レビュー「mini Metro」:地下鉄網の最適化をひたすら模索し続けるシンプルながらに奥深いストラテジー

mini Metro

最適化を目指すのです

前置き

”効率厨”なんて言葉があります。ただひたすらに効率を求めて、他者にもそれを強要するタイプのプレイヤーを指す言葉なわけですが、案外使いどころが難しい。何で使いどころ難しいかといえば、それぞれ各個人が思い描く“効率厨”という人物像が共通のモノとは限らないからです。……言葉にするとややこしい感満載ですけど、とどのつまりはどこまで効率重視なプレイを“効率厨”と呼ぶかは人次第、ってことです。

勘違いしないで欲しいのは、「効率を求めること自体は悪い事じゃない」という事だったりします。というか、「縛りプレイ」じゃない限り、プレイヤーは大抵効率を求めるモノなのです。むしろ、“シミュレーション”や“ストラテジー”のジャンルは効率を求めなければ、勝てなくなるモノさえありますし。というわけで、そんなひったすらに「効率という名の最適解を求めるストラテジー」をご紹介しようと思う次第でございます。

あ、ここまでが前置きです。

効率を求めないと運行が止まるMini Metro

さて、本日のレビューは「Mini Metro」という地下鉄網を張り巡らすだけのストラテジーです。基本的なゲームルールは極めて簡単。○や△や□などの記号化された駅を、線路で結んで乗客を目的の駅まで運んであげるだけ。たったそれだけです。逆に、利用者が多すぎて駅が運営停止になったらゲームオーバーです。そうならないよう、最善を尽くして効率化する必要があります。

mini Metro

えんやこら、線路で結ぶんです

ですが、ゲームである以上ルールにいくつかの追加要素がでてきます。1つめは路線の本数。これはステージごとに上限は違いますが、最初は3本まで作る事が可能です。あとは、1週間が終わるとちょっとしたアップグレードができるので、そこで運がよければ本数が増やせます。なお、アップグレードの要素は、路線を増やす他にも、後続車両を増やしたり、駅を大きくしたり、川を渡るためのトンネルを増やすなどの選択があります。

mini Metro

色々アップグレードします

2つめは、駅はひたすら増えていく、という事。駅が増えていくということは、それだけ利用者が増えていきます。つまり、それだけゲームオーバーになる可能性が増えていくわけです。線路が長くなりすぎないよう、かつ人が集中しすぎないor上手く目的地まで運べるように、「地下鉄網の最適化」を自分なりに考えていく事になります。

mini Metro

システムが全力でこちらをゲームオーバーにおいやろうとします

3つめは、ベースのマップは変わらないモノの、駅の位置は変化するという事。要するに、プレイするたびに変化するので同じ攻略法は通用しません。もちろん、ベースは変わらないのである程度の傾向や対策は練ることが可能ですが、ある程度臨機応変な答えが求められます。

mini Metro

新幹線が使えるマップ「大阪」

それらのルールを理解し、最適解を目指して黙々と考え続ける事になります。ルールがシンプルな割には、そこそこに頭をひねらないとあっさりゲームオーバーになってしまうところがあり、その奥深さが垣間見えるところとも言いましょうか。

総評:試行錯誤をしながら、効率という名の最適化を目指すストラテジー

本作は、凄くシンプルです。それでいて、UIもかなり直感的に分かるような作りになっています。だからこそ、最適解を導き出さないとあっさりゲームオーバーに追いやられる、そんなゲームです。ひたすらに地下鉄網をどう「効率」よく運用するかが求められます。

最適な答えというのは、ストラテジーらしく試行錯誤を繰り返すことで時折何かしらの答えが見えてくる……ような気分に陥ります。そこに至るまでが結構長かったりもするわけですが、ルールがシンプルなだけに「なぜ上手くいかないのか」とついやりこんでしまうタイプとも言えましょうか。なお、通常とは違ってゲームオーバーにならない「エンドレスモード」もあるので、そちらで黙々とやり続けるのも良いかもしれません。

また、通常プレイなら1プレイが短いというのも特徴の一つでしょう。ハイスコアを目指せば目指すだけ長くプレイできますが、それでもそこまで長いプレイ時間にはなりません。電車の運行速度を倍にしておけば、比較的あっさりと楽しめるモノに仕上がっています。

恐らく、考える事が苦手な人には難易度が高いモノに違いはないでしょう。ですが、ひたすらに最適化するのが好きな人にとっては、黙々と遊んでいられる代物です。ハイスコアも夢じゃありません。シミュレーションやストラテジーに抵抗がない人は、比較的安いゲームですし是非手に取ってみて欲しいですね。

この記事を書いた人

AZ

AZ :

「独り善がりなゲームログ with 電漫堂」の管理人。かつて編プロに勤めていたけど、気づいたらWEB屋になってた。ハンドルネームは「アズ」と読むはずだけど、かつてとあるゲームで外人さんからボイスチャットで「Hey! AZ(エイジ)!」と呼ばれて以来、どう読むべきなのかをかれこれ10年以上悩んでる。

レビュー「mini Metro」:地下鉄網の最適化をひたすら模索し続けるシンプルながらに奥深いストラテジーに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:「mini Metro」のレビューでございます。

しゃきーんさん:ふむ。シンプルなストラテジーなのね。

しょぼーんさん:考えるのが楽しいって人にうってつけかな。地下鉄網で混雑しないように最適化するゲームって考えるとわかりやすいと思う。プレイ時間もそんなに長くならないし、そんな高いゲームでもないので、セール入りしてたら手を出してみるのもありかと思う次第。……久々に考えるゲームをやりました……。

しゃきーんさん:最近はアクションモノが多かっただけに、たまにゃ良い頭の体操になっただろうよ。……次の消化も頑張れ?

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