連載:「Banished」のレビュー 戦争のないほのぼのとした世界、でも確かに開拓する過酷さを感じられる秀作村作りシム

気まぐれゲーム雑記
「Banished」のレビュー 戦争のないほのぼのとした世界、でも確かに開拓する過酷さを感じられる秀作村作りシム

やれ。それ以上は言えません。

たった一人で作り上げた村作りゲームの傑作

AZです。体調不良でもゲームをする事はやめません。

さて、ついに「Banished」のレビューにまかりでようと思います。当ブログでも謎の人気を誇っていた「Banished」のファーストインプレッションですが、いつまでもインプレッションのままではいけないと思い立ったのです。ちなみに、プレイ時間は70時間を超えており、都市開発シミュレーションは「シムシティ」「A列車」「トロピコ」「シティーズ・イン・モーション」とかなり網羅しております。

Banished イメージ

悪戦苦闘しながら400人の村になりました

ファーストインプレッションにも書きましたが、Banishedとは日本語訳すると追放者という意味です。どういう理由かはわかりませんが、とあるところから追放された人達を導く指導者として村開発していくというのがこのゲームの趣旨となっています。ファーストインプレッションでは街と書きましたが、村と表現した方が雰囲気には沿っているモノがあります。

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カントリー感がすごいのです

そういう設定がある割には戦争といった要素は一切ないことが特徴の一つでもあり、ただひたすらに村を作っていくことだけに集中できます。ですが、シムシティのように何万人規模の「大都市」を作るとかそういった村開発ではありません。精々多くて1000人程度の村開発となりますが、初期は本当に十数人しかおらず住人一人一人が果たす役割は非常に大きいゲームとなっているのです。ですが、細かくいち個人に職業を割り振る事はできないので、自宅から遠くの職場に割り振られたりしないよう上手く制御していく必要があります。

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ほのぼの畑が並ぶ村

最近のゲームだし村開発なのでマッタリとした緩いゲームなのか、と思いきやそんなことはありません。初年度の越冬は結構高い壁となりますし、度々起こる食糧不足はあっという間に住人を餓死へと追いやってくれます。また、食料以外にも、ツール不足、服不足、木材不足、鉄不足、石不足、薪不足、墓不足など有りとあらゆるモノが不足しがちで、ゲームスタートから中盤まではそれをどうやって安定させるかに注力する事になるでしょう。序盤の場合多少の失敗は挽回できますが、そこそこ失敗が続くと手の施しようがないくらいに詰んでしまいます。

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300人あたりで失敗をやらかし、最終的に誰も居なくなった村

また、安定したからといって安心はできず、突発的なイベントとしてノマドの存在があります。ノマドはタウンホールを作ると時折やってきて村に入れてくれるよう頼んできますが、受け入れると急激に人口が増えるので管理が大変になります。もちろん、受け入れないという選択をするのも自由です。また、安定期に入ったからといって急激な村発展をしようとすると随所に支障をきたす事となり、あっという間にゴーストタウン行きが確定してしまうので、かなり慎重な村運営が求められるのです。ちなみに、タウンホールでは様々なデータが閲覧出来るので、建てておいた方が開発計画が立てやすくなります。

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ノマドの襲来

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管理に失敗し、食糧難が起こり人が急激に下がった人口グラフ

他にも、ランダムで起こるイベントとして災害があります。ですが、災害についてはゲームスタート時に有無を決める事ができます。災害の有無は難易度を大きく変えますので、慎重に選んでプレイするようにしましょう。

ゲームを上手く進めるには、それら資源の需要と供給、生産バランスを上手く考えながら、じっくりと村開発を進めてい必要があります。この「じっくり」というのがポイントで、シムシティのように性急な村開発とはいきません。10倍速までゲームを早める事ができるのでそれを使えばかなり早いテンポでの村開発を眺める事ができますが、慣れるまではじっくりと、ゆっくりと変化していく村を眺めていかないと対応が遅れる事もそこそこにあります。当然、慣れれば終始10倍でも問題ありません。最初はゆっくりじっくりと開発を進め、慣れてきたら徐々にゲームスピードを上げていくと村の広がりもより早く実感できる様にできています。

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最初は何もなかった土地が……

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じっくりと発展していく様が楽しめます

シムシティなどとの大きな違いは、住人一人ごとに職業を割り当てられる事です。この職業が非常に重要で、たびたび人数をいじる事になります。何を生産すべきか、どのように資材を確保するかを綿密に考えていく事が求められ、状況に応じた変化が必要になります。それらを四苦八苦しながらも自分だけの村を作り上げていく事こそ、このゲーム最大の楽しみであると言えるでしょう。

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私が作った村のベストショットっぽい感じな一枚

このゲームは、シムシティというよりもAoEやトロピコから戦闘要素を取り除いた村作りシムである、という表現が一番わかりやすいです。ですが、戦闘要素を取り除いている以上は、資源に対してかなりシビアな作りになっています。また、職場が自宅から遠くなってしまった場合のフォローなど、それなりに大きな村を作ろうとしたら難所となるポイントが存在するのもたしかです。ですが、資源管理に悪戦苦闘しながらも出来上がった自分だけの村を眺めた時の達成感は、もはや言う事もないくらい格別なモノになっている事でしょう。

私にとっては、このありそうでなかった村作りシムは非常に良く出来た一作だと声を大にして言いたいです。たった一人でこれを作ったのかと思うと、感動すらしました。インディーゲームとして、またジャンルとして素晴らしい作品だと賞賛すべきタイトルです。ちなみに、まだ日本語化は存在していませんが今後MODが用意される可能性は高そうです。ゲーム自体も比較的簡単な英語ですし、英語に過剰な拒絶反応がない限りは英語がわからなくとも攻略wikiを見ながらでも十分プレイ可能でしょう。少しでも村作りシムが好きだ、と思う人は是非手を出してみて下さい。過酷ながらも楽しい村作り体験が待っていますよ!

以上、「Banished」のレビューでした!

総評

評価項目 スコア
村作りだけに没頭 10/10
10/10
カントリー感 9/10
9/10
カメラやUI 7/10
7/10

良いところ

  • 自分だけの村作り体験が可能
  • 戦闘要素は一切無いので、落ち着いてプレイできる
  • 決して緩い難易度ではなく、開拓の過酷さもそこはかとなく感じられる
  • 災害の有無を決められる

悪いところ

  • 村人の職場が遠い時、個別に指定する事ができない

注意点

  • 現時点(2014年3月13日)において日本語化する方法はないが、攻略Wikiだけで十分なくらいに簡単なシステムになっている

しょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん:ということで、「Banished」のレビューと相成りました。

しゃきーんさん:随分と絶賛してるな。

しょぼーんさん:村作りとか都市開発系ゲームに興味があるなら、間違いなく買いです。たった一人でコレを作ったというのは、素晴らしいの一言に尽きますな。決して緩いわけじゃなくて、しっかりと考えながらやらないとあっという間に滅びるし。……英語については、渡航経験があるというのに英検4級を落としたわたくしが問題無くプレイできているのだから、攻略wikiみればどうにかなると思うよ!

しゃきーんさん:……何しに海外へ行ったんだよ……。

連載:「Banished」のレビュー 戦争のないほのぼのとした世界、でも確かに開拓する過酷さを感じられる秀作村作りシムに関するしょぼーんさんとしゃきーんさんのゲーム座談会

しょぼーんさん

しゃきーんさん

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