですし、テラリアもマインクラフトの制作者であるノッチ氏がツイッターでつぶやいたのがきっかけで話題になりました。とはいえど、いくらゴールドラッシュとはいえその中でヒットとなるタイトルはごく一部。また、最近では資金集めに使われるKickstarterでも著名なクリエイターが出て来る傾向があり、無名クリエイターが成り上がる場として良くも悪くも賑わっている状態です。

そんな賑わいとは対照的に、日本と言えば中々インディーズが盛りあがらない現実があります。そんな日本のインディーズシーンに一石を投じるイベント「BitSummit」が開かれたのは当ブログでもこちらで紹介しましたが、先日「日本のゲームは終わったか? BitSummitの逆襲」と中々面白いアプローチの記事が掲載されたので、ご紹介したいと思います。ちなみに、その記事を書いた方はIGDA(国際ゲーム開発者協会)日本代表の小野憲史氏です。詳しくはこちら
まとめると、次の様な感じです。

  • 今のゲーム業界は、ガッツリ遊べる超大作ゲームと、ライトに遊べるカジュアルゲームの二極化が進んでいるせいで、中間層がどんどんやせ細っている
  • そういう状況の中で欧米圏では注目を集めているのがインディーズで、iOSやAndroid、ValveのSteamで日本では知られていないようなヒット作が並んでいる
  • 一方で日本ではグリー・モバゲを筆頭にソーシャルゲームが急成長し、ソーシャルカードゲームが乱立する状況となった
  • 今の状況は、日本と欧米で過去に例がないほど市場の隔絶が進んでいる
  • だからこそ、海外で「日本のゲームは終わった」という言説が一人歩きしてしまっている
  • 色々なインディーズの開発者が講演する中、特別講演としてValveのエンジニアが来日し、Steamの特徴や参入方法などが紹介された
  • Steamのユーザーは5000万人で、配信タイトルは4分の1がインディーズゲームとなっており、海外向けにゲームを配信するには最適のプラットフォーム
  • 利益配分は開発側が7でSteamが3
  • 「日本のゲームは終わったのか?」なんて言われているうちに、多くの人達で知恵を出し合って、次のステージへ進みたい

ざっとこんなところでしょうか。
各ゲームのインタビューとかもありましたが、どちらかと言えば市場云々にスポットを当てたいので、今回はそこらへんはざっくりと省略しました。ということで、Steamとか何だとか日本市場のインディーズの立場ってどうなるのかなぁ? という妄想話をしてみようかと思う次第です。

そもそも市場が形成されにくい環境

今までもいくつかインディーズについて書いた事がありますが、日本におけるインディーズの抱えている問題は、1にインディーズの存在が認知されていない事。2に環境が少なすぎる事(配信するハードや開発ツールの問題)。3に発表の場が限りなく少ない事が挙げられます。まぁ、他にもあるとは思いますが、この3点もそんなにズレた事は言っていないでしょう。

市場として形成するならば需要と供給が必要になります。需要を生むためには存在を知ってもらわないと話になりません。PLAYISMさんやSteamなど供給源はあるものの、多くのユーザーに求められるような状況がまだ作られていないのが現状でしょう。
それにBitSummitでSteamの紹介がありましたが、ローカライズの壁というのは開発者にとって中々に敷居が高いです。PLAYISMさんなどではそういったローカライズの手伝いもしてくれているようですが、そもそもインディーズに対するユーザーの認知度が低すぎるため、日本と海外のインディーズの取り扱いにココまでの格差が出たように思っています。

この現状は、海外だとPCゲームが主流だったことと、日本だと家庭用ゲームが主流だったことに大きな違いがあります。PCゲームが主流だった海外では、開発者達はパソコンがあれば自力で製作する事が可能でした。いやまぁ、C言語とか何だとか色々ツールはありますが、家庭用ゲーム機で出すほどの敷居の高さはないわけです。金銭的な意味でもそれはあるでしょう。

ちなみに、日本の同人ゲーム「ルセッティア」はローカライズしSteamで配信され、10万本以上のセールスを見せました。ルセッティア自体、日本で知っている人はそういった方向に精通したユーザーのみだとは思いますが、ちゃんと海外でも日本のインディーズタイトルが配信されているというケースもあります。……管理人もプレイしましたが、結構良くできたゲームだと思いますよ?

いずれにせよ、そのような国内と海外の違いもあってか、日本だとPCゲームなどは一部のPCゲーマー達にしかウケないような状況になっていました。
ですが、日本でも「BitSummit」のように少しずつではありますが日本のインディーズゲームを盛り上げようとする動きも見られます。今後、どうやってインディーズ市場を形成していくのかはまだまだわかりませんが、PSモバイルのような動きもありますし、各ハード単位でもそういった時代の流れを把握して、より多くのユーザーニーズに応えられるように盛り上げていってほしいものですね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:日本と海外市場の隔絶が進んでいるって一言が、中々に良い事をおっしゃられてるなぁと感心したので、取り上げてみました。

しゃきーんさん:中間層のゲームがないってのは、上手い表現だよな。良い感じに説得力があったように思えるわ。

しょぼーんさん:前々から言ってるけど、わたくしとしてはインディーズはもっと盛りあがって良いと思うのです。でも、やっぱりそういった環境作りの方をしないと、日本と海外は違うからなぁという問題も山積しております。……それでも、B級テイストっぽいインディーズゲームって好きだから、誰かどうにかしてくれてもいいのよ?

しゃきーんさん:うちらとしては、こうやって話題を取り上げて問題提起するくらいしかできねーのが現実だわなぁ。……お金方面なら、せいぜいKickstarterで資金募集するくらいしかうかばねーわ。何するかもわからんがな。

連載:気まぐれゲーム雑記 第176回:日本と海外市場の隔絶が進んでいるらしい、と言う話題に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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