連載:気まぐれゲーム雑記 第84回:日本だとインディーズが余りいないけど、今後は……? と言う話題
気まぐれゲーム雑記
第84回「日本だとインディーズが余りいないけど、今後は……? と言う話題」
そもそもインディーズをどう定義するかって話にもなっちゃうのです。
インディーズは、インディーズらしいパワーがある
海外のゲーム業界だと、よくインディーズという言葉が使われます。
海外だとそのインディーズの代表格として出てくるのが、「MineCraft」であったり、日本だと「風ノ旅ビト」と言うタイトルでも知られている「Journey」だったり、白黒の独特な世界観を描いた「Limbo」だったりします。日本だと、360でちょっとした話題にもなった「メゾン・ド・魔王」や「洞窟物語」でしょうか。これらのタイトルは、大手に属さず開発されたタイトルです。インディーズの定義とは、人のとらえ方次第で変わるモノではありますが、本日はWikiに書いてある通り「大手(メジャー)に属さず、独立性の高いモノ」という定義で話を進めていこうかと思う次第です。
で、そんなインディーズ業界ですが、海外だとオンラインによるゲームジャムイベント「Indie Speed Run」が来年1月6日に開催されます。ジャムイベントとは、即興イベントのこと。つまり、即興でゲームを作っちゃおう、というイベントなわけです。詳しくはこちら。
ざっとまとめちゃうと以下の通り。
- MinecraftのNotch氏やJourneyのKellee Santiago氏、Baldur’s Gate: Enhanced EditionのTrent Oster氏などが審査員を務める
- 今回のゲームジャムは1~4人のチームで48時間以内にゲーム開発を行う
- 世界中のゲームデザイナーが参加可能なオンラインイベント
- イベント参加には25ドルかかるが、最優秀作品には2500ドル支払われる
- 1月7日以降は順次プレイアブル展示される
海外では、インディーズだからこそやれるこのようなイベントがあります。当然、日本でもあるわけですが、今回のIndie Speed Runのようなそうそうたるメンバーが審査員というジャムイベントは聞いた事がないです。
というわけで、本日は日本だとインディーズって余りない気がしてならない……っていう話をしていこうかと思います。
日本でインディーズというと?
日本では、一部のRPGツクールなどで開発された個人的なゲーム開発者や、同人ゲームなどがそれに値するように思います。まぁ、あくまでもいち意見ですので色々と考えはあるでしょうけど、「Fate」でお馴染みのTYPE-MOONは同人から商業へ出たブランドですし、「ルセッティア~アイテム屋のはじめ方~」という同人ゲームがSteamで配信された、という話題が出た事もありました。
ゲーム制作というのは、志がかなり高くないとできません。よく聞く話で、小説家を目指している人の8割は物語を書き終える事ができない(何かしらの理由で諦める)とも言われていますが、それと同じ事が言えます。それに、インディーズの場合は制作から販売まですべて自分で考える必要があります。そうなると、更に敷居は上がるでしょう。
最近で言えば、Vitaの「Project Discovery」がインディーズへのアプローチに値するでしょうか。……こちらはノベルズ限定ですが。
一昔前だと「PlayStation C.A.M.P!」や「ゲームやろうぜ!」といったSCEJが企画していた事は、インディーズを発掘する企画に近いモノがありました。とはいえ、気軽に参加出来るモノではありませんし、「PlayStation C.A.M.P!」や「ゲームやろうぜ!」は本当の意味でのインディーズな人達は参加しにくいような雰囲気があった気がします。
そこらへんを考慮すると、海外のようなインディーズイベントが日本だとコミケくらいしかないわけで、インディーズが盛りあがるようなイベント自体が余りないというのが現状に思えてなりません。……コミケは創作物を発表しあったりする場であって、ゲームイベントというわけではありませんしね。
新ハードの登場でインディーズはどうなる?
そもそも、インディーズの活躍の場はPCがメインです。なぜかと言えば、通常家庭用ゲーム機の開発キットは契約して有償で得るモノですが、PCなら開発キットは自前で用意すれば良いのです。Javaだろうと、PHPだろうと、Flashだろうと、独学で勉強してやれないことはありません。ともなると、家庭用ゲーム機がPCよりも先に流行してしまった日本においては、インディーズは育ちにくい土壌なのかもしれませんね……。
ですが、ソニーはPlayStation Mobileと称してVitaとアンドロイドOSをつなぎ合わせる仕組みを構築し、インディーズを支援するかのような動きを見せていますし、360でもユーザーが作成したゲームをレーティング機関を通さずに配信できるような仕組みを構築しました。Wii Uでも、Wii Uのeショップで可能になるのではないでしょうか。……まぁ、Wii Uはどうなるのかわかりませんけど。
ソニーやMSが次世代機を来年出すらしい、という話題で持ちきりになっている現状ではありますが、それは同時に高騰し続ける開発費への懸念も生まれます。ともなれば、大手の力を借りず自分だけ(もしくは仲間内だけ)で作り上げてしまうインディーズの方々は、活躍の場ができる……かもしれません。
今後、任天堂、ソニー、MSの各ハードがどのように動くのかはわかりませんが、せっかくあるインディーズの才能を使わない手はないようにも思えますので、新ハードで上手く活用できるような形を作っていった方が、色々と未来があって面白いのではなかろうか? と思えました。インディーズな方々は、頑張ってメジャーになってもらいたいですね!
しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会
:インディーズな話題があったので、日本ってインディーズが何かこう、違うよなぁって感じがする事を書いてみました。
:そもそも、インディーズはPCゲームが主体だからなぁ。家庭用が主体の日本だとちょっとした違和感なのかもな。
:インディーズゲームは当たり外れが大きいけど、PCゲームらしさとかがあって嫌いじゃないんですよね。家庭用でも頑張ってもらいたいものだけど……。
:まずは環境整備が必要なのかもな。やっぱ、インディーズはPCありきだから、そこからどうやって家庭用にアプローチするのかってのが最大の課題なんだろう。ハードメーカーも、上手く取り込んでほしいとは思うけどな。