レビュー「クリプト・オブ・ネクロダンサー」:ローグライクとリズムゲームを混ぜ合わせたらアクション並の判断力が求められる一作が誕生

クリプト・オブ・ネクロダンサー

リズムに乗って、倒し倒されましょう。

前置き

「混ぜるな! 危険!」なんて警告文があるわけですが、実際混ぜたりすると本当に危険だというのは、恐らく世界的にも有名なサメ映画「シャークトパス」が証明してくれています。あ、ちなみに「シャークトパス」というのは、サメとタコを混ぜたら恐ろしく大暴れする何かが誕生してしまったというツッコミどころ満載のわたくしが大好きなB級映画です。新作、期待してます。

こんな映画

その一方で、混ぜたら思いのほかうまくいくモノもあります。それが、本日のレビュータイトルこと「クリプト・オブ・ネクロダンサー」です。ローグライクとリズムゲームという普通なら相容れないジャンルを、狂気の沙汰とも言える雰囲気満載でヒュージョンしたら見事成功したという、雑な言い方をしてしまえば「どこかで体験したことがあるけど何か新しい」類い稀なる良作といっても過言ではないでしょう。

あ、ここまでが前置きです。

清く正しくリズム「アクション」なのである

「クリプト・オブ・ネクロダンサー」は、よくある「ターン制」のローグライクなゲームです。わかりやすく言えば、「風来のシレン」とか“不思議のダンジョン”シリーズとか、ああいったモノと思って構いません。ですが、そこにたった一つ“リズムゲーム”の要素をぶち込んだ事により、独自の面白さを確立すると共にローグライクなゲームとして難易度をググッと引き上げた代物といっても良いでしょう。リズム“アクション”とはよく言ったモノです。

クリプト・オブ・ネクロダンサー

心臓部分でリズムを取ります

じゃあ先ほど書いた「ターン」という概念はどうなるのかと言えば、「1ビートが1ターン」に相当します。これによって何が起きるかというと、ローグライクで重要な“思考する時間”が極端に短くなるわけです。モンスターはだいたい特定のパターンで行動するので、冷静に考えればそう難しい事もない……はずなのですが、「リズムに合わせて動く」「ほぼ瞬時に答えを出さないといけない」といった2つの縛りにより、このゲームは他とは違うローグライクの地位を得ることになります。

縛られて、なぜ楽しい?

本作は、慣れない序盤だと結構サクサク死ぬケースがあります。これは、「死にゲー」のジャンルといっても過言ではないくらい「リズムに乗ってドンドン死にゆく」わけですが、この小気味よいテンポとプレイヤーを見事に乗せるよう仕向けてくるサウンド、そのすばらしさはお見事の一言につきるでしょう。

じゃあ攻略法は? といえば、あらゆるリズムゲームに共通していえる事は「練習」です。つまり、「リズムに合わせて動く」事と、「ほぼ瞬時に答えを出さないといけない」という2つの縛りにより発生するのは、すべてのモンスターの対処法を「理解」し「練習」することで解決へと導きます。とにかく、曲になれる事とモンスターの倒し方を練習する事。その2つをやっていくうちに、自然とうまくなっていく自分が見つけられるのです。ちなみに、1曲が終わると強制的に次のフロアへ進む事になります。

クリプト・オブ・ネクロダンサー

NPCを助ければ、練習もできます

また、ダンジョン内にはお店があり、お金を使ってアイテムを購入する事もできます。当然ながら、買う際もリズムに乗り続ける必要があるので、あまり悩んでいる時間はありません。理想は即決即断です。お買い物さえ早く済まさないといけないのが、本作が清く正しいリズム「アクション」である事を表しているかところでもあります。

クリプト・オブ・ネクロダンサー

店主が歌ってます

他にも、ダンジョン内には牢屋に捕まっているNPCがおり、牢屋から解放する事でロビーに常駐し色んなサポートを受けられるようになります。それらのサポートは、ダンジョンに落ちている”ダイヤモンド”を集める事でアンロックされていき、アイテムがダンジョン内に出現するようになったり、雑魚戦、ボス戦を練習できたり、ダンジョン内に落ちるアイテムを取り除いたりする事が可能です。後半になっていけばなっていくほど、サポートなしには難易度が上がっていくだけなので、確実に解放していった方が良いでしょう。

クリプト・オブ・ネクロダンサー

色んな事が可能です

あと、違ったやりこみ要素の一つとして、プレイアブルキャラクターも条件を満たせば解放されていきます。プレイアブルキャラクターにはそれぞれ特徴があり、さらなる縛りプレイが可能といっても過言ではないでしょう。一部のキャラクターには主人公たるケイデンス以外にもストーリーが用意されているので、ストーリー展開をご褒美にプレイしてみるのもアリです。

クリプト・オブ・ネクロダンサー

色んなキャラクターで楽しめます

総評:リズムに乗せられガンガン死にゆく様が最高に面白い、リズム系ローグライク

本作は、強いて言えば3つの要素について、許容できるなら十分楽しめると思っています。その3つとは、次の通り。

  • ローグライクが好きな事
  • リズムゲームが多少できる事
  • 死んで学ぶというスタンスでゲームができる人

ベースがローグライクなだけに、それが好きじゃなけりゃ話にならんわけですが、リズムゲームを楽しめる人じゃないとちょっと違和感を感じる可能性は否定できません。ですが、リズムゲームは、ある程度の練習でどうにかなるケースが多いです。絶対的にリズム感がない、という人じゃなければ、許容しやすいでしょう。まぁ、もちろん一部リズムが取りにくい曲もあるわけですが……。

そんな、練習することが基本にあるゲームなので、結構死にます。いや、他の人はどうか知りませんけど、私は良く死にました。リズムに乗せられ、ガンガン死にました。死んで悔しがる一方で、ほんとリズム良く死んだなぁと感心させられたくらいです。序盤なんかは、レッドドラゴンあたりの挙動が難所になりそうですが、それも練習したりアイテムをアンロックすることでどうにかやりこなせるようになっていくでしょう。そうやって、着実に上手くなりながらクリアを目指せるというのが一つの魅力にも思えます。

クリプト・オブ・ネクロダンサー

宿敵、レッドドラゴンさん

本作は、PC版は安心の日本語が搭載されており、すでに家庭用機向けにも発表されているインディーゲームとなりますが、ローグライクとリズムゲームの融合は珍しい部類ですし、一度はやってみる価値はあると感じております。家庭用機向けがどういった話題を作るかはわかりませんが、インディーゲームに興味がある人は是非一度手に取ってみて欲しい限りですね。

この記事を書いた人

AZ

AZ :

「独り善がりなゲームログ with 電漫堂」の管理人。かつて編プロに勤めていたけど、気づいたらWEB屋になってた。ハンドルネームは「アズ」と読むはずだけど、かつてとあるゲームで外人さんからボイスチャットで「Hey! AZ(エイジ)!」と呼ばれて以来、どう読むべきなのかをかれこれ10年以上悩んでる。

レビュー「クリプト・オブ・ネクロダンサー」:ローグライクとリズムゲームを混ぜ合わせたらアクション並の判断力が求められる一作が誕生に関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:「クリプト・オブ・ネクロダンサー」のレビューでございます。

しゃきーんさん:ローグライクにリズムゲームの要素が混じったのね。

しょぼーんさん:それが最大のウリっすな。ほんと、それだけでテンポがかなりよくなってガッツリ楽しめたと思っておりますよ。リズムゲーム要素があるだけに、サウンドも素晴らしいの一言に尽きるし。……そして、軽快に死にまくるわけですよ。

しゃきーんさん:そうやって上手くなっていくってことだろうよ。

コメント (2)

ken8

ゲームの内容と関係無いんですが、冒頭で「B級映画」がお好きだと言うので
「シャークネード」と言うB級もとい、馬鹿映画が個人的にはオススメですw
まあ「シャークトパス」とサメ繋がりで紹介しただけです(^_^;)
一応1~3まで出てますw

AZ

AZ

シャークネードは1と2は見たのですが、3がまだなんですよね。
個人的にB級的な意味でかなり期待しちゃっているので、どうにか時間を作って見ようと思っておる次第でございます。
もっとB級映画ファンが増えると良いですね!
……ここ、ゲームブログですけどネ。(´・ω・`)

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