連載:気まぐれゲーム雑記 第99回:THQの売却先とかエンタースフィアが買収とかビジネスは諸行無常である、と言う話題

気まぐれゲーム雑記
第99回「THQの売却先とかエンタースフィアが買収とかビジネスは諸行無常である、と言う話題」

何がヒットするかわからない世の中なのです。

買う企業に買われる企業

ゲーム業界に限った話ではありませんが、企業間におけるビジネス競争は非常に手厳しいです。
かく言うゲーム業界で言えば、THQはこの先どうなるのかわからない状況(当然ながら期待はしたい)ですし、ソーシャル系では独立系企業がどんどこ買収されていきます。言わば市場は戦国乱世であり、諸行無常であるという言葉がマッチングするでしょう。あ、ちなみに諸行無常とは「この世のあらゆるものはすべて移ろい行く」と言う意味で、要するに世の中の流れというモノは自己(この場合で言えば企業・会社)を保ち続ける事の難しさや如何に? と言う意味合いで使っている次第です。

そんな諸行無常感を満載に醸し出しているゲーム業界ではありますが、海外メディアのIGNが「THQの各スタジオやゲームタイトルが売却になった場合どこが買い取るのか」という、何とも我らゲーマーが好みそうな妄想をコラムにしました。詳しくはこちら
まとめちゃうと以下の通り。

  • THQが連邦倒産法第11章の適用を申請したことで、ゲームフランチャイズや開発スタジオは売却される可能性もでているので、予想してみた
  • South Park: The Stick of Truthは、マイクロソフトが買う可能性あり。理由は、XBLAに2本の独占タイトルを出した事があり、関係が良好
  • Volition(セインツロウシリーズの開発スタジオ)は、Activationが買う可能性あり。Activationは、箱庭ゲームの構築に失敗している
  • Relic(Company of Heroesの開発スタジオ)は、EAが買う可能性あり。EAは「Lord of the Rings: Battle for Middle-earth」「SimCity」といったRTSを好む
  • Metro: Last LightはWarner Bros.が買う可能性あり。大抵のメジャー企業はFPSタイトルを持っているのを考えると、Warner Bros.が行き先に適する。F.E.A.R.シリーズも休眠状態なので役立つ。……スクエニの可能性もあるかも?

以上となります。

何とも面白い予想ではありますが、今のTHQの状況を考えれば完全否定はし難い情勢でもありますし、先ほどもいったとおりビジネスや経済は諸行無常です。
というわけで、今日は今年も企業が買収したりされたりしまくっちゃって、何とも世知辛い世の中だよっていうお話をしてみようかと思う次第です。

買収したりされたり

日本でもいくつか買収劇がありました。
ソニーがクラウドゲーム配信のGaikaiを買収したのは記憶に新しい事です。個人的妄想ではありますが、ソニーが次世代機にこの機能を主体をした仕組みを組み込めば、コストダウンを狙えるような気がしないこともない……と、夢を膨らませてくれたのは言うまでもありません。……その後、音沙汰ありませんけど。

他にも日本の2大ソーシャルであるグリーとDeNAは、ソーシャル系の独立起業をどんどん買収していってます。両社の買収劇は何とも面白い構図で、この際両社ともどんどんやるがいいさ! という気分にはなります。
いまいち興味がないソーシャル業界の話題も、ゲーム業界の各メーカーはソーシャルと家庭用を兼用しているのが現実で、いつ大手メーカーがソーシャルメーカーに買収されてもおかしくはないという懸念があると、ビジネスくらいは興味をもってみるのもいいのかなーと思うわけです。……まぁ、ゲームにはまるで食指が動かないわけですが。

で、他はVitaでもロンチタイトルで一目置かれていた「地獄の軍団」の開発元、エンタースフィアもマーベラスAQLに買収、子会社化されました。平成24年4月期で売上高は約3億5000万円、経常利益が287万円に純利益189万円。
……も、もうしわけないのですが、流石に儲けがあまり出ていないと言わざるを得ません。エンタースフィアは、グリーに「煉獄のクルセイド」「カードファイト!!ヴァンガード」「EVANGELION~めぐりあう絆~」「CITY HUNTER 100万人のスイーパー」といったタイトルを出しています。特に「煉獄のクルセイド」はグリーでも上位にランキングされていたタイトルではありますが、それが利益になっているのかどうかは計りかねるところです。
とはいえ、マーベラスAQLがエンタースフィアを買収したのは、地獄の軍団的なモノを期待して……というわけじゃないのは、誰しもが想像するところでしょう。今後は、マーベラスAQLでもソーシャル系として頑張っていく流れになると思います。

ビジネスの根底が変化

今、ゲーム業界は色々と変動しています。それは、タブレット端末の登場であったり、Free to Playの台頭であったり、ソーシャルゲームがでてきたり。それらは、今ある既存のゲームビジネスの在り方そのものを変えていると言えるでしょう。

例えばスクエニが先日発売を発表した「キングダムハーツ –HD 1.5 ReMIX-」は、初回特典が「KINGDOM HEARTS for PCブラウザ(仮称)」で使えるアイテムという、ソーシャルへと誘う流動線を描いています。リメイク作品なだけに期待している人も多いとは思いますが、天の邪鬼な管理人としましては「KINGDOM HEARTS for PCブラウザ(仮称)」の宣伝も兼ねたんだろうなーというのを想像してしまうわけです。いくらネームバリューがあるとはいえ、こういった宣伝をしないと誘いにくいという現実がある、という事にも思えました。……いや、キングダムハーツ –HD 1.5 ReMIX-には期待していますよ?

今までのゲーム業界の歴史上、業界再編と呼ばれるタイミングは何度かありました。話題にあがったスクエニさんも、元はスクウェアとエニックスですし、セガさんも今やセガサミー、バンナムさんもバンダイとナムコだったわけです。ですが、今はそれ以上にビジネスの在り方そのものが変化していて、それに従来通りのユーザーのニーズとソーシャル系ユーザーのニーズ、メーカーの思惑が基本的にはかみ合わず、かみ合ったら良ゲーや神ゲーの登場になる。そんな状態が今ではないでしょうか。
いつになったら落ち着くかはわかりませんし、どういう結果になるのかはわかりません。ですが、従来通りという市場と、そうじゃない市場を上手く分けていく事もできるのではなかろうか? とも思えるわけです。すべてはやり方次第だと言えますので、そういった市場構築を業界の皆様は頑張って頂きたいと、いちゲーマーとして勝手ながらに思ってしまう、今日この頃です……。

[情報元:インサイドさん,Choke Pointさん]

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:最近のゲーム市場は何とも諸行無常だなーというお話です。

しゃきーんさん:まぁ、従来通りのゲームだけを推し進めても、それで利益が出せるかどうかってのは何とも言いがたい話だしな。

しょぼーんさん:今の市場がそうだからしょうがないのかもね。でも、THQみたいにどこが買い取る? みたいな事がそのうち日本でもまた起こるかも。そうなったとき、ソーシャルの立ち位置とか従来のゲームの立ち位置とかがどうなっているかってのは、未知数ですな。……ま、ソーシャルは興味ないんだけどネー。

しゃきーんさん:いやまぁ、そこだけはわかってたわ。

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