連載:気まぐれゲーム雑記 第172回:パッケージゲームが生き残れるか? の議論に日本ゲームユーザー協会様がいた、と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第172回:パッケージゲームが生き残れるか? の議論に日本ゲームユーザー協会様がいた、と言う話題

時代をどう捉えるか、という話です。

久々に見かけたお名前でした、“日本ゲームユーザー協会”様

世の中には、多くのトークイベントがあります。
巧みな話術で多くの聴者達をトリコにする……かどうかは皆目分かりませんが、まぁ何かしら面白味があれば聞きに行くのが人間の性というものです。漫才もそうですし、昔なら落語もあります。言わば、トークイベントとは町人文化とも言えるわけです。
ちなみにわたくしの話術につきましては、あまりにもシャイすぎてトークにならないがためにWEB上にこのような文章を書き綴っている次第で、そのような巧みな話術に匹敵するかの如くな文章力(?)とやらを入手したいがため日々文章の鍛錬をしているわけです。……シャイじゃないとか、普段はマシンガントークだとか、そんな声が四方八方から聞こえて来るような気配はしますが、自称・シャイボーイで貫き通します。キャラクターの位置付け的なアイデンティティだと思って下さい。

そんな巷に溢れるトークイベントですが、ゲームに関するトークイベント「黒川塾」なるイベントにて、かつて当ブログでも散々取り上げた“日本ゲームユーザー協会”様をお見受けしました。議題は「僕らのゲーム業界ってなんだ……!?」というざっくばらんとした話だそうです。詳しくはこちら
ちなみに、黒川塾のイベント内容をまとめると次のような感じ。

  • 日本ゲームユーザー協会は、ゲームが売れなくなっている現状に一石を投じて盛り上げる事を目的に作られた
  • でも、元ジンガジャパンの松原健二氏曰く、パッケージゲームが売れなくなっている一方でソーシャルゲームは売れているので、ゲームがうれなくなったわけではない
  • パズドラの一ヶ月の売上をPS3で換算すれば、250~300万本売らないといけない
  • しかし、そもそも日本ゲームユーザー協会は“物理的に物がある”ゲームを応援対象としている
  • 松原氏曰く、多くの作り手達はパッケージはなくなっていくだろうと考えている
  • 猿楽庁の橋本徹氏も、書籍やレコードの存在もありまだ葛藤しているがダウンロードの方が優位性がある
  • 黒川氏曰く、任天堂は家族で遊ぶ方向、Kinectもみんなで体を動かして楽しむ遊び方を提案したが、今後はなくなっていく部分と考えている
  • 特に、PS4はGaikaiと言うクラウドサービスを買収したことで、ゲームをダウンロードさせて遊ばせようと意図している
  • ゲームが、コミュニケーションを楽しむための共通言語となれば良い

こんな感じでしょうか。大変申し訳ないですが、eスポーツについての話題はちょっとスルーさせて頂きます。というのも管理人自体が古い人間で、eスポーツをやる側には立てそうにもないからです。
そんなこんなではありますが、パッケージゲームがどのような終着点を見せるのか、という妄想話をしてみようかと思う次第です。……あ、あと日本ゲームユーザー協会様にもツッコミは入れてみようかと思います。

流石に時代錯誤を感じた……

パッケージゲームが生き残れるかというのは、要するにパッケージが良いかダウンロードが良いか、という問題になります。
いきなり結論から言っちゃいますと、パッケージがいいか、ダウンロードがいいかは流通を知っている専門家や現場の人間でもない限りある程度の答えが出ないのではなかろうかと。時代は確かにダウンロードへと進んでいますがそれぞれに一長一短の要素を持ち合わせていて、どちらを選ぶかはユーザーや技術、時代でしょう。今の段階では、両方共に残り続けていく、という答えしか出せませんし、どちらか一方になるという答えをすぐさま出せる人はいないと考えています。もちろん、「未来の展望としてなら」いくらでも答えは出てくるでしょうし、それに向かって技術革新を進めるというのは良いことだと思いますが。

で、この黒川塾でのトークで一際時代錯誤を感じたのは、日本ゲームユーザー協会の平井氏に思えます。特に“物理的に物がある”云々を述べられたのは不味かった。これはツッコミを受けざるを得ない発言です。

先に言っておきますが、自分はDLするよりもパッケージを選ぶタイプの人間です。そこにあるのは単なる昔ならではの懐かしさではなく、「物理メディアの方がまだ安心できる時代」だと考えているからです。これはあくまでも個人的意見ですけどね。でも、時代が完全にDLに移行するというなら全然問題はないとも思っています。
で、平井氏のソーシャルを応援しないで物理的なパッケージゲームのみを応援する行為は、いわゆる懐かしさや伝統という流れなのでそこらへんは理解できそうな気はしますが、そもそもこの考えだとソーシャルではないダウンロード専用タイトルやオンラインゲームをも否定することになります。世界で絶賛された「風ノ旅ビト」やインディーズゲームで注目された「Mine Craft」「メゾン・ド・魔王」、それに一応パッケージでも発売されましたが「PSO2」も該当するでしょうか。それこそゲーム好きなら手を出す可能性があろうタイトルを「物理メディアではないからゲームユーザー協会の応援するゲームとは定義しない」というのは、中々に興味深いアプローチです。……ランキングも相変らず変なテイストのようですし。

ゲームを盛り上げたいと考えておられる団体なら、むしろDL専用ゲームの方向性もきちんと盛り上げていくのがスタンダードには思えますし、それは「差別化すべき対象」には到底思えません。大手と差別化されているインディーズタイトルですら、日本でもTGSでブースが設けられるくらいには注目視されているというのに、ゲームを率先して盛り上げようとしている人達がその選択肢さえも除外するというのは実に興味深い。もし差別化したいなら、利益重視のソーシャルゲームと従来のゲームを分けて考えているという感じでしょうか。その方が多くのゲームユーザーからの共感が得られる事のようには思えます。本来は、ゲーム業界を盛り上げるために動いているはずなのだから、共感されたり応援されたりするのが通常ある形だと思うわけですが、平井氏は恐らく色んな意味で言葉が足りないのでしょうね……。

個人的意見ではありますが、パッケージが良いかダウンロードが良いかは、ユーザーからみれば情報の解釈の仕方で選ばれるに過ぎないと思うのです。どちらも基本的には同じゲームなのです。当然思い入れがあるとか何だとか色んな感情は理解できますが、それは個々のものであって、どちらが良いかは多くのユーザーの意見や技術、時代、もしくは企業のマネー的都合が決めていく事になると考えています。
先にも書いたとおり、個人的には未だパッケージの方が安心できるのでパッケージを買い続けるとは思いますが、自分が生きている間にその議論に決着はつくのかどうか……。生暖かく見守りたいですね。

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:なんか久しぶりに日本ゲームユーザー協会の文字を見かけたので読んでみたけど、素晴らしいくらい時代錯誤感満載だったのでほんとにこう思ってるのかなぁ? と。あと、パッケージとダウンロードのどちらが良いかなんて議論の決着はまだまだ先じゃね? と思った次第。

しゃきーんさん:ま、まぁそういうのをちゃんとした統計で出してくれるような人が議論に参加していない限りは、決着が付かない話題だな。

しょぼーんさん:そういうことで。ついでに、わたくしとしては日本ゲームユーザー協会様って喧嘩売りたいわけでも何でもないんだけど、余りにも言葉が足りなすぎるって感じっすかねぇ。ディベートにおいて理論武装は必須だよ、ってわたくしも某お偉そうな人に言われました。

しゃきーんさん:反証を受けないような受け答えがトークには重要、ってことかねぇ? ……うちらじゃ無理な話に思えて来たわ。

連載:気まぐれゲーム雑記 第172回:パッケージゲームが生き残れるか? の議論に日本ゲームユーザー協会様がいた、と言う話題に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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