連載:気まぐれゲーム雑記 第133回:Vitaの苦戦を過激に書くと撤退戦になるらしい、と言う話題
気まぐれゲーム雑記
第133回「Vitaの苦戦は撤退戦になるらしい、と言う話題」
どういった事なのでしょう?
良くも悪くも苦戦している事の表れ……?
現在、Vitaが市場において苦戦しているのは誰の目にも明らかな事でしょう。
とはいえど、PS3も発売当初は苦戦していましたし、5年という長い歳月を得て7700万ユーザーを数えるまでに成長しました。Vitaの市場もそういった長いサイクルを考えているのかもしれません。
そんなPSビジネスを抱えているソニーですが、ドラクエ10のサイコロ賭博記事を書いた事でも知られているゲームジャーナリスト新清士氏が「プレステは復活できるか ソニー、試される撤退戦」という中々にセンセーショナルな記事が日経新聞に掲載されました。詳しくはこちら。
一部会員じゃないと見られない記事になっていますが、いつものテイストでまとめてみると次のような感じです。
- Vitaは、キラータイトルがないために惨敗状態
- 海外でもVitaは400万台、3DSは2800万台と遠く及ばないし、携帯ゲーム機の争いはスマホとの競合に入っているため、蚊帳の外状態
- Vitaは、最高クラスのハード性能を持っているし、細かいアップデートによって見るべき点は多くなったが、一般ユーザーは動かせていない
- ハイエンドのスペックを持ちながらもヒットしなかったため量産効果がなく、値下げもできなかった
- 性能は「iPhone5」に追いつかれ、アンドロイド端末「エクスペリアZ」にも追い抜かれる
- Vitaは現状様々な失敗を抱えているが、「PSモバイル」の立ち上がりの失敗は深刻で、12月の配信タイトルは2タイトルしかない
- PSモバイルは、グーグルプレイやアップルストアと似たものを、PSストアとVita、アンドロイド端末を結びつけてやろうとしているサービス
- ソニーの戦略の弱さは、SCEだけではなくソニーグループも同じで、ナスネ自体は評価が高いモノの、別端末への利用方法がわかりにくい
- ソニーは自社製品を軸にハード同士を結びつけてサービスを提供する戦略をとっているが、上手く機能していない
- ソニーグループは、戦線を広げすぎたためにしっかりと製品同士が結び付いておらず、ユーザーにはわかりにくい
- 故スティーブ・ジョブズ氏がアップル製品のラインナップを4種類に絞ったのは有名な話だが、ソニーグループにそれができるとは考えにくい
- 日本企業は製品の絞り込みをするような撤退戦が苦手だろうし、思い切ってVitaを切り、全てをアンドロイド端末に集中するようなトップの意思決定は難しい
- Vitaを中心とした新しいネット流通市場の立ち回りに期待するインディーズは多い
- Xbox360でもインディーズ市場を用意したものの、アメリカと日本の違いがあってか、発売されないケースもある
- PSモバイルなら、日本の常識が通用するので期待している
PSモバイルについて簡単に説明しておくと、Vitaとソニー製のタブレット、スマートフォンでPSストアのアプリケーションを買えるというもので、個人でもライセンス料を支払えば開発キットを使ってアプリケーションを作り、PSストアで販売する事が可能となっている仕組みです。
ついでに、新清士氏はソニーの次世代機(仮にPS4としている)についても言及していますが、噂レベルの話を信用して記事を構築しているので、オマケ程度のまとめだと思って下さい。
- 次期PS4の仕様に疑問で、アメリカKotakuの情報を鵜呑みにすれば互換はなく、CPUの編成の影響で製品間の開発に苦戦が強いられると考えられる
- Xbox360の後継機の方がシンプルな設計と考えられるので、PS4の性能を上回る可能性が高い
- SCEが変速ハードにしたのはGaikaiのクラウド技術の実現が関係しているのではないかと推測する
- Gaikaiの技術が他ハードと整合性がとれるかは別問題
「CPUの編成」(原文ママ)という書き方は中々にアレなモノを感じてなりませんが、CPUのコア数が製品間での開発に影響というのも同様にアレな感じですね。こう……分かって書いているのかなぁ? とは思えてなりません。そもそも正式発表されているわけでもないスペックを基に記事を構築しているので、何を言っても許されるのかなぁ、とあえて好意的に受け止めておくことにします。……まぁ、そういう御仁ですし、ね?
というわけで、今日はそんなソニー……というかVitaが苦戦しているけどどうなっちゃうのかな? という話題をしてみようかと思う次第です。
現時点で、ソニーの主な成長事業は「デジタルイメージング」「モバイル」「ゲーム」である
2013 Internatinal CESにて、ソニーの平井社長は成長事業に「ゲーム」がある事を明言していて、またVitaは「5年後を振り返った際に、PSPのように成功したプラットフォームになったと言えるように育てていかなくてはいけない」と語っています。詳しくはこちら。(記事中の「ゲームは「クラウドへの変革」の時期。~」という段落です)
そこらへんから考えてわかるとおり、Vitaは長期に渡って育てていくのは明らかで、流石に今年行われたイベントで発言したことをすぐさま手のひら返しするとも思いがたいです。ここらへんはWii Uも似たようなもので、新ハードがすぐさま爆発ヒット、というのは普通ではないと見て然るべきでしょう。PS3の時も、順調にいくまで随分とかかったものです。まぁ、さくっと爆発ヒットすればそれに越した事はないわけですが。
とはいえど、Vitaが苦戦している現状も間違ってはおらず、何かきっかけとなるキラータイトルか、ラインナップを豊富にしてからの値下げなど、消費者に確固たるアプローチが必要となっているのも確かです。またPSモバイルも、グーグルプレイやアップルストアに比べたら開発者にとって強いうま味を生むかというのを考えると、ちょっと微妙なラインでもあります。PCが当たり前に普及した世の中で、わざわざライセンス料を払ってまでして(とはいえ、年間8千円ですが)Vitaでどうこうしたいという人がどれくらいいるか、というのは気になるところでもあります。
個人的には、ツール自体はフリーで配って、PSストアでの配信手続きにライセンス料が必要、という風にする路線がある程度スマートかなぁとは思っていたりします。
切り札はクラウド技術?
同じく2013 Internatinal CESにて、平井社長は今までのコンソール(据え置き機や携帯ゲーム機)とディスク購入する従来のビジネスから、クラウドへの移行を示唆していて、Gaikaiのクラウド技術でSCEのビジネスモデルをどのように変えるのかが重要とも言える発言をしています。Gaikaiの技術をソニー全体で使うけどSCEが優先で、まずはゲームビジネスで生かす、という事のようなので、それがPS4になるかどうかと、そういったPS4とPSモバイル、Vitaが連動することになるのかどうかが注目どころでしょう。
ソニーの次世代機は、E3が近くなればまた話題になってくるのは間違いありません。また、マイクロソフトもE3で次世代機なり何かしらを発表するような事を示唆してますし、任天堂もE3でWii U向けタイトルをいくつか発表する予定である事を明かしています。
その時、Vitaがどういう状況になっていて、どういった話題を提供する事になるのかはまだまだ見えてきません。ですが、2年目となった今年は、今回のような撤退云々なんて記事が出ないくらいには、結果を出していってユーザーを安心させて欲しいですね!
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:何やらソニーに撤退戦したら? といった感じの記事が、色々とアレな感じもしたので、ゲームブログ各界の底辺でしがらみもなく勝手に叫ぶブログとしましては、ガシガシ書いておこうと思ったって言うお話です。
:商品価値のサイクルが早まっているとはいえど、新ハードが1年そこいらで撤退云々っていうのは流石に芸がない話だよな。経済状況も上向きつつあるというこの時期に。
:お書きになられているお方がそういう御仁だからしょうがないかなーとは思ったりもしている次第。まぁたまにはこういった話題を取り扱うのもいいかなーと。それにしても人の意見は十人十色で色々あるけど、仮にも経済新聞なのにPS4の仕様とかリークの噂話を基に書くってのはいささかどうかと。
:まぁ、噂話にも飛びつくのがメディアだからしょうがないんじゃね? ある程度の噂は知っておいて損はないしな。……とはいえ、それを書く場とはいささか違う気もしてならんわけだが……。
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